自治体サイトWebアクセシビリティ調査2025を終えて

お待たせしました。通算23回目を迎えた『自治体サイトWebアクセシビリティ調査2025』の発表です。今回のテーマは「防災・災害情報とアクセシビリティ」。なんと、おととしの調査後のこのコラムの拡大版となり、私の自治体サイトに対する懸念がめずらしく社内コンペを通りまして、当社の看板調査のテーマに採用されました。

毎年、調査後に雑感をしたためているこのコラム。全盲の視覚障害者の調査員としての立場で感じたことを書いています。今年のコラムの内容が未来の調査のテーマになることもあるということで、心して読んでいただけると幸いです。

2024年の雑感と2025年の雑感は同じ

調査をしながらコラムにしたためる内容を脳内に浮かべています。あらかじめいくつかの論点に絞って執筆の構想を練ったのち、昨年、一昨年とさかのぼって自分のコラムを再読してみるのですが、今年は驚きました。昨年とまったく同じことを書こうとしていたのです。

同時に、これが当事者に読まれていないことが明らかになり、落ち込みが深い2025年の夏です。「2025年の雑感はこちら」と2024年の調査後のコラムをそのまま貼り付けたい衝動を抑え、がんばって別の切り口で執筆を試みようと思います。

代替テキスト

いつだって、一言目には代替テキストのことを言いたいわけであって、手を変え品を変え長年に渡り言い続けているこのコラム。一年たってもほとんどというかなんの変化もない自治体サイトを目の当たりにし、さすがにあきらめようと思ったけれどまた次の手を思いついたので続けます。

法令遵守から代替テキストを考える

今年の調査で見つけたよくない代替テキストの事例に、代表メールアドレスを画像にしているものをみつけました。この画像には「○○県庁代表メールアドレスの画像」という代替テキストがついています。迷惑メールを排除するための対策と思われますが、同時に私(音声で情報を得ている全盲の視覚障害者)も排除されていることを、このコラムの読者はここで認識しておいてください。

私は、自治体サイトや各種SNSの制作、運用、修正を自治体の職員のみなさんといっしょにする中で、職員のみなさんは情報を書きすぎる傾向にあると感じています。「これは国が公式に出している情報があるのでそちらに促してはどうですか」とか、「そこまでかかなくてもわかりますしそんなに書いても読んでもらえませんよ」とか、さまざまなコメントをしますが、受け入れられたりそうでもなかったりすぐ戻ったりしてしまいます。

そうしてしまうのには原因があるようで、どうやら書いておかないと不安らしいのです。こういうときの職員のみなさんの頭の中には、「法令遵守」というキーワードが常にあるようです。このことは別に悪くない、むしろ使えます。「こんなにいっぱい書いてしまってルールや状況が変わったらどうするのですか、見直しを怠って間違った情報がサイト上に残ったままになっているとそれこそ法令遵守にはなりませんよ」というようなことをお伝えし、納得いただくことがたまにあります。

さて、冒頭で紹介した代表メールアドレスの画像の代替テキストに話を戻します。迷惑メールは排除できるかもしれない、しかし同時に私(音声で情報を得ている全盲の視覚障害者)も排除されていたのでした。これは明確に法令違反に該当します。少なくとも迷惑メールの排除よりは高次であると思います。だからという言い方は強すぎるかもしれませんが、「代替テキスト一つで職員のみなさんが気にしている法令遵守を犯す可能性があるのですよ」ということをお伝えして、代替テキストの重要性を訴えることにしました。

断捨離から代替テキストを考える

トップページだけでいいので、ページにある画像のすべての代替テキストを見直してみませんか。バナーもアイコンも写真もイラストも全部。その画像が我が自治体に本当に必要かどうかを検討し、本当に必要なものに適切な代替テキストを付けてみてください。

「断捨離」や「こんまりメソッド」が世の中にどれくらい浸透しているかはわかりませんが、いわゆる「ときめくかときめかないか」で画像を一つ一つ検討してみてはどうかと思うのです。自治体の職員のみなさんは公務員です。全体の奉仕者です。自分の好みか好みでないかではなく、自治体として必要かそうでないかがちゃんとわかる素質があるから公務員なのです。自信を持ってときめくかときめかないかをやってみてください。

やってみると、これはうちの自治体に必要ないなとか、今はもういらなくなったとか、内容的に重複しているなとか、いろいろと見えてくることがあると思います。いらないものは思い切って切り捨て、それぞれの自治体にとって大切なコンテンツを大切に残せばいいと思います。

大体のところ自治体サイトはコンテンツが多すぎるのです。多いものを取り扱おうとすれば煩雑になるのは世の常ですので、適切に取り扱える量に抑えておくことは一つの対策だと思います。それを「公務員的ときめき」でやってみてほしい。画像から迫ってみてはどうかという提案です。

そのうえで、このバナーが、このアイコンが、この写真やイラストが、場合によっては動画の埋め込みが必要となれば、それはそこに堂々と表示してください。表示をするときに「それらの画像をひっくり返して裏に正式名称を書いといてよ」というのが、私があの手この手で伝えようとしている代替テキストへの呼びかけであります。

新着情報欄

都道府県や政令指定都市のサイトは巨大です。この巨大なサイトにどうやって愛着を抱いてもらうか、その方策の一つに「変化」があると思います。その変化を手っ取り早く表現できるエリアとして「新着情報」を取り上げ、解説してみようと思います。

事例から見る新着情報の要素

自治体サイトのトップページにある「新着情報」のエリアに表示されるものの表記について、各自治体はルールを設けているのでしょうか。末端ページがアップデートされると自動的に表示される仕組みなのでしょうか。

