自治体サイトWebアクセシビリティ調査2021を終えて

お互い、おつかれさまですと声をかけ合いたくなる9月1日、ユニバーサルワークスによる自治体サイトWebアクセシビリティ調査の19回目の発表の日を迎えました。全国の都道府県、政令指定都市、そして調査対象ではありませんが日々の自治体公式ホームページの運営に携わるすべてのみなさんに、お礼とねぎらいの言葉を贈りたいと思います。

改めてお礼を

2003年の創業から毎年おこなっているこの調査は、公共のウェブサイトにアクセスできるか否か、アクセスしやすいかどうかということを知るために、同時期に横並びにおこなうところに特徴があります。

これまでにも何度も申し上げてきましたが、アクセスはできます。
アクセスしやすさにおいても、高いレベルのつくりになっています。
調査員としてではなく、一人の視覚障害者として感謝申し上げます。

らしさとメッセージ性

このことからもわかるように、当社が当初この調査に課していた目的は既に果たされています。もしも次の段階に進むとしたら、これも常々申し上げていますように、その自治体らしさ、メッセージ性をどう扱うかということになると思います。コラムでは、アクセシビリティの観点を超えて、この点について考えてみたいと思います。

その自治体らしさ、メッセージ性とは何かと言われたら、お国自慢ですよとお答えしたいと思います。ときどき、なにを自慢したものかとおっしゃる自治体があります。また、ときどき、いくつもいくつも自慢があるよという自治体もあります。

自然とお国自慢が

今年の調査をしていて感じたことは、お国自慢が自然と洗い出されているのではないかということです。お国自慢とは、観光名所というだけではありません。新型コロナウイルスのワクチン接種予約システムだってそうですし、土砂災害の検証や支援などもそうなのです。

そうなりますと、有事に近い今は、皮肉なことにこれだというものが自然と現れています。こういう状況だけれども、だからこそこれだということもわかってきます。都道府県、政令指定都市を横並びに見ていますと、これらはまるで旅路を行く列車のようなのです。

3つの旅路を行く自治体サイト

公式ホームページにある情報やお国自慢を駅にたとえましょう。
すると、各駅停車で行く自治体、快速特急で行く自治体、列車ではなくて航空機にする自治体などさまざまです。

ざっくりとではありますが、この3つの旅路にパタンを分けてホームページをつくってみます。

各駅停車のホームページ

新型コロナウイルス感染症の状況がどうなっても、災害が起きたとしても、あくまでも各駅停車を貫く自治体です。お客さんが乗っても乗らなくても、毎日同じ時刻に各駅に停車してくれます。有事には無人駅を有人にして対応します。

快速特急のホームページ

駅はいつもありますが、おもにターミナル駅に停車する自治体です。ターミナル駅は、感染症になったり災害になったり観光になったり全国レベルのイベントになったりします。駅の拡大縮小工事も盛んです。

航空機を飛ばすホームページ

有事には空港だけにする自治体です。地震や豪雨災害の空港になることが多いです。駅は一応ありますが、列車の遅延や運休が増えます。

みんなが得意な各駅停車

アクセシビリティと駅舎の建設は必ずしもイコールではありませんが、アクセシビリティが整うと比較的駅舎もしっかりしてくるという印象があります。ですから、多くの自治体が各駅停車は得意であろうと思います。しかし、ダイヤの乱れなく安全に乗降させることは難しいものです。

あこがれの快速特急

快速特急を走らせることは、多くの自治体のあこがれです。私がウェブマスターだったらここを目指します。今日本は有事に近い状況ですので、そこをターミナル駅にしてホームページの構築を試みるのも手ですし、平時のうちにポジティブなお国自慢をもとに拡大工事しておくのもよいでしょう。

たとえばお国自慢を観光とした場合、ウェブマスターは観光にかかわる部署といっしょに構築を試みると思います。そして、有事は平時に突然やってきますので、私だったらその平時の構築部隊を有事にスライドできるようにしておきたいです。つまり、災害情報の発信を、災害部署とは関係のない観光部隊が担うというしくみも合わせて構築しておけると、運用はさぞかし速やかであろうと妄想します。

有事のときこそ学びましょう

航空機を飛ばすのは、そうしなければならないときです。インフラの関係でそうしなければならないときはありますので、ターミナル駅一つで形になるように、またその意図が伝わるように準備しておきたいところです。

ウェブマスターは、他人の有事のときほどインプットが必要です。インターネットは世界に開かれているので、有事のときに当事者がどうしているかを知ることができます。
学びましょう。そして、平時になったら有事の経験者と情報交換ができるとなおよいでしょう。そんな機会がありましたら、ぜひ私も呼んでください。

さあ、みなさんはどの旅路を行きますか?また、行かせたいですか?

