エキスパートになってはいけない私

新しいiPadを買ったのですが、なかなか使えるようになりません。コラムの更新も予定より遅れてしまいました。そんな鬱屈した日々の記録です。

アクセシビリティアナリストってどんな仕事?

私はユニバーサルワークスのアクセシビリティアナリストという肩書きで仕事をしています。スクリーンリーダーや音声ブラウザを使用して、コンピュータ上のテキストを読み上げさせ、主にWebサイトの情報がわかるかわからないか、どうしてわかるのか、どうしてわからないのか、わからないとしたらどうしたらよいかを分析しています。

大変だったあのころ

創業当時(2003年)はWebサイトのつくりがよくなくて、音声ブラウザで読み上げさせてもさっぱり情報を得ることができませんでした。自治体の公式サイトのトップページが一面何もわからないということがあったのですよ。当時は冷静に分析しようとしてもわからなすぎて感情を抑えるのが大変でした。今はどこの自治体も恐ろしく困ることはなくなりました。ぐんぐんよくなっていく様を見てこれたことも仕事上大変よい経験です。

デジャブか?

音声ブラウザでサクサクと情報を得ることができ、比較的ご機嫌な今日でしたが、iPadを導入して曇り顔が続いています。ジェスチャーの知識が足りないことは前提としても、明らかにVoiceOverが正しく機能しないと思われる記述があり、たまたまかもしれませんが、私がアクセスしたいWebサイトやアプリに限って(?)そうした状況が続きつらくなっています。まるで、創業当時のWebサイトたちが襲ってきたかのようです。

テスターとしてのちょうどよさ

困ってはいるのですが、特に解決を急ぐこともなく日々を過ごしています。社内でもプライベートでも誰も助けてくれません。私自身も私の周囲の人々も、私がiPadをただ使えるようになることが目的でないと知っているからです。見えない人が新しいものに触れたとき、何につまずきどう克服していくかも仕事のうちだし、軽々乗り越えられるようなエキスパートになってはならないからです。そもそも今頃iPadと思われる向きもあろうかと思います。みんながタブレットをスマホを利用してやっと私の手にする番が来るというか、遅いくらいのスキルで仕事をするようにしています。エキスパートになってはいけない私の紹介でした。

年内にはLINEを失敗なくできるようにして、長年お世話になったドコモのらくらくホン(ガラケー)とさよならする予定です。