すべての自治体サイトに「新着情報欄」が表示されているわけではありませんが、今回の調査で確認できた事例をもとに、新着情報の内容を要素に分けてみると次のようになります。

  • 掲載日
  • タイトル
  • ジャンル
  • 注目度
  • 担当組織名

「掲載日」と「タイトル」の解説は必要ないでしょう。この2つの要素は「新着情報」に並べるときには必須です。ただし、タイトルの表記においては気をつけたいところがあるので後述します。

「ジャンル」は近年付記されることが多くなっています。おもに、住民向けか業者向けかの違いを示したり、イベントや募集情報を区別したりする目的があるようです。ジャンルの別が付記されるだけではなく、タブの切り替えで表示するサイトも増えていて、そのアクセスのしやすさはこれからも継続して見ていく予定です。

「注目度」は私が名付けました。イベントや職員採用・入札関連情報にその期限や日程、人数などの具体的情報を付記するものです。その情報の対象者に情報の取り違えがないように、また行動の先延ばしも防げるという点で工夫されていると思いました。

「担当組織名」は、以前はうっとうしく感じていました。サイト訪問者にとって自治体の組織名やその別はなじまないと感じていたからです。しかし、その記事の責任のありかや問い合わせ先の明確さという点で必要性を再認識しています。ですから付記していただけるといいと思ってはいますが、舌を噛みそうなほど複雑なものや妙に長い組織名は避けてもらえるとありがたいです。

タイトルには「主題」と「文書の性格」の両方を

後述しますと予告しておいた「タイトル」の表記について書きます。

まずは「新着情報」に並べたときの記事タイトルと遷移先のページタイトルが一致することを心がけてください。これが基本中の基本です。

そのうえでその記事がどう新着なのかを伝えなければなりません。そのためには、末端ページを作成するときから、このページがサイト上、またはSNSや検索結果のどこに組み込まれ、どのように表示されるかを想定する必要があります。

具体的には、「…について」としないことです。そして「主題」と「文書の性格」の両方を盛り込むようにしましょう。

自治体サイトを直接運用する立場にあるこのコラムの読者は、どこかで聞いた言葉だなと思われたと思います。そうです。これは『「公用文作成の考え方」解説』にある内容なのです。ウェブアクセシビリティの専門家に指南されるまでもなくご承知のことでしょう。ですが、あまりにもできていないので取り上げています。

「…について」は乱立しています。絶対に使ってはいけないわけではありませんが、「主題」と「文書の性格」を意識すると「…について」の使用率は下がるものと思われます。「主題」はそれを書かないと始まらないので必ず書かれています。しかし「文書の性格」が欠けていることは実に多い。タイトルを読み返して「主題がどうした?」と突っ込みたくなったときは「文書の性格」が欠けているということです。主題をどのように伝えたいのかのメッセージを必ず添えてやってください。

来年も素敵な出会いがありますように

今年は「代替テキスト」と「新着情報」を解説しました。コラムで取り扱うに当たり、調査後にすべての自治体サイトの「新着情報」を読みまくったわけですが楽しかったですよ。実によくできた、対象者を気遣ってああでもないこうでもないと試行錯誤して、タイトルに盛り込む文言のルールを作ったのだろうなあとうかがえる自治体がありまして、時間を忘れて読み続けてしまいました。

こうなると、もう職人技というか、芸術家ですね。調査をしながらこうした丁寧な心遣いに出会うと感謝の気持ちでいっぱいになります。来年も素敵な出会いがありますように。自治体サイトを運営するすべてのみなさんにエールを送りつつ、2025年の調査を終わりにします。

熊本市

公式サイトトップページの「緊急情報」メニューから「防災サイト」にリンクがある。さらに「熊本市防災情報ポータル」が別に設けられている。

防災サイトのアイコンは常時点滅しており停止できないなど、視覚的負担を強いる。防災ポータルでは「開設」「空き」などの重要なテキストがコントラスト不足で視認が難しい。2つのサイトの区別が説明されているが、ユーザーにとっては理解しにくく混乱を招く可能性がある。

福岡市

公式サイトトップページのヘッダーに「防災情報」が配置され、導線は明快である。「知る・学ぶ」「備える」「行動する」と時系列で整理されているが、メニュー以前に出現するテキスト群が多く全体像はやや見えにくくなっている。

福岡市防災情報サイトは、アクセシビリティ上の課題は少ないが、「○○トップページ画像」といった画像自体を説明した代替テキストが多用されている。文脈を意識した意味のある代替テキストに改善することが求められる。

北九州市

公式サイトトップページ「よく利用される情報」に「防災情報北九州」があり、導線はわかりやすい。

防災情報北九州では、ロゴの代替テキストが「北九州市 防災ポータル」と誤って設定されている。イラストから見たい情報を確認する方式は、アクセスの集中が予想される災害時に適切な方法とは言えない。公式サイトにある「視覚・聴覚障害者の方に対する避難情報の提供について」は「防災情報北九州」側からも参照できるようにすべきだろう。

広島市

公式サイトのグローバルナビゲーションの「防災」から「防災情報サイト」に進む。啓発や周知を含むカテゴリ構成の先に、リアルタイム系の「広島市防災ポータル」がある。

「防災情報サイト」は市共通フォーマットで大きな課題はないが、「広島市防災ポータル」では情報切替がスクリーンリーダーで理解・操作しにくい。構造が二重になっているが性質の違いが明白で整理されている点は評価できる。