調査概要

有限会社ユニバーサルワークスは、47都道府県・20政令指定都市の自治体公式サイトを対象に、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2021」を実施しました。今年で19回目となる今回のテーマは「『みんなの公共サイト運用ガイドライン』への対応」です。

2016年に、ウェブアクセシビリティに関する公的規格『JIS X 8341-3:2016』が改正・公示されました。それを受けて総務省は『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』を公開しています。『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』では、公的機関のウェブサイトに「ウェブアクセシビリティの確保」として、速やかにウェブアクセシビリティ方針を策定すること、2017年度末を目安にAAに準拠することを求めてきました。また、「取組内容の確認と公開」も求めています。

規格の公示、ガイドラインの公開から5年が経過し、自治体公式サイトにある情報と取り組みの実態の不一致や、総務省が目安としていた2017年度末を境とする取り組みの停滞が垣間見えます。

そのようなことから今回は、自治体公式サイトにおけるウェブアクセシビリティ方針の策定状況、試験の実施状況を調査することにしました。

この調査が、『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』で求められている、ウェブアクセシビリティへの更なる取り組みの推進に寄与できると幸いです。

調査方法

47都道府県・20政令指定都市の公式サイト内に設けられたウェブアクセシビリティに関連するコンテンツを評価者(視覚障害者および健常者)が閲覧し、調査内容・観点に基づき調査しました。

調査内容・観点は以下の文書に基づくものとします。

  • JIS X 8341-3:2016
  • みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)
  • ウェブアクセシビリティ基盤委員会等が示す関連文書

調査内容・観点

調査内容と観点を以下に記します。

ページタイトル

調査対象サイト内のウェブアクセシビリティに関するコンテンツの名称を記しています。

対象コンテンツが複数のページで構成されている場合は、ウェブアクセシビリティ方針を含むページや全体像が把握しやすいページを選択しています。

ウェブアクセシビリティ方針

方針の有無

「ウェブアクセシビリティ方針」の公開を「あり」「なし」で記しています。

『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』に則ったものであるかを確認しています。
ウェブアクセシビリティに関するコンテンツが存在する場合でも、目標とする適合レベルや取組範囲が記されていない場合は「なし」としています。

目標達成期限

「ウェブアクセシビリティ方針」に記されている目標達成期限を記しています。

本来は未来の日付が記されているはずですが、調査対象サイトに過去の日付が記されている場合はその期限をそのまま記しています。

目標とする適合レベルと対応度

「ウェブアクセシビリティ方針」に掲げている目標の適合レベルと対応度を記しています。

JIS X 8341-3:2016に定められる適合レベルA・AA・AAAのうちのいずれかに対して、ウェブアクセシビリティ基盤委員会が示す「ウェブコンテンツの JIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン」による対応度(準拠・一部準拠・配慮)を抜き出しています。

なお、旧規格(JIS X 8341-3:2010)に基づく「等級」または「達成等級」の表記を用いている場合や独自ガイドラインを基準としている場合には、それらの自治体の表現をそのまま引用しています。

JIS X 8341-3:2016に基づく試験

試験実施の有無

ウェブアクセシビリティに関する試験実施の有無を「あり」「なし」で記しています。

JIS X 8341-3:2016には試験方法に関する規定は存在しませんが、「附属書JB(参考)」に基づく試験結果や、各社が提供する評価サービス等の結果が確認できた場合に「あり」としています。

直近の試験実施期間

ウェブアクセシビリティに関する試験の実施期間を記しています。

複数の試験結果が掲載されている場合は、直近の試験実施時期を抽出しています。

達成した適合レベルと対応度

直近の試験結果に示されている適合レベルと対応度を記しています。

JIS X 8341-3:2016には対応度の規定がありませんので、試験結果に「AA」「A」と記されている場合は「AA準拠」「A準拠」と書き換えています。

調査対象サイトの試験結果にある表示と、今回の調査で達成基準チェックリストなどの付属資料から得られる結果に差が生じていると考えられる場合は、両者を以下のように併記します。
例:AA準拠(※A一部準拠)

