2020年1月14日 掲載
2019年12月初旬から年始にかけて、約1か月の間、パソコンのコンセントを抜き、ガラケーの使用をやめてみました。偶然とも意図的ともとれる取り組みのご報告の第1話です。
家電が次々と壊れる問題
買いそろえる時期が同じだから買い替えの時期も同じになりがちとは耳にしていましたが、2019年は実にいろいろな機械が壊れました。買い替えにトラブルが生じたり、新しい機械に慣れることに苦労したりと散々な一年でした。特に、私個人の生活や商売を支えるコンピュータ周辺機器の不具合には泣かされました。
2019年不具合の連鎖
6月に読書用アプリケーションソフトが動かなくなりました。これはPCの買い替えで解決しました。(「見えない人は新しいマシンで」参照)しかし、これが縁で買い替えたスクリーンリーダーと音声ブラウザが買い替えた途端に新製品になり、またまた買い替えることになりました。(「音声ブラウザに苦しめられて」参照)そして、この買い替えが縁で、もともと壊れかけていたポータブルの読書機もついでに買い替えようということになりました。このポータブル読書機の具合が悪くて、ある日プチっと音声が切れたきり、うんともすんとも言わなくなってしまったのです。これが12月初旬のことです。
プチッと切れたらプツッと切れて
そうでなくても家電の不具合に振り回されていたためか、読書機の停止とともに私自身もプツッと切れてしまいました。電化製品に振り回されている自分も電化製品がなければ成り立たない暮らしもみ~んな嫌になってしまったのです。パソコンもガラケーもiPadもキーボードもイヤホンもネックスピーカも読書機もそれにくっついているさまざまなコードたちもすべて小さな引き出しに詰め込んで封印しました。すべて詰め込んでも小さな引き出しの半分にしかならなくて、こんな小さなものたちに苦しめられているかと思うと笑えてきました。
誰にも引き止められない私
とりあえず、会社にしばらくの廃業宣言をし、ガラケーに登録してあるわずかな人々に電話もメールも通じないことを連絡して電源を切りました。この時代に、しかもインターネットを生業にしている私がデジタルデトックスをしてどうなるのだろうと急にわくわくしてきました。途端に発見したことというか自覚してしまったことは、商売上のやりとりは会社に任せるとしても、私個人のやりとりは最大で見積もっても8名だったということです。この8名に「電話もメールもしばらくやめます」と宣言すればそれだけで、しかも誰からも「困る!」というようなことをまったく言われないままにデジタルデトックスが完了してしまったということです。
この悲しき事実ををどう落とそうか
先は長くなりますので、今回のコラムはここで締めたいのですが、この悲しき事実を一体どう落とせばよいのでしょうか。一つ利点があるとすれば、今月末で失明20周年を迎える私には携帯のアドレスにたったの8名しかいないことからわかりますように、ごく少数の人間関係の中で生きています。失明を機になんとなくそうなってしまっただけなのですが、いわゆる盲教育を受けていないことや視覚障害者のコミュニティに属していないことは、純粋な視覚障害者と言いますか、稀有な属性のようで、ときどき研究などに重宝されます。私自身の商売もこの属性を売りにしているところがあるわけですが、そういうことですので、純粋視覚障害者の能力が必要なときはいつでもお声掛けください。そして第2話も乞うご期待!