自治体サイトWebアクセシビリティ調査2020を終えて

2020年9月1日 掲載

今年もやってまいりました!自治体サイトWebアクセシビリティ調査2020の発表です。今年はもう迷いなく「新型コロナウイルス感染症」がテーマです。そして、タブレットでの音声による調査を初導入いたしましたよ。

ホームボタン3連打で……

さてさて、PC&タブレットで、全盲調査員の私の負担は2倍になったわけですが、仕方ないですよね、時代です時代。そろそろやらなければならなかったのです。でも、これだけのろのろしていると調査としてはちょうどいい具合だと思いますよ。

ですから怖いですよ、iPhoneだのiPadだの、今これを読んでいる都道府県や政令市のWebマスターの視界に一つは入るでしょうからね。ホームボタン3連打すれば自分とこのホームページすぐに読み上げられますからね。どうですか?音声でわかりますか?あっ、目を閉じるのを忘れないでくださいね。

小学生だって、中高生だって……

えーと、例えば私がイヤホンなどせずに、音声全開でスマホをいじっていたら、そばにいる小学生は「おばさん何やってんの?」って聞いてくると思うのです。というか、聞かれました。もう少し年齢のいった中高生あたりになると、あのおばさんのあれ、どうやるのかな?」などと思って調べたり聞いたりしながら手持ちのスマホしゃべらせてみたりしますよ。私の若いお友達はそうしていました。

住民のみなさんの大切な税金ですからね

ですから、都道府県、政令市のWebマスターにできないことはありません。VoiceOverでもTalkBackでも動かしてみたらいいですよ。そこで、わからないな、おかしいなと思ったら、自分で直す必要などありません、多分、そのような事態は避けなければならないことが仕様書にあるでしょうから、そのまま制作会社さんに「できてないよ」って言うだけのことです。住民のみなさんの大切な税金でつくっているのですから、責任もって大したものに仕上げましょう。

みなさん見事に「指先コロナ」

さて、調査の詳細は調査結果のページに譲るとして、ここではせっかくですから初導入のタブレットでよかったことを書いておこうと思います。現在は新型コロナウイルス感染症対策で、自治体によっては緊急サイト表示になっていますので、まっさらの横並び調査ができないのですが、そのせいもあって、みなさん見事に「指先コロナ」でした。

ほとんどの自治体サイトで、表示されてすぐにタブレットの真ん中に指を当てると「コロナ」って言います。その情報を求めて訪問する人が多いでしょうから、視覚的にも指先的にもとてもよいことだと思いました。視覚的にどうかなんてこれまで私の立場から言えたことありませんでしたから、今、大変新鮮な気持ちです。

字幕がちゃんと聞こえました

さて、次は各地のリーダーのメッセージからです。今年ほど知事のみなさんの顔が売れた年はなかったのではないでしょうか。調査中に、動画への動線やそのコンテンツの情報保障の具合を見てきましたが、青森県の知事の動画を見ていた時に知事の声とテキストの合成音声が交互に流れまして、「なんだ?なんだ?」としばらく戸惑ったのですが、字幕だったのですね。ああそうかあ、こんな感じで字幕って表示されるのだなあとこちらも大変新鮮な体験でした。私が調査中に出会った青森県知事のメッセージに限りますが、聴覚障害者の皆さん、正しく文字起こしされていましたよ。なんてことを、これまで私の立場でどうしたら言えたでしょう。本当に技術ってすごいですね。

心から声援を送ります

いろいろ書いてはきましたが、未曽有の事態にそれぞれの立場で最善を尽くされている全国の自治体、その関係者の皆さんに心から声援を送りたいと思います。なんといっても未曽有ですから、あれ?この場合はどう実装したらよいのだろうというふとした疑問がありましたらお問い合わせください。できる限りのご支援をさせていただければと思います。