自治体サイトWebアクセシビリティ調査2018を終えて

今年も9月1日がやってまいりました。42歳にもなって、泣きながら(?)夏休みの宿題をやっとこさ終えたところです。

「入り口型サイト」の登場

今夏は酷暑でしたので、年々(読み上げ時間が)長くなる自治体サイトにおののきながらの調査開始でしたが、短いサイトというものも登場していました。具体的に言いますと、静岡県高知県のようなサイトです。少し前に神戸市が話題になったように記憶しています。「入り口型サイト」とでも名づけましょうか、トップページに多くの情報を持たせず、入り口としての役割を持たせたものです。見える人には画像でそのまちの雰囲気を伝えているのかもしれません。いいか悪いかと問われると、「別にいいんじゃない」と言うしかありませんが、音声ブラウザで閲覧したときの味気なさは否めません。来年あたりもう少しこうしたサイトが増えて、3、4年続いて減っていくのではないかと予想します。

タイムラインなるものの扱い

一方、おののく方のサイトというのは、TwitterやFacebookのタイムラインをトップに配するタイプのものです。こちらはピークが過ぎたのか減ってきた印象です。「百聞は一見にしかず」の逆ですが「百見は一聞にしかず」ですので、タイムラインご採用の都道府県、政令市のウェブマスターは、一度自分のところのトップページを音声ブラウザで聞いてみるといいです。最後まで聞くのがとってもつらいことがわかると思います。そして、次に東京都のトップページを同じように聞いてみてください。なるほどと思えるはずです。

カルーセルパネルって言うんですって

見える人たちはあまり気にならないと思いますが、音声ブラウザ利用者は「そうそう、あれウザいよね」と共感し合える部分が自治体サイトにはあります。見える人でも、音声ブラウザでの閲覧が可能な方は、都道府県から5つくらいランダムにトップページを聞いてみると気づくと思います。いくつかの画像が仕込まれていて、何秒ごとかに画像が変わる仕掛けになっているところです。これをカルーセルパネルって言うんですって。見えない人には写真は見えないんだからこれでいいじゃんと思うか、見えない上にウザい思いさせてごめんねと思うかはそのまちのウェブマスターのセンスですが、では、見える人に見てもらえているかということを考えるといかがでしょう。仕掛けからすると、画像の枚数 × 10秒(くらい?)トップページに滞在してもらわないと全部見てもらえないわけですよね。別に全部見てもらおうと思ってないしというのはそのまちのウェブマスターのセンスですが、一音声ブラウザ利用者としては、とっておきを一つ表示して適切なalt属性をつけてもらえたらなと思います。それを月ごとまたは季節ごとに変える方が、乙で粋というものです。

ウェブマスターに権限を

何かとウェブマスターのセンスのせいにしてきましたが、これらはウェブマスターに相当な権限がないとできませんね。あとは新しい地図じゃないけれど、Twitter担当、Facebook担当、インスタ担当、Youtube担当、ついでに音声ブラウザ担当(視覚障害1級の雇用になりますしね)……というように、それぞれの情報に専任できるような体制をつくることができると理想的です。とても大変なことなのでしょう。この巨大な組織の情報を日々束ねているみなさんに感謝します。

熊本市

「ダメなALT」と考えられる画像

熊本市には「ひごまるコール」というコールセンターがあります。その対応時間は画像では8時から20時、代替テキストでは8時から21時と差があります。他のページを見ることでどちらが正しそうか類推できるとは思いますが、速やかな修正が必要な部分と感じます。

福岡市

「ダメなALT」と考えられる画像

「福岡市LINE公式アカウント」の友だち数の数位を示したグラフです。記事の主題としては、本文に記載のとおり8月24日に100万人を突破したことだと思います。その参考として掲載されているグラフとは言え、代替テキストを「友だち数推移」だけにするのではなく、開始翌日に約10万人、開始一年で約32万人ということも代替テキストとして反映させることが望ましいでしょう。

