2023年3月1日 掲載
見えない私は来る人を待っている
今回のコラムでは、JR東海の運行状況のページを取り上げます。その前に、このページをどうして見ているのかということにふれておきたいと思います。
わりとよく見ることは確かです。しかし、私が実際にその列車に乗り合わせているということはまれです。ならばどうして見ているのか。私はいつも、来る人を待っているのです。
そのページのアクセシビリティを考えるとき、たとえば今回のJRの運行状況ということであれば、その車両に乗り合わせる人、または前後の時間帯に乗る予定がある人を想定すると思います。でも、私のように、その車両に乗り合わせている人の様子を知りたいということもあります。
私は待っています、圧倒的に乗るよりも乗っている人を待っていることの方が多い。そして、その人の様子をじーっと見ているという事実を表明しておこうと思います。
メッセージの文言が回りくどかった
なんらかの事情で予定どおりに運行がされないときには、「運行状況」のページにメッセージが表示されます。今回見ていたものは、ほぼオンタイムで表示がされていました。ご苦労が伝わるというものです。
しかし、継続してメッセージを追っている私には、文言がまわりくどく感じられました。
今回たまたま見ていた2月16日のメッセージのいくつかををリライトしてみました。ご興味がありましたらご覧ください。
好ましいメッセージの条件
時々刻々と状況は変わっていきます。そのたびに、メッセージも更新していかなければなりません。さらに、さまざまな立場で読まれるメッセージです。どのように書くのがベストでしょうか。
私は、以下のようなことに留意するといいと思っています。
このたびのJRの運行状況を例に挙げてみます。
誰に向けて書くのか
以下の3者全員に向けて、過不足のないメッセージであることが求められます。
- お客様その1:その列車に乗っている人
- お客様その2:影響する列車に乗っている人・乗ろうとしている人
- 第三者:乗車客を待っている人など
何を書くか
現状と見通し、そして、その理由があると安心です。
今回の事例では、理由の扱いが難しいと感じました。
書いておく必要がある理由はあると思いましたが、言い訳と響くものや、もういらないと感じられるものもありました。理由は、現状や見通しを伝えるために必須となる理由にとどめ、そのほかは履歴をたどっていただくという意識で作文をするといいと思います。
何を強調するか
上に記した観点で作文をすると、内容がてんこ盛りになっていきます。
以下の点に留意するとわかりやすくなると思います。
- 対象者に優先度をつける
- 先のメッセージとの違いを強調する
- 理由を簡潔に言い換える
長くなりましたので、続きは次のコラムでお読みください。