岡山市

公式サイトトップページのヘッダー「防災情報」から「防災・災害支援」カテゴリに進むことができる。同カテゴリーは9つのサブカテゴリーの列記のみで構成されている。そのうち「防災関連情報」は名称が曖昧で、外国人向け情報、過去の災害、啓発動画など利用シーンの異なる記事が混在している。また「現在の緊急情報」ページは、情報が存在しない場合でもその旨を示す表示がなく、利用者に混乱を与えている。

神戸市

公式サイトトップページ「トピックス」に「防災」があり、「リアルタイム防災情報」へ進める。ただし、外部の「神戸市リアルタイム防災情報」と名称が似ており混乱を招く。

神戸市リアルタイム防災情報では、区を選択してもタイトルや見出しが変わらず、スクリーンリーダー利用者には選択状況が伝わらない。さらに「開く」ボタンがキーボードで操作できず、操作性に課題が残る。

堺市

公式サイトトップページ「便利情報」配下に「もしものときは」があるが、防災ポータルへの直接導線はなく、カテゴリ「防災・災害を知る」から堺市災害ポータルに到達する。

堺市災害ポータルは避難所マップやハザードマップなど5つのリンクのみで構成され独自コンテンツは少ない。市共通フォーマットのシンプルなページのためアクセシビリティ課題は特段見られないが、利用者にとっては情報の薄さが懸念される。

大阪市

公式サイトトップページ「防災」から防災ポータルに直接アクセスでき、カテゴリを深くたどらなくても到達できるよう配慮されている。

「大阪市防災ポータルサイト(私たちの防災)」は導線が整理されている一方、「おおさか防災ネット」へのバナー代替テキストは、画像上のテキストがすべて反映されておらず不十分な箇所が見られる。軽微な課題はあるものの、全体的に実装は丁寧である。

京都市

公式サイトトップページに「防災情報」があり、グローバルナビゲーションの「暮らしの情報」配下の「防災」から「京都市防災ポータルサイト」へ導かれる。

京都市防災ポータルサイトは、「警戒レベル4避難指示で必ず避難!」と記している画像に「避難情報のお知らせ」としか代替テキストが付いていないなど意味の伝わらない記述が見られる。すべてのカルーセル画像に代替テキストがなく、運用時のアクセシビリティ確保に課題を残している。

名古屋市

公式サイトトップページ「災害緊急情報」タブや「いざという時」領域から防災関連情報にアクセスできるが、いずれも防災情報を一元的に提供する場としては機能していない。「防災・危機管理」カテゴリ配下に「災害が起きたら」「災害に備える」などが散在し情報が分散している。

災害時には、トップページの「災害緊急情報」タブ内に記事を列記することを想定しているとのことだが、公式サイトトップページの肥大化は避けるべきと考える。

浜松市

公式サイトトップページ中央「暮らしを守る」に「防災情報」が配置され、ヘッダーからも「防災」カテゴリにアクセスできる。「消防・防災」「防災」「防災・災害情報」と複数の階層に防災情報が分散しているように感じられ、記事数は多いものの全体像を把握しにくい。ユーザーが必要な情報に迅速に到達できるよう、集約と整理が望まれる。

静岡市

公式サイトトップページのヘッダー「緊急情報」を展開すると「静岡市防災ナビ」へのリンクが現れる。グローバルナビゲーションの「防災・安全」配下からは直接導線がない。

静岡市防災ナビでは、情報未提供の領域の文字が極端に薄く、視認が困難である。地図内では緑と赤が隣接するなど、色覚特性により区別できない可能性も高い。重要な災害情報に対して適切な配慮が不足している。

新潟市

公式サイトトップページに「防災・緊急情報」が配置され、グローバルナビゲーションの「くらし・手続き」配下の「防災・災害」からも到達できる。カテゴリページには情報配信ツールが集約されている。

新潟市防災・緊急情報は、代替テキストも適切に付与されており、アクセシビリティ上の課題はほぼ確認されない。

相模原市

公式サイトトップページの「緊急情報」やグローバルナビゲーション「暮らし・手続き」から防災関連情報にアクセスできる。しかし現状は複数のカテゴリに分散しており、一元的に整理されていない。過去の記録、事前の備え、発災時の情報を体系的に集約し、利用者が迷わずたどれる構成とすることで防災コンテンツとしての価値を高めてほしい。

川崎市

公式サイトトップページのヘッダーに「防災ポータル」へのリンクが設けられ、導線はわかりやすい。

川崎市防災ポータルサイトは、情報領域ごとの背景色と文字色のコントラスト不足が顕著であり、無秩序に多色を使っているため視認性を損ねている。またサイトの音声読み上げ機能では「緊急情報」が読み上げ対象外となっており、重要情報にアクセスできないのは致命的な課題である。

横浜市

公式サイトトップページ「よく利用される情報から探す」に「防災」があり、グローバルナビゲーションの「防災・救急」から「防災情報ポータル」へ進む導線も整備されている。

横浜市防災情報ポータルは、主要ボタンでキーボードフォーカスが視認できないほか、リンクテキストが「ウェブサイト」のみで提供されるケースがある。ピクトグラムを使った構成は視覚的に分かりやすいが、支援技術利用者には配慮が足りない。

千葉市

公式サイトトップページ右側に「防災ポータルサイト」へのリンクが配置され視認性が高い。「防災・安全安心」のプルダウンメニューに同サイトへのリンクが含まれているため、トップページ以外からも常にアクセス可能な状態にある。