北九州市

「ダメなALT」と考えられる画像

北九州市に来てもらう、住んでもらうためには他都市に対する優位性を打ち出すことが必要だと思います。この画像のように「子育てしやすい街 第1位」であることやここには挙げていませんが「オトナが住みたい街 第1位」であることもより伝わるようにすべきですが、どちらにも代替テキストがありません。大事なところだからこそ画像で強調したいはずです。であれば、代替テキストがいらないわけありません。

広島市

「ダメなALT」と考えられる画像

自治体サイトに広告が掲載されているケースは数多くあります。代替テキストという意味でいうと「広告:○○○○」(○○○○は社名・サービス名)が一般的でしょう。広島市では、広告代理店が広告枠の管理をしているようです。本来、広告募集中の枠にはその旨が記されるのですが、ここでは「株式会社ホープ」とあります。視覚的には広告募集中となっていながら、代替テキストとしては代理店自信の宣伝につながっていると考えられる状況と言えます。

岡山市

「ダメなALT」と考えられる画像

画像は、この調査結果ページに掲載する際に縮小したのではなく元々この大きさです。ですので代替テキストがどうということではなく、一部の文字しか読むことができません。そして、読むことができる文字以上に代替テキストとして表現されているという珍しい状況です。この画像を作成した方は、文字を読むことができるのでしょうか。

神戸市

「ダメなALT」と考えられる画像

親がこども2人を自転車に乗せているイラストです。「ひとり親家庭への支援」ページへの掲載ですので意味があるとも考えられるでしょうし、装飾であると見なして代替テキストを空にするのもありだと思います。神戸市ではそのどちらでもなく「 」(全角スペース)を用いています。どのような意図があるのか、どのような利用者にメリットがあるのか気になります。

堺市

「ダメなALT」と考えられる画像

窓口を示すイラストに対して「窓口のイラスト」という代替テキスト。何ら問題ないように思われるでしょう。ですが、このアイコンが「やさしいにほんご」のページであったら状況は変わると思いませんか。実際に、このアイコンが置かれているページでは、「窓口」という言葉ですら、「窓口(まどぐち)<手続き(てつづき)をするところ>」と説明しています。対象者の語彙・読解レベルに合わせたコンテンツということであれば、代替テキストであってもそうすべきと考えるのが自然ではないでしょうか。

大阪市

「ダメなALT」と考えられる画像

大阪市が発行する電子書籍の中の一つ「市民防災マニュアル」の表紙です。表紙をクリックすると電子書籍が閲覧できるようですが、この画像の代替テキストは空です。表紙画像下部にはテキストがありますがこのテキストにはリンクが設定されていません。代替テキストをこのままにするのであれば、テキストをリンク範囲に含めるという手法もあるので検討されるとよいでしょう。

京都市

「ダメなALT」と考えられる画像

「ブロック塀等の除去工事の費用に対する助成制度はこちらから」と明確な意味を持ったリンク画像ですので、この場合の代替テキストは画像上の文字列と同じにすべきだと考えます。現在の代替テキストは、「 」(全角スペース)です。ここに、どのような意図があるのか、どのような利用者にメリットがあると考えているのか気になります。

名古屋市

「ダメなALT」と考えられる画像

ページ内にimg要素がかなりの割合で使われています。代替テキストは画像上の文字と全く同じになっているものが多いのですが、とてもまわりくどいと感じたのが例示の画像です。画像には「名古屋市からのお知らせ」であるのに対して、代替テキストは「名古屋市からのお知らせを表示。お知らせ枠を表示するための画像ボタン」となっていて動きの説明までしていることが過剰に思えます。これによって何かが伝わりやすくなるのでしょうか。