また、調査対象サイトの試験結果に適合レベルと対応度が記されていないが、今回の調査で資料から結果が読み取れる場合は、以下のように記します。
例:(※A一部準拠)

取組内容の確認と公開

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」公開の有無

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」の公開を「あり」「なし」で記しています。『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』が求めている年1回の実施がなされているかを確認しています。

直近の確認・評価時期

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」の表明日を記しています。

評価コメント

評価者からのメッセージです。
規格文書等に対して誤った解釈となっている点、表現を改めるべき点、今後の取り組みを進める中で優先してほしいことなどを記しています。

熊本市

「アクセシビリティーポリシー」が、「行政情報 > 統計・人口・広報 > 広報・メディア」という深い階層にあります。
さらに、カテゴリページで「もっと見る」をクリックしないとリンク自体が見えないので、このページにたどり着くこと自体が難しい状況です。

福岡市

外部発注用のアクセシビリティ対応基準書が公開されています。
各達成基準を満たすための現実的な手法を、WCAG2.0解説書などとからめて解説していて、他団体にとっても参考になると思います。
方針や試験結果とは直接関係ありませんが、各ページ内の読点が「、」「,」が混在していますので直しましょう。

北九州市

目標を達成する期限を「2018年3月末日(2018年3月14日から2018年3月26日に実施した試験により、目標を達成しました。)」としています。
一度、目標を達成したからといって歩みを止めてしまうのは適切ではありません。
新たに作成・更新されるコンテンツや、これまで対象としていなかったコンテンツに取り組みを拡大することを踏まえ、新たな方針を定めてほしいです。

広島市

2020年2月の試験ではAA準拠、つまり、すべての機能はキーボードで操作できることが確認されているようですが、2021年7月に備わったAIチャットボットは、キーボードだけでは操作できない状況にあります。
次回の試験結果はどうなるでしょう。

岡山市

達成基準チェックリストで、問い合わせフォームなどのエラー表示に関する複数の達成基準が適用となっていません。
試験対象コンテンツに「【保健福祉局 高齢福祉部 介護保険課 管理係】へのお問い合わせ」があることから、それらの達成基準は適用する必要があるはずです。
同一ページに対する再試験を実施したとも記されていますが、正しい試験が行われたものか疑念を抱きます。

神戸市

平成30年度を最後にJIS X 8341-3:2016に基づく試験結果の掲載はありませんが、注目すべき取り組みとして障害者と高齢者によるユーザー評価があります。
他自治体でも取組確認評価表で利用者の意見収集をしている例はいくつか確認できますが、詳細な報告書を公開している例はありません。
「アクセスできるか」だけでなく、利用者目線で「アクセスしやすいか」に言及している点が興味深いです。

堺市

「ウェブアクセシビリティに関する取組内容についての確認・評価結果を公表しています。」と記されていますが、公開されていません。
試験対象は、ウェブページ一式を代表するウェブページ15ページ、ランダム25ページとしていますが、実際の対象ページを見るとどちらも20ページずつ選定されているように思われます。
正しい記載にしましょう。

大阪市

方針は、これまでの取組状況を示しながら毎年更新されています。
試験も平成29年度以降は毎年実施し、AA準拠の結果を得るなど着実な取り組みが伺えます。
達成基準チェックリストには「一部、試験対象範囲外を除く」と記されていて、試験対象範囲でも適合していないコンテンツがあるように読み取れますので、適合の有無をわかりやすく記載することが望まれます。

京都市

AAA一部準拠の試験結果を公開している数少ない自治体です。
試験実施時点の状況は不明ですが、現在のトップページにはコントラスト比が不十分なバナーがあるため、AAA一部準拠の品質には達していません。
高いレベルの準拠を表明するときほど、そうでなくなったときの信頼が傷つきやすいところがありますので気を付けたいです。

名古屋市

市全体の取組確認だけでなく、総務局や財政局などの各局が所管するコンテンツ単位で「取組確認評価表」を公開していることは特筆すべきことです。
ただ、それらが「市政情報」配下にあり、方針や試験結果とは異なる位置にあるので、アクセシビリティ関連情報の全体を見渡しにくい状態であるところが惜しいです。

浜松市

目標が「2015年3月31日までに、JIS X 8341-3:2010の等級AAに一部準拠」という目を疑う内容です。
この方針が定められてから現在までにフルリニューアルが実施されています。
その機会に方針の見直しも試験の実施もできていないのだとすれば、公的機関として最低クラスの取り組みと言わざるを得ません。