千葉市防災ポータルサイトでは、背景色と文字色のコントラスト不足が目立つほか、関連サイトリンク集のプルダウンメニューでは閉じた状態でも不可視の項目にフォーカスが移動してしまう。地図を使わずテキスト中心に構成されている点は評価できるが、基礎的な実装改善が求められる。

さいたま市

公式サイトトップページ「トピックス」に「防災・気象情報」が掲載されている。「暮らし・手続き」配下の特設サイトとして位置づけられるが、2024年9月以降新たな情報掲載がない。

「さいたま市危機管理防災気象情報」と「注意報・警報等気象情報」といった複数名称で展開されており、わかりにくさがある。さらに、プレイスホルダーテキスト(入力欄に予め表示されている文字)が薄すぎること、代替テキストの不備、キーボード操作できない機能など、利用者の認知や操作を妨げる課題が確認される。

仙台市

公式サイトトップページの「よく利用される情報」に「防災・緊急情報」が掲出され、グローバルナビゲーションの「くらしの情報」配下からも到達できる。

ただし、防災・緊急情報は災害への備えをまとめた構成で、リアルタイム情報が乏しく、防災情報を集約したコンテンツとしては課題が残る。防災情報発信はスマートフォンアプリ「SENDAIポータル」で実現されているようであるが、ウェブサイトの充実も必要と考える。

札幌市

公式サイトトップページ右カラムに「防災・災害情報は『さっぽろ防災ポータル』」とするバナーが配置され、導線は明快である。グローバルナビゲーション「防災・防犯・消防」から「防災・危機管理」に進むことでも到達できる。

さっぽろ防災ポータルでは、文字サイズ変更がメニューに反映されない、地図やメニューがキーボードで操作できない、一部のリンクが無効であるなど、視覚や操作に制約のある利用者にとって情報取得が困難であることが確認された。

沖縄県

公式サイトトップページでは「防災ポータル」という一般的な表現をリンクラベルに用いており、個性的な正式名称「沖縄防災情報ポータル ハイサイ!防災で~びる」を前面に出さない点は利用者に配慮した設計といえる。

一方でポータル内部には中身のないa要素が多数存在しており、キーボードやスクリーンリーダー利用時の操作性を大きく損ねている。不要な要素を削除し、正しいマークアップに改める必要がある。

鹿児島県

グローバルナビゲーション「危機管理・防災」や「防災WEB」、サイトナビの「防災情報」など複数の入口から「鹿児島県防災WEB」に到達できるよう設計されており、利用者が思い浮かべるさまざまな経路からアクセスできる点は評価できる。一方で、カテゴリ名やリンク名が統一されておらず、名称が乱立している印象を与えるため、導線のわかりやすさという観点から整理が望ましい。

鹿児島県防災Webでは「表示中の災害」をキーボードで切り替えることが可能であり、類似システムを使う他県と比べてもアクセシビリティの配慮が進んでいる。

宮崎県

宮崎県防災・危機管理情報は公式サイトの一カテゴリとして提供されており、県独自のコンテンツは「お知らせ」が中心である。避難情報や気象警報などのリアルタイムな詳細情報は、気象庁や民間サイトへの参照に委ねられている。

また「宮崎県防災情報共有システム」へのリンクが存在するが切れており、利用者に必要な情報を提供できていない。信頼性の観点から改善が求められる。

大分県

公式サイトヘッダーの「防災ポータル」から「おおいた防災ポータル」に進むと、さらに「おおいた防災情報ポータル」へのバナーが設置されており、二つのポータルが併存していて紛らわしい。

おおいた防災情報ポータルは全体的にコントラスト不足が見られ、特に非アクティブタブの文字がグレーと緑の組み合わせで表示され読みにくい。災害時のストレス環境下では利用者にとって大きな支障となり得るため、改善が必要である。

熊本県

公式サイトトップページの「注目情報」から「防災情報総合案内(土砂災害情報マップなど)」を経由して「防災情報くまもと」に到達できる。ただし実際には個別の下層ページへのリンクが中心で、「防災情報くまもと」のトップページに直接アクセスできる経路は確認できなかった。

防災情報くまもとでは「緊急ニュース」見出しや「緊急」アイコンのコントラストが不十分であり、強調効果が得られない可能性がある。視認性の改善が求められる。

長崎県

防災ポータルは「安全・安心」配下に「防災・国民保護」「災害に備えて」「災害情報」など類似分類が並び、導線が分かりにくい。パンくずリストだけを見ると自然に見えるが、実際の利用は容易ではない。

長崎県防災ポータルでは全ページのtitle要素が同一であり、さらに一部機能がキーボード操作に対応していない。表中のリンクと非リンクテキストに視覚的差異がない点も、正しい認知を妨げている。

佐賀県

公式サイトトップページ「防災・緊急」領域には「佐賀県防災情報」と「防災・減災さが」が並び、構成の差異が分かりにくい。実際には「防災・減災さが」内に「防災・緊急情報」「防災関連情報」が含まれており、整理が必要である。

また「防災・減災さが」内の「こちら(外部リンク)」という曖昧なリンクテキストは、「県内に発表されている注意報・警報」とすべきである。

福岡県

公式サイトトップページの目立つ位置に「福岡県防災ホームページ」へのリンクが設置され、導線は明確である。ポータル内では事前の備えから発令情報まで幅広く提供されている。

福岡県防災ホームページはタブ形式で情報を切り替えるが、タブ自体に「警報・注意報が出ています」など状況を示す表示があり、切り替えずに把握できる。表形式の情報には見出しセルも適切に設定されており、丁寧な実装が見られる。

