自治体サイトWebアクセシビリティ調査2019を終えて

今年も自治体サイトWebアクセシビリティ調査発表の日がやってまいりました。今年はなんと日曜日です。そして、防災訓練もありましたので、訓練終了後のリリースです。

音声ブラウザをご利用のみなさんへ

あくまでも、音声ブラウザをご利用のみなさんへのメッセージです。自治体の発信者や、自治体サイトを制作している人に向けてのメッセージではありませんのでお間違いのないように。

自治体サイトに画像や動画、SNSの埋め込みをなくすのは難しい時代が来ました。あって当たり前です。そうしますと、特にトップページにそれらが埋め込まれる場合、どうしても音声で余計なことを言いますので、そういう部分だなと気づきましたら聞き流しましょう。うっとおしいことと、そこにほしい情報があるのではないかという二つのことが気にかかると思いますが、うっとおしいことは我慢していただくとして、そこにほしい情報はまずないので気にせず聞き流しましょう。自治体サイトはどこの都道府県も政令市もちゃんと情報がありますし、読み上げてもらえる状況が近年続いています。ぐじゅぐじゅっとしたところはとりあえず無視して聴いた方が、ほしい情報にストレスなくたどり着けます。

自治体サイトのWebマスターとその周辺のみなさんへ

毎年調査対象になってくださりありがとうございます。日々の情報発信も本当におつかれさまです。そこで、今一度、不必要に仕事が増えていないかを確認してください。47の都道府県、20の政令市の公式サイトが調査対象ですが、ダメなサイトは一つもありません。相当高いレベルで情報を受け取ることができるサイトになっています。16年連続17回横並びで閲覧、調査をしてまいりました。現在は、日本の誇りと言ってもよい状況にあると思います。どうか自信をもって、アクセシビリティの推進を主体的に担っていってほしいと思います。

自治体サイトを制作している業者のみなさんへ

わからないことは無理して実装しないでください。間違った解釈をお客さんである自治体に伝えないでください。JISの解釈に迷う自治体からの問い合わせに対応していますが、どうしてそのような解釈に至ったかをさかのぼりますと、今年は業者の意見という例が複数ありました。ユニバーサルワークスでは、自治体だけでなく、業者の相談にも対応いたします。解釈があいまいなときはお問い合わせください、

ただただ調査結果を楽しみにしてくださるみなさんへ

67の調査結果がありますので、我々調査員も大変ですが、結果をご覧になる皆さんも大変だと思います。お時間があるときにぼちぼち眺めてください。初期の調査のようないわゆる文句はもうありません。どちらかというと、調査側が端末の変更などしながら現代に即した調査をしていく必要に迫られているような気がします。来年もまた、暑さに負けず元気に調査ができるよう精進してまいります。

自治体サイトWebアクセシビリティ調査2019

調査概要

有限会社ユニバーサルワークスは、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2019」を実施し、47都道府県・20政令指定都市の自治体サイトのアクセスしやすさを評価しました。今年で17回目となる今回のテーマは「404エラーページ」です。

2018年3月の国税庁や2019年7月の世田谷区と滋賀県のウェブサイトで、リニューアル時のURL変更に伴い大きな混乱が生じたことを耳にした方もいることでしょう。URLが変わったり、ページが削除されたり、アドレスの入力を間違えたりした際に表示される「404 Not Found」エラーページは、閲覧者にとって行き止まりとなる可能性があります。ですが、適切な情報提供をすることで、閲覧者の目的達成の一助となり、閲覧者の満足度を保持することができます。

今回は、Google Search Consoleヘルプ「404 ページのカスタマイズ」に示される内容を参考に採点基準を定め、47都道府県・20政令指定都市の404エラーページが備えている機能や表現について調査を行いました。

調査方法

47都道府県・20政令指定都市の公式サイトのURLの末尾に「/u-works/」を付加し、存在しないアドレスへのアクセスを試みました。表示されたページが持つ機能・内容・表現を確認しました。

採点基準を定めるにあたって

Google Search Consoleヘルプ「404 ページのカスタマイズ」には、以下のことが書かれています。

ユーザーをサイトにとどまらせ、探している情報を見つけるのを助ける効果的な 404 ページを作成するには、次のようにすることをおすすめします。

ユーザーに対して、探しているページが見つからないことを明確に伝えます。親しみやすく魅力的な言葉を使用します。
404 ページを、サイトのその他の部分と同じデザイン(ナビゲーションを含む)にします。
最も人気のある記事や投稿へのリンクの他、ホームページへのリンクを追加します。
無効なリンクを報告する方法をユーザーに提供することを検討します。
この 404 ページがどれほどきれいにデザインされ、役に立つものであっても、Google 検索結果に表示したいとは誰も思わないでしょう。404 ページが Google や他の検索エンジンのインデックスに登録されないようにするため、存在しないページがリクエストされたときにウェブサーバーが実際の 404 HTTP ステータス コードを返すことを確認します。
アドレス変更ツールを使用して、Google にサイトの移転を通知します。

これを基に、「ステータスコード」「ロゴ・リンク」「デザイン適用」「記載内容」「管理者等への報告」「ページタイトル」の6つの観点を定めました。

採点基準

各観点の採点基準は以下のとおりです。(すべてを満たすと10点満点となる。)

  • ステータスコード(1点 or 0点)
    ステータスコードが「404」であれば1点。それ以外の場合には0点とした。
  • ロゴ・リンク(2点 or 1点 or 0点)
    ロゴがあれば1点、そのロゴにホームへの有効なリンクが張られていれば2点、何もない場合には0点とした。
  • デザイン適用 (2点 or 1点 or 0点)
    通常ページと同様の見た目・共通するナビゲーションの付与があれば2点、過去のサイトのままだったり、メニューの欠落などが見られたりする場合には1点、通常ページとの共通性が見られない場合には0点とした。
  • 記載内容 (2点 or 1点 or 0点)
    エラーページが表示された理由とどのような情報で譲歩探索を続けられるかの両方の記載があれば2点、表示理由は記されているがその後の行動に対する情報提供が不十分な場合には1点、表示理由がない場合には0点とした。
  • 管理者等への報告 (1点 or 0点)
    メールアドレスの記載、フォームへのリンクのいずれかがあれば1点、電話番号のみなど記載が不十分の場合は0点とした。
  • ページタイトル (2点 or 1点 or 0点)
    ページが見つからない旨の表現がなされていれば2点、別の内容であるがエラー表示がされている場合には1点、それ以外は0点とした。