静岡市

適合レベルAA準拠の達成期限の目標を2026年度末に置いています。
目標達成に5年以上を要するというのはいかがでしょうか。
2018年に機械的な検証をしたとの記述は見られますが、試験を実施した形跡は見られません。
現状の品質を適切に評価したうえで目標を定めましょう。

新潟市

試験において不適合部分を把握し「A一部準拠」と正直な試験結果を公開しています。
問題箇所を改修したうえで、さらに「今後同様の問題が生じないように」することを今後の対応として明記していることに感服します。
「みんなの公共サイト運用ガイドライン」への模範的対応と感じました。

相模原市

「Aに一部準拠」という試験結果を公開したうえで、不適合コンテンツの改修をし、試験から約一ヶ月後にはAA準拠相当のコンテンツに改めたということです。
品質評価と改修とを分けて表明しているところに、試験を客観的なものとして位置づける姿勢が現れていて好ましいです。

川崎市

2020年と2021年に「ウェブアクセシビリティに関する取組確認」が実施されていますが、同じページ内に両者を明確な区別なく掲載しているのでわかりにくいです。
直近の試験では、ランダムに選択した15ページのみが対象になっています。
重要なページを含めることやコンテンツが常に変わることを考慮して、試験対象として有効なページを選択しましょう。

横浜市

方針には、2019年度以降の対応を予定しているコンテンツが列記されています。
しかし、2020年度の試験において、それらのどれに対応したのか、どのような問題が解消されたのかが示されていません。
方針と試験結果から取り組みの継続性が見えてこないところが残念です。

千葉市

他自治体では動画コンテンツを対象にした試験を実施する例が少ない中、千葉市が実施した2019年試験の達成基準チェックリストには、字幕や音声解説に関わる達成基準について「適合」の結果が記されています。
試験当時の実際のコンテンツが確認できませんが、動画に対する貴重な取り組みと言えます。

さいたま市

達成基準チェックリストには、「一時停止,停止及び非表示に関する達成基準」の該当するコンテンツなしとされています。
試験実施時点の状況はわかりませんが、現在のトップページには一時停止ボタンを伴わないカルーセルパネルが存在していることから、現状はA一部準拠に留まると考えます。

仙台市

目標を達成する期限を「平成28年度末まで」としています。
平成28年度の試験以降、毎年AA準拠の結果を得ているので、すでに達成している適合レベルを維持するという意図でそう記しているものと思われます。
一歩進んで、対象範囲を拡大するなど、現状を踏まえた新たな取り組みをしましょう。

札幌市

毎年試験を実施し、その結果を受けて方針の見直しとコンテンツの改修をするというサイクルが確立されています。
表記や表現に関する問題箇所を具体的に把握し、修正に要する時間を考慮して目標を達成する期限が見直されていて、着実にアクセシビリティ品質を向上させようとする姿勢が見えます。

沖縄県

実質的なウェブアクセシビリティ方針が存在せず、2015年に実施した旧規格(JIS X 8341-3:2010)に基づく試験が直近の試験結果です。
試験実施は平成27年3月20日~3月30日なのですが、その試験結果ページの更新日が2013年12月23日となっていて、どれが正しい情報なのかがわかりません。
現行規格下での取り組みがまったく行われていないようで衝撃を受けました。

鹿児島県

試験結果ページには、満たしている適合レベルや対応度が記されていません。
AA準拠という目標どおりの結果が得られたかは「達成基準チェックリスト」のPDFを確認する必要があり、しかも、該当する達成基準が「適合」であることを読み取らなければならず、わかりやすい試験結果表示とは言い難いです。
直近の試験から4年半程度経過していますので、そろそろ現状コンテンツに対する試験実施はいかがでしょうか。

宮崎県

試験対象ページは『ウェブアクセシビリティ基盤委員会の「試験実施ガイドライン2016年4月版」に基づき抽出』とあります。
同ガイドラインには試験対象ページの選択方法が複数示されていますので、どの方法を採用したかを明記してください。
その際、ウェブページ一式を代表するウェブページとランダムを併せて選択したのであれば、そのページ数の内訳まで記すことが望ましいです。

大分県

試験結果のページには試験の実施時期の記載がありませんが、「2018年7月2日更新」とあることからその近辺で試験を実施したと判断してよろしいでしょうか。
試験時点では不適合となった達成基準が多くあるので、コンテンツ改修を進めてくれているものと期待しますが、目標に掲げている2021年3月31日時点での結果はいかがでしたか。
いつ何をしたのかが記されないので、取り組みの評価ができません。