高知県

公式サイトトップページから防災情報にアクセスできるが、HTTPSに対応しておらず、ブラウザによっては警告が表示される可能性がある。

こうち防災情報では、キャラクター画像に代替テキストが設定されていない。説明文はページ末端に置かれているが、スクリーンリーダー利用者にはキャラクター自体の存在が伝わらず、情報格差につながる。

愛媛県

公式サイトトップページから防災ポータルに直接遷移でき、事前の備えや啓発、発信ツールなどが整理されており、防災コンテンツとしての役割を果たしている。

ただしロゴには「災害に備えよう えひめの防災ポータル」とある一方、title要素や代替テキストは「防災ポータルサイト」となっており、表記の揺れが見られる。

香川県

公式サイトトップページ上部に「かがわ防災Webポータル」へのリンクがあるが、ウィンドウ幅によってはスクロールしないと見えない位置にある。レイアウト設計に課題がある。

かがわ防災Webポータルは文字サイズや災害種別の切替がキーボードで操作できない。また全ページのtitle要素が同一であり、情報の識別や共有に不便が生じる。

徳島県

公式サイト「防災・安全・安心」カテゴリページでは、「安心とくしま」へのリンク画像が目立つ位置に配置されており、導線は明確である。

一方で安心とくしまでは、「お知らせ」欄の末尾に「過去の新着情報をすべて見る」と記されているが、「お知らせ」と「新着情報」が混在し、表現が不明瞭である。

山口県

公式サイト右上に「防災・災害情報」が常設されており、防災やまぐちに直接遷移できる。目的コンテンツに一貫して誘導する設計は適切である。

防災やまぐちでは気象警報や地震等のタブに、新しい情報がある場合に「!」をCSS背景画像で表示している。しかしこの「!」はスクリーンリーダーでは認識できず、利用者が情報の有無を把握できない。表示方法の改善が必要である。

広島県

公式サイトは上位が分野別、下位が組織別に分類されるが、防災情報を担う危機管理課ページにも「防災Web」へのリンクが設置されている。左メニューから見つけにくくても到達できる点は評価できる。

広島県防災Webはメニューに並ぶ項目とトップページに並んでいるコンテンツの差異が大きいと感じる。情報がないから表示がない状態なのかもしれないが、配置や情報量の予見性を持たせる観点からも隠し過ぎない工夫が望ましい。

岡山県

公式サイトトップページに「防災・災害情報」の領域があり「おかやま防災ポータル」へのリンクが設けられている。ただし他のページには導線がなく、アクセス経路は限定的である。

おかやま防災ポータルでは、右上の更新ボタンにラベルが付与されておらず、役割が分かりにくい。さらにキーボード操作にも対応しておらず、操作性を改善する必要がある。

島根県

公式サイトヘッダーの「緊急情報」は記事一覧の表示にとどまり、ページ右下の「防災・気象情報を見る」から防災情報に進むことになる。ただしリンク先の見出しは「防災・安全」であり、ラベルとの対応が不十分である。

しまね防災情報には文字サイズ変更機能があるが、一部の見出ししか反映されず効果が限定的である。利用者に十分な恩恵をもたらす仕組みとは言い難い。

鳥取県

公式サイトヘッダーの「防災 緊急」はページ遷移ではなくメガメニューが展開する仕組みである。メニュー内の「鳥取県の危機管理」「鳥取県防災情報」「鳥取県防災Web」は内容が異なるが、名称からその差異を理解するのは難しい。

鳥取県防災Webでは右上メニューがESCキーで閉じられる一方、「閉じる」ボタンにキーボードフォーカスが当たらず、利用者にとって操作性に難がある。

和歌山県

和歌山県公式サイトでは、本来共通であるはずのヘッダーがトップページと下層ページで異なっており、トップページに設置されている「防災・災害情報」へのリンクが下層ページには存在しない。利用者はトップページ以外のページから災害情報に直接アクセスできず、重要情報への導線として期待を裏切る構造となっている。

防災わかやまではページ最下部に「対応中災害情報」のボタンがあるが、キーボード操作には対応しておらず、マウス利用を前提とした設計である。利用者によっては必要な情報に到達できない恐れがある。

奈良県

公式サイトは「県民情報」「観光情報」「防災・危機管理」に大別され、防災・危機管理カテゴリーの筆頭に「奈良県防災ポータル」が配置されている。導線は明快である。

しかし奈良県防災ポータルでは、左上ロゴに代替テキストがないほか、「発表なし」といった情報表示や「緊急情報」見出しにコントラスト不足が見られるなど、アクセシビリティ上の改善が必要である。

兵庫県

公式サイトヘッダー「災害関連情報」には9つのリンクが並び、複数の情報源が混在している。その中で「ひょうご防災ネット」が防災コンテンツに見えるが、実態はスマートフォンアプリやフィーチャーフォン向けサイトを中心とした構成である。

一方で、防災コンテンツの中心的役割を果たしているのは「防災気象」からリンクされる「兵庫県 防災(気象)情報」であり、利用者が目的の情報に迷わず到達できるような提示方法が求められる。

大阪府

防災・救急・感染症ポータルから救急・感染症・防災の各特設サイトに分岐する構成となっている。防災ポータル「おおさか防災ネット」は市町村ごとの災害情報ページも整備されており、地域単位で利用できる仕組みがある。

一方で、すべてのページのtitle要素が「おおさか防災ネット」で統一されているため、市町村を識別できない。利用者にとってページ内容が把握しにくく、操作性や検索性を損なっている。

