2020年8月3日 掲載
ユニバーサルデザインと言えば真っ先に思い出す花王、Webサイトも気を遣ってくれています。花王のWebサイトに見る代替テキストの考え方を記します。
シャンプーボトルのきざみは花王さんのアイデアです
花王のユニバーサルデザインの取り組みと言えば、シャンプーボトルのきざみですよね。シャンプーとリンス(今はコンディショナーかな?)との区別のために、シャンプーボトルに最初にきざみをつけてくださったのは花王です。
これが国内標準になり、さらに国際規格になり、私は日本の誇りだなあと感じています。
突然ですがコロナウイルスの退治方法についてです
マスクと同様に手指の消毒液が不足して、ハンドソープでもコロナウイルスは退治できるという情報が聞こえてきました。早速厚生労働省のWebサイトでお勉強です。
手や指に付着しているウイルスの数は、流水による15秒の手洗いだけで1/100に、石けんやハンドソープで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。手洗いの後、さらに消毒液を使用する必要はありません。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html
ということでした。
なんだあ、消毒液が手に入らなくたって洗っておけばいいんじゃんと一安心。しばらくすると、ぼやぼやしていた私にも手指の消毒液を手にできる時期がやってきました。念のためにとりあえず購入です。
しかし、手洗いができれば手指の消毒液は必要ないということでしたので、買ってはみたものの気休めにしかなりません。これは手指にしか使えないのかしら?ドアノブや手で触れるところへの掃除に使うのはどうなんだろう。再び厚生労働省のWebサイトを読み直します。
手指の消毒液が掃除に有効ということは見当たりません。この商品のアルコール度数が高ければ使えるかもしれませんが、私にはわかりませんでした。モノのウイルス対策には塩素系漂白剤が有効なのだそうです。キッチンハイターとワイドハイターは常備していますので素直にこちらを使用することにしました。
ユニバーサルデザインのパイオニアなリーディングなカンパニー
やっと花王のWebサイトの登場です。さてさて、キッチンハイターとワイドハイターの使用方法をちゃんと知りましょう。商品ページが一番確かですからね。そこで見つけたのです。このような文言を。
※読上げソフトで聴く場合でも情報が不足しないように、画像部分の文字も本文に加えている場合があります。
と。
わざとらしいと言えばそうなのですが、ユニバーサルデザインのパイオニアなリーディングなカンパニーと思うとよい響きにしか聞こえません。
かぶろうが何だろうが全部書いておけばいいじゃん
私はアクセシビリティアナリストですので、文言がかぶることなく、見える人にも見えない人にも聞こえない人にも手先が不自由な人にも子供にもお年寄りにもみんなに使えるWebサイトを作ることができますが、そうでないなら全部書いておけばいいじゃんという考えを無視するつもりはありません。
なぜなら情報の不足が一番困るからです。
花王さんの場合、情報の不足なきよう「見える人にはうざいところあるかもしれないけれどごめんね」というメッセージなのでしょう。
かぶってももう怒りません
以前は画像の代替テキストと普通のテキストがかぶるだけでかなり怒っていたような気がします。自治体サイトなどで、大量のカテゴリがすべてそうなっているということが多かったので、聞いているだけで気が狂いそうだったのかもしれません。
だけど、画像に大切な情報がある場合、それが聞こえないよりはかぶってでも聞こえた方がいいに決まっています。
JIS X 8341-3:2016の試験やアクセシビリティ調査は別ですが、それ以外は寛容になろうと心に決めた花王のWebサイトとの出会いでした。