熊本県

目標達成期限を「本方針策定から原則3年以内」としていますが、方針のHTMLページには方針策定時期が記されていないためスケジュールが不明瞭です。
同一内容のPDFには「平成30年2月」という策定時期の記載があるのですが、文書名が「熊本県電子情報保全対策大綱」と誤っていることもあり混乱を招いています。
HTMLページを正しい内容のものにすればPDFを扱う必要がなくなります。
発信、受信ともに間違いが減りますので試してみてください。

長崎県

他の都道府県が品質基準をJIS X 8341-3:2016に置いている中、長崎県は独自のアクセシビリティガイドラインを基準にしています。
独自ガイドラインの「優先度1」には、JIS X 8341-3:2016のAとAAの達成基準の内容を含んでいるように思われる記述がありますが、独自ガイドラインが一部しか公開されていないために具体的要件がわからない状況です。
公的規格を独自拡張しブラックボックスにしてしまうことは、おすすめしません。

佐賀県

試験の実施についてはページ選択手法と結果の公表時期だけが記されていて、それ以外の情報は検査証明書に記載されています。
検査証明書には対応度表記がなされていませんので、方針に掲げている「適合レベルAAに準拠」を達成できたのかを知る術がありません。
試験には、方針に沿った取り組みが適切になされたかを評価する役割もありますので、その点の記載もしましょう。

福岡県

「試験は、平成30年11月19日から11月29日の間に、総務省が開発・無償公開しているツール(新しいウィンドウで開きます)を利用して行いました。」とあります。
これは試験とは呼べませんし、このツールによって記載の試験結果を得ることも不可能であると考えます。
前年度に実施しているとされる試験も同様で続いてしまっています。
正当な評価の掲載を望みます。

高知県

フッタに「アクセシビリティポリシー」と「アクセシビリティ方針」の2つの類似したリンクがあります。
前者はアクセシビリティに対する高知県としての根本的な考え方、後者はJIS X 8341-3などの規定に沿った記載という違いがあるようです。
ですが、どちらの記述もJIS X 8341-3:2010を前提とした内容が記されていますので、県の方針として不適切であることを自覚しましょう。

愛媛県

試験は2013年と2017年に実施され、結果の記載がありますが、それ以降は行われていないようです。
この2回はいずれもウェブサイトのリニューアル直後の試験と見られます。
ウェブコンテンツのつくりが大きく変わったタイミングで試験を行うことは有効と感じますが、日々、新たなコンテンツの作成・更新があることを考慮した見直しも必要でしょう。

香川県

試験結果表示に「ウェブページ一式単位」を記載していることから、附属書JBやウェブアクセシビリティ基盤委員会が公開するガイドラインに則った忠実な記載であると感じます。
JIS X 8341-3:2016の試験方法は附属書JBに限定されるものではありませんが、勝手な解釈や基準に対する過不足がないように記載できるところが利点です。
そのような記載がされていることを評価します。

徳島県

方針や試験結果の表示が簡潔かつ明瞭です。
加えて、多くの団体が掲載している「達成基準チェックリスト」だけでなく、各達成基準を達成するのにどのような技術や手法を用いたかという「達成方法チェックリスト」も掲載しています。
どうせ公開するのです。
運用する側の方針というだけでなく、公開することにより誠実さを表明したり、利用者の利便やフィードバックを得たりなど、これからも一石を二鳥にも三鳥にもしてホームページを育てていってください。

山口県

title要素やパンくずリスト上は「山口県公式ウェブサイト ウェブアクセシビリティ方針・対応目標|山口県」ですが、h1要素は「山口県公式ウェブサイト ウェブアクセシビリティ方針について」です。
一致した表現にしましょう。
細かいところですが、その細かいところが整うことでコンテンツの信頼度を高める効果も少なからずあります。

広島県

都道府県で唯一「AAA一部準拠」を公開しており、「1.4.8 視覚的提示の達成基準(AAA)」を達成したとしています。
たとえば、この達成基準を満たすためには、1行が(全角の場合)40文字以内である必要があります。
現在は多くのページで1行40文字を超える本文レイアウトになっているのですが、2019年2月の試験実施時点ではこの達成基準を満たしていたということでしょうか。
高いレベルの準拠を表明するときほど結果や運用に正確を期さなければ、そうでないとき、またはそうでなくなったときの信頼が傷つきやすいので気をつけましょう。