京都府

公式サイト「京都府の危機管理・防災」カテゴリーページでは、メインカラムと右カラムの両方に「災害に備えて」の見出しがあり、それぞれ異なる内容を含んでいる。防災ポータル「きょうと危機管理WEB」は右カラムからしか遷移できず、導線に一貫性を欠いている。

きょうと危機管理WEBでは、市町村ごとの気象情報が表形式でまとめられているが、各市町村にリンクが設置されているにもかかわらず、実際には全域共通の同一ページへ遷移する仕様となっており、利用者にとって誤解を招く設計である。

滋賀県

公式サイト「防災・危機管理」カテゴリには2016年以降更新のない「地域防災ちえ袋」のみが掲載され、防災ポータルへの導線は明確ではない。各ページのヘッダーにある「防災・災害情報」から直接遷移できるが、県サイト内での扱いとしては十分とは言い難い。

滋賀県防災ポータルは白背景に黄緑色文字を用いるなど視認性に難がある。さらにロゴの代替テキスト欠如や、リンクが「詳細」に限定されている点など、アクセシビリティ改善の余地が大きい。

三重県

公式サイトトップページのメインビジュアルに「危機管理・救急情報」があり、その筆頭に「防災みえ.jp」へのリンクが設けられている。通常の「防災・防犯」配下には追加配信情報や機能案内が並ぶものの、防災みえ.jp自体への導線は限定的である。

防災みえ.jpでは、アプリやメール配信、X(旧Twitter)、更新リンクがキーボードで操作できない。また「English」に「英語」、「|」に「区切り」といった不適切な代替テキストが設定されており、利用者にとって操作性や理解を妨げる要因となっている。

愛知県

公式サイトヘッダーの「防災情報」からは「あいちの危機管理」ページに遷移し、防災・国民保護カテゴリ内に「愛知県の災害関連情報ポータルサイト」がある。そこからさらに「愛知県防災Web」へリンクしており、ページ遷移が多い。

愛知県防災Webでは「表示中の災害」をプルダウンで選択する仕様だが、キーボード操作に対応していない。キーボード利用者は直近の災害情報しか得られず、災害状況を広く把握することができない。

静岡県

公式サイトヘッダーの「防災・緊急情報」は、危機管理部の業務内容をまとめたページであり、防災ポータルとしての役割は果たしていない。実質的に近いコンテンツは「静岡県内の防災気象情報(サイポスレーダー)」だが、「お役立ち情報」に分類されており直感的ではない。

サイポスレーダーは、ページタイトルが「SIPOS-RADAR」であり、防災関連コンテンツであることが分かりにくい。さらにフレーム構造や常時動くテキスト、極めて低いコントラストなど複数の問題があり、弱視者やスクリーンリーダー利用者にとって利用困難な状況にある。

岐阜県

公式サイトトップページには「災害・防災に関する情報」の領域があり、岐阜県総合防災ポータルを含む9コンテンツへのリンクが並んでいる。通常の「防災」分類からも導線があり、見つけやすい。

岐阜県総合防災ポータルでは、全ページのタイトルが「岐阜県総合防災ポータル」で共通となっている。個別記事の内容を示さず、パンくずや見出しにも反映されないため、支援技術利用者がページの意味を理解しにくい。

長野県

公式サイトの「災害・防災に関する情報」のアコーディオンを開くと、防災情報ポータルを含む9つのコンテンツへのリンクが並ぶ。ただし通常の「防災・安全」分類からは防災情報ポータルへの導線が確認できない。

長野県防災情報ポータルは全体的にコントラストが低く、一覧形式・地図形式ともに5つのタブをキーボードで操作できない。低視力者やキーボード利用者が情報を取得できず、アクセシビリティ上の重大な制約となっている。

山梨県

公式サイト「緊急・災害情報」のアコーディオンを開くと「災害・防災情報」と「やまなし防災ポータル」の両方のリンクが現れる。どちらが包括的な防災情報サイトか判別しにくい。

やまなし防災ポータルでは、気象など5つのタブがキーボードで操作できない。メインコンテンツに相当する領域が利用不可能であり、キーボード利用者や支援技術利用者が必要な情報にアクセスできない。

福井県

公式サイトトップページ「お役立ち情報」の「防災・災害情報」が福井県防災ネットへの唯一の導線である。担当課ページ以外からの遷移は少なく、利用者がアクセスしにくい構成になっている。

福井県防災ネットでは、切替ボタンやテーブル内のソート機能がキーボードで操作できない。キーボード利用者は情報表示を変更できず、必要な情報に到達できない状況に置かれる。

石川県

公式サイトの「緊急情報」では「注意報・警報、避難所情報、交通情報などは『石川県防災ポータル』から確認できます」と記載がある。リンクラベルは説明的で、シンプルに「石川県防災ポータル」とした方が明快である。

石川県防災ポータルでは、複数のプルダウンメニューにおいて、メニューが閉じたまま内部の項目にフォーカスが当たる挙動が確認された。視覚的表示と操作の挙動が一致せず、キーボード利用者に混乱を与える。

富山県

公式サイトヘッダーの「富山防災WEB」は http 接続であり、「安全な接続ではありません」とブラウザから警告される。利用者に不安を与える導線となっている。

富山防災WEBの「注意報・警報マップ」では、避難指示アイコンの周囲が赤枠で点滅し続ける。点滅は注意を引く効果がある一方、利用者によっては情報の取得が困難になったり、不快感や発作を誘発する可能性があり、リスクの高い表現である。

