LINEでしょ、やっぱり その2

2020年3月2日 掲載

前回はLINEのお友達からグループ作成に成功したお話でした。今回はその逆に、グループからお友達、そしてビデオ電話へとめくるめく世界をお届けします。

やかましい年末年始

年末年始をデジタルデトックスで過ごした私でした。身内にもデトックス実行を止められなかったわけですが、やはり実害がありまして、やれクリスマス会のサンタとトナカイの配役はどうするだの、おもちつきの米は何キロにするだの、やかましいことこの上ありません。さすがに不便かな、ガラ携の電源くらいは入れないとマズイかなと思い始めたころ、そうだよ、母とLINEでお友達になればいいんじゃないということになりました。

「お友達とグループ」はわりとすんなりといったのですが、その逆の「グループからお友達」は、私にとっては少し抵抗がありました。後日検証したところ、LINEの「追加」という表現が私にはなじまなかったようです。

60代のiPhoneユーザと40代のVoiceOverビギナー

母と「お友達」になってはじめて実感したのですが、私が一番必要なやりとりの相手は母だったようです。必要なのでやりとりは頻繁になります。最初は「お友達になれたのかな?」「なれたんじゃない?話せてるからいいんじゃない?」などと心もとないメッセージのやりとりから始まりましたが、そのうちに「今日は電話してみます」というメッセージが来たかと思うと、どうやって出ればいいんだろうとうろたえる間もなく母からLINE電話がかかってきました。覚えたジェスチャーを総動員して画面をタップしまくり何とか通話できました。

私たち60代のiPhoneユーザと40代のVoiceOverビギナーは、使用レベルというか熟達レベルが同じくらいのようでした。やりとりをする必然性と使用方法を確認しあえる状況が、私たちのLINE熟達度を上げていきました。母の好奇心につられて、「今度はこのビデオ電話っていうのをやってみようよ」となってやってみることに。母によると「結構いろいろ鮮明に写っているよ」ということでした。

サイトワールドで見たサービスに大感激

昨年末、サイトワールドという視覚障害者用の機器やサービスを展示販売するイベントに10年以上ぶりに出かけてきました。その中で、自宅で見えなくて困ったときに動画でそれを知らせ、昼間の一定時間ボランティアさんが確認して教えてくださるサービスが紹介されていました。大変感激しました。月額5,000円で対応してくださるということでした。

見えないといろいろあって、「これは今どうなっているんだろう」とか、「ああ、これは(見える人がいるうちに)聞いておくんだった」とか、瞬間的には泣き出したくなるくらいの困難に見舞われることがあります。そのような究極の困りごともそうですが、もっと気楽に日常的なことも対応してくださるようでした。

ビデオ電話で「アレ」やってあげるよ

そのサービスに大感激して母に伝えてありました。LINEでビデオ電話に成功した私たちです。母が言います。「この間言っていた『アレ』、生きているうちは私がやってあげるよ」と。そうか、そんなこともできるのかと感心しました。

紹介されていたサービスは月額5,000円で適当な価格だと思いましたが、別のツールを使用すればもっと安く提供してもらえるかもしれません。一つ心配だったのはプライバシーの保護です。もちろん十分な配慮をしてくださるし、余計な事は言わない、安全が確保できない歩行案内などはしませんということでしたが、それでも少しは気になります。そうなると、自分がある程度信用している人にお願いできると精神的には大分楽です。

一応デジタルデトックス話は終わりです

デジタルデトックスをしてみて、ある程度ですがiPadを操れるようになりました。ここには書きませんでしたが、PC、ケータイ、読書機の電源を切ってみて、自分に最低限必要なものは何か、仕事でどんなことをしていきたいのか、ライフワークとしてはどうかなどを見つめ直す機会になりました。

今、新型コロナウイルスの流行により、それぞれの立場でさまざまな対応が迫られていると思います。これも何かを試す、見つめ直す機会になるのかしらと思い込みながら過ごしています。