岡山県

令和2年9月の試験では、達成状況「適合レベルAAに一部準拠」が示されています。
民間の試験機関が掲載している検査証明書の内容を読み取ると、Aの達成基準で達成度が100%になっている項目はないことから、「A一部準拠」相当と解釈すべきと考えます。
検査証明書の内容と県ウェブサイトの記載内容が異なっているのはなぜでしょうか。

島根県

トップページから第3階層目までと、それ以外のコンテンツで異なる方針・異なる試験を実施しているところが特徴的です。
第3階層目まではメニューページが多く、コンテンツ内に表記や表現上の問題が現れにくいことが想像できます。
問題箇所がテンプレートとコンテンツのどちらに出現するのかを見極める意味では有効な評価手法と言えるのではないでしょうか。

鳥取県

試験は2017、2018、2020の各年度に実施しているものの、方針は平成28(2016)年度の改定を最後に更新が滞っています。
この方針に記される目標を達成する期限や適合レベルが「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に記される目安とまったく同じであることから、当時、総務省のガイドラインにならって策定したままであろうと想像します。
せっかく試験を実施しているのですから、試験結果やウェブサイトの実情に合わせたものに方針を改めることをおすすめします。

和歌山県

達成基準チェックリスト「7.4.1.1 構文解析に関する達成基準」(実際は4.1.1と思われる)の備考欄に「一部、外部要素による構文エラー有」とあります。
「外部要素」が何を指すのかがよくわかりませんが、エラーがあるのであれば適合とはならず、コンテンツ内の特定箇所に問題が生じているのであれば部分適合に留まるので「準拠」の表示はできないはずです。

奈良県

令和2年度に実施された直近の試験結果から「達成基準チェックリスト」を確認すると、「読解レベルの達成基準」「文字画像(例外なし)」「セクション見出し」などAAAの達成基準が適合と判定されています。
高いレベルの準拠を目指したいところではありますが、現実的には達成が困難であり、適合と判断すること自体が難しい状況にあります。
当社が確認したところ、この結果が現状のコンテンツに一致しているとは思えず、どのような試験が行われたものか疑問を感じています。

兵庫県

「目標を達成する期限」は2017年3月31日です。
期限から4年半近くが経過した今も現行の方針として公開されていることは、望ましい状況とは言えません。
本方針公開後の2018年には試験を実施していますので、その結果を受けて方針を見直すべきところでした。
ぜひ未来に向けた方針を新たに策定しましょう。

大阪府

方針の中で「令和03年4月以降:引き続き、年度ごとに本方針を見直した上で、試験結果を公表する。」というスケジュールが記されています。
方針を十分なものにするためには、「いつまでに」「どの範囲を」「どうする」を明示する必要があり、さらに目標達成期限の記載も望まれます。
「新型コロナウイルス感染症関連特設サイト」は比較的新たなコンテンツのはずで、そのキーボード操作をアクセシビリティ対応から除外していることは残念です。

滋賀県

現状では、試験対象コンテンツに時間経過とともに入れ替わる画像があります。
この場合、「2.2.2 一時停止,停止及び非表示の達成基準」を不適用とするのは誤りであり、その対象コンテンツは一時停止ができないため適合とはならないはずです。
試験実施時点でそのようなコンテンツが存在しなかった可能性はありますが、あえて書いておきます。

三重県

最新の試験結果ページの「試験を行ったウェブページのURL」において、40項目すべてが同じリンク先になっています。
直ちに直しましょう。
方針に、目標とする適合レベルよりも上の達成基準を含める場合、試験時の達成基準チェックリストにはその達成基準が記されないことが多いのですが、AAAの4つの達成基準まで表中に記しているところがいいと思います。

愛知県

「ウェブアクセシビリティ方針」のページが見つけにくいです。
パンくずリストから判断すると「利用について」の配下に存在するようですが、そこには「ウェブアクセシビリティ方針」のリンクがなく、今もってサイト内検索以外からの導線を見つけることができていません。
試験結果についてはAA一部準拠が示されていますが、チェックリストからの判定ではA一部準拠に留まっています。
正しい内容を記載しましょう。

静岡県

令和2年度の試験結果において「2.2.2 一時停止,停止及び非表示に関する達成基準」を「例外事項(平成26年7月31日までに対応)」として記しています。
現在は対応済みということかもしれませんが、達成基準2.2.2は、非干渉要件、つまり、これが満たされないと他のコンテンツにもアクセスできない性質を持つ要件であるため、これを除外することは極めて不適切です。