新潟県

公式サイトヘッダーの「防災情報」と「分類でさがす」の「防災」から、いずれも新潟県防災ポータルに遷移でき、シンプルな導線が確保されている。

新潟県防災ポータルには「大きい文字」のリンクがあるが、押下しても文字サイズは105%にしかならない。十分な拡大効果が得られず、弱視者が読みやすさを改善できない。むしろ機能が不十分なまま存在することで、利用者に誤解を与える恐れがある。

神奈川県

公式サイトヘッダーの「防災・緊急情報」を展開すると災害情報ポータルへのリンクが確認できる。ただし「分類から探す」経由で「くらし・安全・環境 > 防災と安全」に進むと、災害情報ポータルへの導線は見当たらない。

災害情報ポータルでは、市区町村名にキーボードフォーカスは当たるものの、Enterキーで詳細情報を開くことができない。キーボード操作に依存する利用者は、市区町村単位の情報にアクセスできず、情報取得が不可能となる。

東京都

東京都防災ホームページは、「都庁総合トップ > 暮らし・健康・福祉 > 防災 > 防災・危機管理」に位置づけられており、別途「都全体で探す」の「防災・緊急情報」からも遷移できる。

「現在、避難情報の発令はありません。」という文が赤線で装飾されており、背景とのコントラスト比が不十分になっている。低視力者にとって判読が難しく、必要な情報を読み取れない可能性がある。

千葉県

公式サイトトップページの「防災・安全・安心情報」に防災ポータルへのリンクがある。グローバルナビゲーションにも同一名称のカテゴリーがあるが、内包する項目は異なり、整理が必要である。

千葉県防災ポータルでは、避難所情報に「解 除」「閉 鎖」といった単語内に不必要なスペースが含まれている。音声読み上げでは誤った区切り方をされ、理解が阻害される。また全体的にコントラストが低く、低視力者にとって判読が難しい。

埼玉県

公式サイト「くらし・環境」カテゴリ内の特集ページに埼玉県防災ポータルのバナーがある。ただし「くらし・環境 > 防災・消防」から進むとポータルへの導線は失われており、全体としてポータルへのアクセスは限定的である。

埼玉県防災ポータルでは、市町村の状況を「発令中」「解除」とテキストで表示しており、色に依存しない適切な実装となっている。調査期間中は実際の発令がなく確認できなかったが、設計としては望ましい。

群馬県

公式サイトトップページ下部の「防災情報」からは危機管理課作成の「防災トップページ」に遷移する。群馬県防災ポータルサイトは同課の外部リンク集として扱われており、積極的に提示されているとは言いがたい。

群馬県防災ポータルサイトでは、市町村ごとの気象情報一覧に「発表なし」と表示されるがコントラストが不十分である。また「警 戒」と単語内に不要なスペースがあり、支援技術で正しく読まれない可能性がある。

栃木県

公式サイト「防災・安全」カテゴリー直下にポータルサイトへのリンクがあり、余計な分類を経由せずに到達できる。

危機管理・防災ポータルサイトには、防災を学ぶクイズ動画があるが、画像の代替テキストが「学ぼうさい」としか記されていない。内容を示す情報が不足しており、視覚障害者には動画の趣旨が伝わらない。

茨城県

公式サイトトップページ右上の「緊急情報」は緊急情報の一覧であり、「防災」に直接関わるラベルは見当たらない。防災・危機管理ポータルサイトへの最短ルートは「ポータルサイト一覧」と思われるが、テーマや内容から探すことはできない。

茨城県 防災・危機管理ポータルサイトでは、「地図から市町村をタップ」と説明があるが、キーボードでは市町村を選択できない。キーボード操作に依存する利用者にとって、市町村ごとの情報にアクセスできない状況となっている。

福島県

公式サイトトップページに「福島県防災アプリ」「福島県防災VR」「ふくしまぼうさいウェブ」「緊急・災害情報」などが並び、防災関連サイトが乱立しているように見える。一方で、福島県防災ポータルへの直接の導線は確認できない。

福島県防災ポータルでは、災害・防災マップの表示情報や凡例部分がキーボード操作に対応していない。情報の切り替えができず、操作制約のある利用者は限られた情報しか得られない。

山形県

公式サイトトップページのリンクラベルはサイト名と同じ「こちら防災やまがた!」である。「防災・安全」カテゴリー直下にもポータルへのリンクがあり、導線は明快である。

こちら防災やまがた!では、地図表示において災害状況が色分けで示されている。一覧表示に切り替えると、地域名や災害種別・程度がテキストで確認できるようになっており、色覚に多様性のある利用者にも配慮した望ましい実装となっている。

秋田県

公式サイトのグローバルナビゲーションと「分野から探す」の双方に「防災」リンクがあり、前者はポータルサイト、後者は分野別一覧の防災にリンクしている。導線が二重化しており、利用者が迷う要因となる。

秋田県防災ポータルサイトでは、地図領域の上部に7つのタブがあるが、台風情報と津波情報のみ外部の気象庁サイトへのリンクとなっている。ラベルからそれが予見できず、利用者が想定外の遷移に戸惑う恐れがある。

宮城県

公式サイトヘッダーの「災害・気象情報」から宮城県防災情報ポータルに遷移できる。カテゴリーから探した場合には、「宮城県防災ポータルサイトの開設について」という新着情報記事が唯一の導線である。

宮城県防災情報ポータルのメイン領域にある気象、台風、地震・津波などのタブはキーボードで操作できず、情報を切り替えられない。結果として、スクリーンリーダー利用者やキーボード操作中心の利用者は「気象」以外の情報にアクセスできない。