浜松市

「ダメなALT」と考えられる画像

代替テキストには「ものナビ」とだけ記されていますが、実際は「SOU|浜松ものづくり企業ナビ」というサイトへのリンクです。浜松市のトップページに並ぶ他のリンク画像は、画像上に記された文字が忠実かつ適度に表現の調整がされた状態になっているものが多くあります。ですが、その状況から判断するとこの「ものナビ」だけはとても抽象度の高い代替テキストになっています。サイト表現の雰囲気に合わせるというケースがあるかもしれませんが、そもそも何かわからないところにアクセスはしないので、より具体的な代替テキストをつけるべきです。

静岡市

「ダメなALT」と考えられる画像

静岡市立登呂博物館で行われている企画展「富士山がみえる」の紹介画像です。代替テキストには「富士がみえる」としか表現されていませんので、静岡市内の至るところから富士が見えるという状態を示しているだけかも知れませんし、隠れミッキーのようにまちのどこかに富士山の形状が現れるということかも知れず、内容は全くわかりません。というより、企画展の名称が正しく掲載されないというのはいかがなものでしょうか。

新潟市

「ダメなALT」と考えられる画像

URLから判断しますとこのページは2017年7月に作成され、その時点では、コンビニ交付サービスを実施していなかったものと思われます。その後、コンビニ交付サービス実施に合わせて画像の差し替えはしたものの、代替テキストは置き去りにされたということでしょう。代替テキストは、画像上の文字や通常のテキストと比べると意識する機会が少ないと思いますので、忘れず更新をしていただきたいと思います。

相模原市

「ダメなALT」と考えられる画像

マスコットキャラクターのページであっても代替テキストが「イラスト」など具体性に乏しい言葉の場合、何が描かれているかを想像するのは困難です。もし、キャラクターそのものが描かれているのだとすれば、モチーフや雰囲気、色合い、複数いるのか、人間っぽいのか動物っぽいのかなどを詳細に記すようにしてください。そうしないとせっかくのキャラクターが埋もれてしまうことになるでしょう。

川崎市

「ダメなALT」と考えられる画像

「市長の部屋」にあるタイトル画像です。もし、この画像に適切な代替テキストを設定するのであれば「市長の部屋 川崎市長 福田紀彦」とすべきですが、市長の姿も含まれていますのでそれを代替テキストに反映すべきかは難しいところだろうと思います。ただ、川崎市のように市長がいないことにされているのは適切ではないと考えます。

横浜市

「ダメなALT」と考えられる画像

「ロゴマークです。」だそうです。ロゴマークを定める企画があり、その結果を掲載する場合には「ロゴマーク」が代替テキストとして適切なこともあると思います。ですが、この場合はそれには該当しませんし、何よりも「このロゴマークです。」と言っている画像がリンク先で使われている状態が確認できません。「横浜市」と求人検索サイトそれぞれの「ロゴマークたちです」。」という意味でしょうか。

千葉市

「ダメなALT」と考えられる画像

これは「ピーナッツのキャラクター2」。ほかにもピーナッツのキャラクター1とピーナッツのキャラクター3はいますが、数字で区別するしかない状態です。姿かたちや3体の並びなど視覚的な情報から判断しますと、1:父、2:母、3:子だと思われます。ですが、ピーナッツのキャラクターが総勢何体かわからないうえ、文字画像に紛れている場合にはキャラクターの存在が認知できない状態なので、意図的に数字だけで区別していることが分からない限り、代替テキストからその状況を知るのは困難だと思います。

さいたま市

「ダメなALT」と考えられる画像

ページの上部に、英語版、韓国語版、中国語版コンテンツへの入口が設けられています。画像上はEnglish한국어中文と記されていますが、代替テキストはそれぞれEnglish、Hangeul、Chineseになっています。画像に記した内容の方が望ましいのであれば、代替テキストもそうすべきではないでしょうか。両者を異なったものにするメリットは何でしょうか。

仙台市

「ダメなALT」と考えられる画像

ダメなalt、いいalt、ほぼ同じ画像が並びました。どちらも「仙台市政だより9月号」で、ダメな方は青葉区、いい方は宮城野区です。同じように見えても区が変わるとルールや運用スタイルが変わるということでしょうか。リンク先はどちらも同じですのでこの先に進めば区ごとの差は生じないわけですが、「1809ao」よりも「9月号表紙」の方がわかりやすいですよね。