岐阜県

「試験を行ったウェブページ」「試験を行ったページのURIリスト」「試験対象URI(令和2年度)」「JISX8341-3:2016の試験を行ったページリスト(令和2年度)」など、表記の異なる見出しやリンクラベルが並んでいることで混乱します。
「試験を行ったページのURIリスト(ランダムでない方法で選択)12ページ」の見出しの直後に、試験対象の40ページが列記されていることから、試験方法の理解が不十分なのではないかと不安を覚えます。
試験の実施や結果だけでなく、その記載の正確さにも意識を向けましょう。

長野県

試験対象ページや達成基準チェックリストをPDFなど別のコンテンツとせず、1つのHTMLページ内に記載しているので、試験の全容が把握しやすいです。
試験結果から適合とならなかった達成基準を見ていくと、当社が日々業務として実施する際の問題箇所と類似しており、リアリティのある試験結果という印象を受けます。
問題の具体が見えていると思うので、この流れで改善がすすむことを応援しています。

山梨県

平成30年3月31日までに試験を実施する旨の記載があるものの、平成28年度の試験結果(2017年3月21日~27日)を最後に新たな試験結果の掲載がありません。
ただ、「取組確認・評価表」で獲得しているポイントから判断すると、過去1年以内に何らかの検証を実施しているようです。
せっかくですから、その成果を踏まえた方針の見直しなど適切な取り組みができるといいと思います。

福井県

ウェブアクセシビリティ方針のページはあるものの、目標達成期限の記載も試験実施の形跡もありません。
「今後の方針」として「定期的にページ検証を行い、不適合となった箇所を可能な範囲で改善するとともに、必要に応じて本方針の見直しを行います。」ともあるのですが、検証・改善・方針の見直し、そのいずれについてもウェブサイト上には一切情報が存在しません。
残念です。

石川県

平成26年度以降7か年の試験結果が閲覧できます。
毎年、適度に対象ページを変えながらほぼ同時期に試験を継続実施していることに感服しました。
直近の試験結果を確認したところ、「試験を行ったページのURI一覧(令和2年度実施分)」では、URL文字列と実際のリンク先が異なっているのでさっそく修正してください。

富山県

2021年3月のリニューアルとともにウェブアクセシビリティ方針が示されています。
せっかくですから目標達成期限の記載もしましょう。
「1.2.5 音声解説(収録済み)の達成基準(レベルAA)」を例外として目標をA一部準拠」とするのではなく、音声解説を付けてAA準拠を目標とする方が自治体として格好いいです。

新潟県

ウェブページ一式のアクセシビリティ品質を端的に示すことは試験結果表示の一つの意義だと思うので、試験結果ページに適合レベルを記してほしいです。
現状では、PDFで掲載されている達成基準チェックリストを照らし合わせなければなりません。
試験結果ページが「しごと・産業」配下に格納されているところにも違和感を覚えます。
試験の実施や結果だけでなく、それをどこにどのように記載するかというところに意識を向けられると誠実さが増します。

神奈川県

2017年度以降、https://www.pref.kanagawa.jp/配下のコンテンツを対象とした「公式サイト」とそれ以外を対象とした「外部サイト」の2種の試験を実施しています。
両者は、ウェブコンテンツの構造やHTML記述等が大きく異なると思われるので、広範なコンテンツを評価する手法として有効だと思います。
民間の検査機関への検査証明書をそのまま掲載しているところが特徴的です。

東京都

ウェブアクセシビリティ方針、試験結果ともに「等級」という言葉を用いています。
また、達成基準チェックリストには細分箇条として「7.1.1.1」「7.1.2.1」などの表記が見られます。
これらは、いずれも旧規格で用いられる表記であるため、「適合レベル」「1.1.1」「1.2.1」のように、JIS X 8341-3:2016で使用している表記に改めましょう。

千葉県

令和元年度、令和2年度とウェブアクセシビリティ試験を実施し「適合レベルAに一部準拠」した旨の記載があります。
しかし、対象ページや各達成基準に対する適合状況の詳細が記されていないので、現状のコンテンツ品質との付き合わせができませんでした。
ウェブアクセシビリティ方針に、自らが掲げるAAに準拠という目標に対しての達成時期を示すことで、その目標達成やサイトの信頼性が得られるので記載をおすすめします。