岩手県

公式サイトトップページのリンクラベルは「いわて防災情報ポータル」であり、リンク先を想起しやすい。

いわて防災情報ポータルでは、白と緑のコントラスト比が2.76:1と低く、文字の判読が困難である。弱視利用者にとっては全体的に内容を読み取るのが難しい。

青森県

公式サイトトップページの「安全・安心のために」領域に「防災・気象」がある。通常の「くらし・防災・環境」分類から探した場合、あおもり防災ポータルは関連ページとして扱われており、見逃す恐れがある。

あおもり防災ポータルでは、緊急情報の5件の記事タイトルが数秒ごとに自動で入れ替わるが、停止させる仕組みがない。動きに追従できない利用者は情報を十分に読み取れず、認知的負担も大きい。

北海道

公式サイトのヘッダーにある「防災情報」は危機対策局危機対策課配下のページである。Xに投稿された災害情報が並んだ後に「X(旧Twitter)にて災害情報を閲覧できない場合は、以下でも最新の防災情報を入手できます。」と記載されており、北海道防災ポータルはXよりも扱いが軽い印象を受ける。

北海道防災ポータルでは、災害・防災マップの表示情報や凡例部分をキーボードで操作できず、利用者が必要な情報を切り替えて確認することができない。視覚や操作に制約のある利用者にとって、情報取得が著しく制限される。

調査概要

有限会社ユニバーサルワークスは、47都道府県・20政令指定都市の自治体公式サイトを対象に、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2025」を実施しました。今年で23回目となる今回のテーマは「防災・災害情報とアクセシビリティ」です。

災害時の情報発信においては、いかなる利用者も必要な情報に確実にアクセスできることが求められます。公式サイト上に点在する防災・災害情報の探しやすさ、そこから導かれる防災コンテンツの位置づけと導線、さらに防災コンテンツ内でのアクセシビリティ上の配慮が、住民の安心と安全に直結します。

本調査では、各自治体の公式サイトにおける防災・災害情報の導線や構成、防災コンテンツのアクセシビリティ実装を点検し、実際に利用者が遭遇する課題を抽出しました。特に「見つけやすさ」「操作しやすさ」「読みやすさ」の観点から、防災・災害情報のアクセシビリティを整理しています。

この調査が、災害時に誰一人取り残さない情報提供体制の構築に寄与することを願います。

調査方法

47都道府県・20政令指定都市の公式サイトおよび防災コンテンツ(防災・災害情報を集約するカテゴリや特設サイト等)を調査対象としました。評価者(視覚障害者および健常者)が閲覧し、調査観点に基づき確認を行いました。

特に以下の点を重点的に確認しました。

  • 公式サイトから防災コンテンツへの導線
  • 防災コンテンツのリンクラベルの表現の適切さ
  • 防災コンテンツのアクセシビリティ課題

調査対象の特定

以下の基準に基づき調査対象とする防災コンテンツを特定しました。

  • 公式サイト内で防災・災害情報を集約するカテゴリページや特設サイトを対象としました。
  • 複数の防災コンテンツが存在する場合は、公式サイトから主要導線で案内されているものを優先して対象としました。
  • 「○○災害ポータルサイト」「○○防災ポータル」など、名称に「ポータル」を冠したコンテンツが存在する場合は、それを調査対象としました。
  • ハザードマップや気象情報専用コンテンツなどは対象外とし、災害・防災に関するコンテンツを広く取り扱っているものを対象としました。
  • 特定の災害に対応する目的で一時的に開設された特設サイトは対象外としました。
  • 以上の基準に基づき特定した防災コンテンツが、各自治体ドメイン名配下ではない場合においても除外しません。

調査内容・観点

調査内容と観点を以下に記します。

対象とした防災コンテンツのタイトル

調査対象コンテンツとみなした防災コンテンツの名称を記しています。併せて調査時点のスクリーンショットを掲載しています。

ラベルと遷移先の一致

トップページのリンクラベル

自治体公式サイトトップページにおいて、防災・災害情報への導線となるリンクラベルを記しています。リンクラベルと遷移先ページの対応関係も評価対象としました。トップページにおける防災・災害情報へのリンクを対象としており、防災コンテンツへの直接のリンクに限定しません。

遷移先ページのタイトル

前述のリンクラベルとの整合性を確認するため、同リンクから遷移した先のページタイトルを記しています。

対象とした防災コンテンツのタイトル

トップページのリンクラベルや遷移先ページのタイトルとの対応関係を確認するため、対象とした防災コンテンツのタイトルを改めて記しています。

なお、これらは三者の比較を容易にするための提示であり、三者の一致を求めるものではありません。不一致であっても、利用者にとってよりわかりやすい表現(たとえば、名称が個性的な場合に「防災情報」と簡潔に示すなど)であれば望ましい場合もあります。そのため「適」「否」といった評価は行っていません。

非干渉に該当する適合基準に対する適否

JIS X 8341-3:2016 には「非干渉」と呼ばれる考え方があり、これは特定の技術や機能を使ってもページ全体の利用が妨げられないことを意味します。
本調査では、この「非干渉」に含まれる以下4つの達成基準について適否を確認しました。結果は「適」または「否」とし、不適切な状態が見られた場合には問題箇所を示しています。

  • 1.4.2 音声の制御
  • 2.1.2 キーボードトラップなし
  • 2.2.2 一時停止・停止・非表示
  • 2.3.1 3回の閃光、又は閾値以下

コメント

評価者からのメッセージです。

公式サイトから防災コンテンツまでの導線、防災コンテンツ内で確認されたアクセシビリティ上の課題、それが利用者に与える影響について、観察内容をまとめています。