札幌市

「ダメなALT」と考えられる画像

札幌市消防局が作成している「とっさの時の救急ガイド」です。代替テキストとしてナント「代替テキスト」と入っています。「画像を使うときは必ず代替テキストを入れましょう」とよく言われますが、本当に「代替テキスト」と入っているケースはまれです。折角見つけましたので、修正していただけるとうれしいです。

沖縄県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像には「沖縄県庁広報課公式Twitter」と書かれています。ですので、代替テキストが「twitter」であればやや雑とは感じるもののダメとまではしなかったと思います。気になったのは「2」です。ついでに言いますとすぐ下には「henoko2」があります。こちらは「辺野古問題最新情報」の画像です。「twitter」ではなく、なぜ「twitter2」なのでしょうか。何の2でしょうか。

鹿児島県

「ダメなALT」と考えられる画像

「さくらじまんとGO!かごしまキッズサイト」というこども向けページへのリンクボタンです。画像とテキストが併存している場合には、画像の代替テキストを空にしたうえでリンクを設定することがありますが、ここでは画像しかありません。そのため、閲覧環境によってはリンクがあることが認識できないケースもあります。

宮崎県

「ダメなALT」と考えられる画像

宮崎ひなた移住倶楽部では会員カードを提示することで様々な特典があると、画像上では示しています。一方、代替テキストでは「会員か0度の提示」と書かれています。画像上の「会員カード」を目にした今となっては間違いであることはわかりますが、「会員であること」もしくは「0度」、つまり、宮崎ひなた移住倶楽部の人が所持している何かを使い切った状態のものを持参すると特典が受けられると解釈できなくもありません。いや、ないと思います。ないと思いますが、「カイインカゼロド」と聞こえてきて、「会員カード」とすぐには理解できないはずです。

大分県

「ダメなALT」と考えられる画像

「One Rugby, One Oita大作戦」という言葉から、ラグビーワールドカップの試合日程が記されていることを想像できる人はいないでしょう。しかも、その画像の中には「One Rugby, One Oita大作戦」が記されているわけでもありません。リンク先に進んでみると、One Rugby,One Oita大作戦の説明が画像としておかれていて、代替テキストには「大作戦」とだけ書いてあります。で、試合日程は書いてありません。どこで何を伝えるのか整理が必要でしょう。

熊本県

「ダメなALT」と考えられる画像

「ふるさと」と書いて「ふるさと納税(ふるさと熊本応援寄附金)」と読むということのようです。このボタンの上下には計5つのボタンがあるのですが、ほかはどれも画像上の文字と代替テキストが完全に一致しています。文字数の都合かなと思われる方がいるかも知れませんが「熊本城・阿蘇神社等被災文化財復興支援金」もありますので、文字入力のめんどくささ(?)によるものではないと思います。「USB」と言ったら「USBメモリ」のことを指すようにもなっていますし、「ふるさと」で通じるのでしょうか。

長崎県

「ダメなALT」と考えられる画像

2022年度開通の九州新幹線西九州ルートの車両イメージが示されています。が、代替テキストには「ホームページ用」としか記されていませんので全くイメージが伝わりません。ファイル形式ですとか、レイアウト情報、ページ内での文書構造上の役割などではなく、1つの「コンテンツ」として、伝えるべきことを記すようにしてください。

佐賀県

「ダメなALT」と考えられる画像

「佐賀県 人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」が一つの画像に収まっていますが、代替テキストには「佐賀県」だけが反映されています。そもそも、団体名とキャッチフレーズを同じ画像の中に収めることが妥当ではないかもしれませんが、現状、「人を大切に、世界に誇れる佐賀づくり」が全くテキストに現れてこないので、もっと大事にすべきなのではないかと感じます。

