私もいろいろできません

高齢者のみなさん、励みになるかどうかはわかりませんが私もいろいろできません。
このようなインターネットの業界で長く働いていてもできないことは多いのです。

自分を責めないで

新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができなくて、多少あせったことと思います。
スマホに慣れていないもので、若い人に進められていたLINEとやらをやっておけばよかったなど、自分を責めたり後悔したりしていませんか。いいんですよ、そんな風に思わなくて。

オンラインでできなかっただけのこと

ワクチン接種の予約が、オンラインでできなかっただけのことです。
全員に十分いきわたるワクチンがない以上、誰かは予約ができないわけです。
オンラインの操作に長けていれば予約は取りやすかったかもしれません。
ですが、取りやすかっただけのことです。

急にお持ちのガラケーが憎くなったり、そんな小さなスマホ画面にとらわれたり、ぜひともやめてくださいね。
お前、何の権利があってそんなこと言うんだと言われそうですが、そのストレスで体を壊してしまわれそうで心配なもので。
この機会に、今までやってみなかったことをやってみようくらいになれるのが一番いいと思います。

ギョーカイ人だって大してできません

私は長くインターネットに携わる仕事をしていながら、スマホは昨年初めて買いました。
このコラムを読んでいただけるとわかりますが、タブレットの導入もかなり遅いです。

それは勉強不足ではないかという意見もありますが、あえてこのペースです。
なぜなら、それでも生活者として困らなかったから。
使い始めたのは、それでは生活者として困るからなのです。
ですから、自分がそれでは困ると感じたとき、それが一番ベストな取り入れ方なのだと考えます。

やるもやらぬも自由だ

予約が取れなかったことを悔やむのではなくて、これからそうしたことがないように学ぼうと思えたらそうされたらよいと思います。
いやいや、ゆっくりだけど電話で予約が取れたからという場合や、またはオンラインよりも安心に思える方法、確かと感じる方法があるならその方法でいいではありませんか。

ちゃんと怖いですよインターネット

私はこういう仕事をしていながら、インターネットの世界はそこそこ怖いところだと思っています。
できないことは危険の回避ができているということで、インターネットが苦手な方々について一定の評価をしているくらいです。

なんでそんなこともできないの?
いまはこういう時代でしょ。
オンラインでワクチンが取れなかった高齢者の皆さんよりもずっと強い風当たりを受けて生きています。
でも少しも自分を悪く思っていません。

見ていてつらかったニュース

当社の所在地静岡県三島市ではこのような取り組みがありました。

新型コロナワクチンネット予約で各地で混乱 静岡県三島市では「お助け隊」を設置(静岡朝日テレビ) – Yahoo!ニュース

職員「開いていただいて…」
参加者「開くっていうのは自然に画面で…」
職員「そこを押せば大丈夫です」
参加者「送信を押せば…」

新型コロナワクチンネット予約で各地で混乱 静岡県三島市では「お助け隊」を設置(静岡朝日テレビ) – Yahoo!ニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ff79117a0e38319bbd593f55dd5d408a8decf70

お助け隊の存在は住民として誇りに思うところですが、引用した内容については聴いているだけでつらくてつらくて。
「わかりませんよね、『開く』って」とニュースに話しかけてしまいました。

この方が翌日に無事に予約ができますよう、また今後も「開く」ことが喜びとか便利とかに結びつくよう強く強く願ったところであります。
そして、重ね重ねあえてできないことはいいことだとお伝えしたいと思います。
自分を見失いそうになったら、インターネットの業界でもこんなにのろのろとやっている私がいることを思い出してください。