絵文字の読み書き

2026年11月2日 掲載

ウェブアクセシビリティを語るコラムで絵文字を推奨するのはよくないかもしれませんが、最近の私は、絵文字なるものが書けるようになってうれしい気持ちでいます。

ああ、あれは絵文字だったのね

5月と7月のコラムに生成AIを利用する様子を紹介しました。その後も利用は続いており、「Geminiの回答」を読む中で、「💡」がよく出てくることに気づきました。

最初は違和感を覚えましたが、回答を丁寧に読んでいくと、見出しの先頭にちょこんとある何かを「電球」と読み上げていることがわかりました。もっと丁寧に読んでいくと、これまで読み流していたところどころに何かがついています。

カーソルを一つ動かしただけなのに、オノマトペのようであったり、熟語であったりと、通常とは違った読み上げをします。ああそうか、いつのまにか絵文字をスクリーンリーダーは読み上げてくれるようになったのだと気づき、感心しました。

絵文字の読み上げ:急にやけに長くなったポスト

そういえば、いつのころからか「X」のポストが長くなったというかまどろっこしいというか、変な感じがしていたのよねということを思い出しました。あれも絵文字を読み上げるようになったせいかと、遅ればせながら気づいたのです。

文末に「✨」がついているくらいなら支障はないのです。「(笑)」みたいなものでしょうと、中途失明であることも手伝ってなんとなく理解ができます。ところが、見出しの先頭や箇条書きの先頭に絵文字が付いている場合、少し困ったことが生じ始めています。

「3時」からなのか「17時」からなのか

「⌚」は「時計」と読み上げますが、「🕒」は「3時」と読み上げます。

ですから、箇条書きで日時を示すときの「時刻」の先頭に、それを示すための絵文字として「🕒」を付記したとき、たとえば「🕒 開演17:00」などとなると困ったことになります。一瞬、「3時?」それとも「17時?」となって戸惑います。

新商品名、新人アーティスト名もおかしなことに

固有名詞の先頭に絵文字が付記されているときも不具合が生じます。

絵文字の読み上げと、その後に続く固有名詞は、音声では同じテイストで聞こえてきます。その固有名詞が一般名詞くらい知られているものであればいいのですが、まだ知名度が低い商品名や、売れ始めたばかりのアーティスト名や芸名などであった場合、絵文字と名詞が音声では一体化してしまうことがあります。

固有名詞に付記される絵文字は、その名詞に親和性の高いものであることが多くなります。ですから、少し長いなとか、リズムやゴロが悪いなとか、わずかな違和感から気づくよりほかありません。よっぽどでなければ聞き流すところですので、勘違いして覚えてしまうほどの失敗はありませんが、正しくは認識できていない場合があることを申し添えます。

絵文字の入力:見えないのに視覚優位の私

絵文字が読み上げられるということは、入力もできるようになるというわけで、見えない私の個人的な日常においては大変な変化が起きています。

日記が華やかになった!

最近の私は、普段の日記にやたらと絵文字を付けています。

「会社のコラムの下書きが書けた☻」とか「ベッドカバーの洗濯ができた✨」とか、文末に絵文字をつけるのがマイブームです🎉

中途失明のせいでしょうか、音で読み書きをしているにもかかわらず、脳内へのインプットはどういうわけか画像や映像なのです。

自分が入力したものであれば、それがテキストの文字列なのか、絵文字がテキストで読み上げられているものなのかの区別がつきます。ですから、自分が入力した絵文字入りの文章を読み返すと、私の脳内には絵文字入りの華やかなノートが広がるというわけです。

その絵文字を一度も見たことがないので、私が勝手に作ったオリジナル絵文字ではありますが、もう本当に勝手ながら、キラキラさせたりポップにしたりと自由自在なのであります。

これまでも、洋服やインテリアグッズを選ぶときには色を意識することがあって、いくらか脳内に華やかな感じが広がったことはありましたが、文章の読み書きに華やかさが広がることはなかったような気がします。すごく新鮮な感覚を味わっているところです。

メモのバリエーションが増えた!

メモの先頭に記号を付記したいことがあります。

ひらめきのメモの前には「💡」、やることリストの前には「✅」などなど、それっぽい絵文字が置けると、見えない私にとっても認識が早く、心なしか記憶もしやすくなったような気がしています。単語登録をすれば入力も素早くできますし、テキストエディタ上で検索をかけることも容易です。

これまでも、文字としての記号を利用してはきましたが、数として足りなかったり、記号そのものに文字列内での意味があって併用できなかったりと、不便を感じていました。絵文字の導入により、個人の環境内では便利になりました。

読むときと書くときとで大違い

お伝えしてきました通り、他人が入力した絵文字の読み取りには難があるのに、自分が入力した絵文字の読み書きは超便利という、これまでにはあまりない分析結果が出ました。現在の私は絵文字初心者なので、これから経験が重なることにより、絵文字の読み取り能力が上がるかもしれません。

いずれにしても、長い間、黒色の筆記具しか持てなかった私が、急に色鉛筆やたくさんのスタンプを買い与えられたような状況で、うれしいような懐かしいような気分に浸っています。