埼玉県

「JIS X 8341-3:2016附属書JBに基づく試験」であることが明示されています。
附属書JBはあくまでも参考ではあるものの、「JB.3.1 表示事項」に則った記載をするなど、正しい試験と試験結果表示をすることへの意識の高さが感じられます。
問題箇所や取り組みにおける弱点を把握し、組織全体としてウェブアクセシビリティの維持・向上に取り組むことを期待させる記載になっていると思います。

群馬県

ウェブアクセシビリティ方針は、その名のとおりこれから目指す方向が示されることが好ましいです。
目標達成期限を過ぎても記載内容が更新されない団体が多い中、未来の日付を明示している点を評価します。
不適合となった達成基準を明らかにしていることから、取り組みの誠実さも感じられます。
ただ、達成基準チェックリスト「細分箇条」として、「7.1.1.1」など旧規格の項番が記されている点は修正しましょう。

栃木県

2021年3月に試験を実施し、AA準拠の結果を得ています。
それとは別に「機械的な検証結果」を示しているところは、評価手法の使い分けという点で参考にしたい事例であると感じました。
miCheckerをはじめとする現状の機械的な評価ツールでは、すべての達成基準を検証することは難しいという認識ですが、問題箇所の傾向把握という位置付けでの併記は意味があると思います。

茨城県

2018年・2019年の過去2回の「JIS X 8341-3:2016附属書JBに基づく試験結果」へのリンクがありますが、最新の結果である2019年3月28日版へのリンクが切れています。
そのため現状で確認できるのは、A一部準拠の結果を謳っている2018年版になってしまいます。
ガイドラインの改訂版も2017年が最新のようで、取り組みが停滞している印象を受けます。

福島県

福島県ホームページの作成に関する手引き」があります。
これは、単語内のスペースや色の組み合わせなど、コンテンツ表現やウェブアクセシビリティ向上のための具体的な表現手法についての手引きで有益なものと思いますが、「1ページのサイズは、原則として画像を含めて100Kb以下」といった現実的ではない内容が記されてしまっているので修正されるといいです。

山形県

試験実施の際、特定の達成基準に該当するコンテンツが存在しない場合はその達成基準は「適用なし」となり、自動的に「適合」として扱うものと考えます。
「達成基準チェックリスト」を確認してみてください。
全体的にウェブアクセシビリティ基盤委員会が示す資料に則したものになってはいますが、各記載欄の意図や意義を踏まえての正確な記述が望まれます。

秋田県

秋田県の達成基準チェックリストを見ると、適合レベルAの達成基準について「不適合」の記載があります。
これは「A 一部準拠」に留まりますので、試験結果として示されている「レベルAA 一部準拠」は誤りではないでしょうか。
システム上の問題と運用上の問題の切り分けを意識しているところには改善への期待が感じられます。

宮城県

対象範囲から除外するコンテンツの存在や特定の達成基準を例外事項とすることなどから、やや都合のいいルールや解釈になっていませんか。
現状のコンテンツをどのように評価すればAA準拠と見なすことができるかというのではなく、コンテンツ品質を適切に評価する方針の方が好感が持たれるし目的も適うでしょう。
2019年3月29日時点で試験結果を公表予定としていますが、現在までに試験結果が確認できていません。

岩手県

「A一部準拠」の試験結果を受けて、「今回指摘を受けた箇所については、できる限り修正・反映済みです。」とあります。
この気持ちのままに今後の取り組み方針の具体が記されるとよいでしょう。
せっかく令和元年に試験を実施しているのですから、方針のページにある平成29年が最新の試験結果であるかのような記述は改めたほうがいいです。

青森県

「※問題点を把握した箇所については、既に修正を行っています。」とあることで、AA準拠の結果のタイミングが不明瞭になっています。
問題点を把握しながらもAA準拠なのか、修正して検査をし直してAA準拠なのかなどいろいろな解釈ができてしまいます。
YouTube、Facebook、Twitterなどによるコンテンツ全体を「第三者によるコンテンツにおける例外」として扱うのは誤った解釈です。

北海道

令和3年7月3日に全面リニューアルを実施しています。
気持ちも新たにというところのようですが、ウェブアクセシビリティの方針策定日や目標達成期限がありません。
「JIS X 8341-3:2016の適合レベルに準拠」ではなく、その準拠のレベルを記載してください。
「日本工業規格」は「日本産業規格」に修正しましょう。