福岡県

「ダメなALT」と考えられる画像

九州地方知事会や九州地域戦略会議で取り組む事業などで用いる「九州ロゴマーク」が決まり、それをどのような活用をしてきたかが報告されています。会議会場であったり、知事がPRしたりということもあるようですが、この「土産」という代替テキストがついた写真は、会議来場者向け配布物の袋にロゴマークを入れたということを示しています。「土産」だけでなく「ブース」「柱」「知事」のように端的に表現される傾向にありますが、もっと心地よい表現があるように思います。

高知県

「ダメなALT」と考えられる画像

こうちけんには色々なこうちけのページがあり、こうちけとこうちけんとが(特に音声ブラウザでは)区別しづらいかもしれません。「高知家は、いろんな家族で大家族」という画像に「高知家バナー」としかしていないこと、「高知家バナー」と「高知家で暮らす。バナー」が近い位置にあることなどを考慮すると、もうすこし丁寧に代替テキストの設定や表示順なども考えられるといいように思います。

愛媛県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像内の文章がすべて代替テキストに反映されず途中で切れています。長い文章をalt属性値とすべきではないということはありますが、文章の切れ目すら無視して64文字で切るというのは正しい処理とは思えません。ただ、修正するのであれば、この場合、すべてを代替テキストに反映するというよりは、画像をやめてテキストにすることが望ましいと感じます。

香川県

「ダメなALT」と考えられる画像

「香川県住宅耐震ポータルサイト」のサイトロゴです。このサイトのトップページには、「香川県住宅耐震ポータルサイト」と正しい代替テキストが入っているのですが、別のページに行くと「空」になってしまいます。このサイト内の画像を見てみると、代替テキストをつけるべきところ、空にして問題ないところが意識されているように思うのですが、このロゴの扱いについては疑問です。

徳島県

「ダメなALT」と考えられる画像

こういう大事なキャンペーンの代替テキストを空にしているようでは、東京と戦えませんよ。

山口県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像は山口県のキャラクター「ちょるる」が頭を下げています。普通のコンテンツの中ではなく、404エラーページに登場する貴重なちょるるなのですが、代替テキストにも「ちょるる」とだけ記してあります。キャラクター名を代替テキストに入れることは間違っていませんが、エラーが生じた状況で折角頭を下げているのですから「ごめんなさいをするちょるる」という代替テキストにするのがおすすめです。「謝罪するちょるる」ではちょっと重いので。

広島県

「ダメなALT」と考えられる画像

この画像の直前には「3つの視点」という見出し(テキスト)があります。3つの視点がテキストで記されたうえで、この代替テキストであれば意味は伝わるのかもしれませんが、当該ページでは、画像の後「こうした取組により様々な成果や変化が現れています。」と記されます。画像の中身を説明していないにも関わらず、説明したことになっているというのは好ましくありません。

岡山県

「ダメなALT」と考えられる画像

観光課ページの関連リンクとして、様々な言語で作成されたバナーが並んでいます。画像上はいろんな言語なのですが、どの言語の画像も代替テキストは日本語で「岡山県多言語観光サイト」としっかり書かれています。

島根県

「ダメなALT」と考えられる画像

「タイトル」ではなく、どんなタイトルなのかを代替テキストとして示してください。「しまねの原子力行政 原子力安全対策課」これを画像の代替テキストの欄にコピー&ペーストしてください。

鳥取県

「ダメなALT」と考えられる画像

鳥取県のキャラクタートリピーが生誕20周年を記念した座談会をしています。トリピーやおまつりトリピー、花トリピーなどが話をしているのですが、なぜかトリピーのアイコンだけ代替テキストがないので、誰が何を話しているのかよくわからなくなっています。

和歌山県

「ダメなALT」と考えられる画像

「和風」「和装」という言葉はありますが「和農」という言葉は初めて聞きました。画像には「和歌山県 農業編」とありますので、その略語なのでしょう。このように代替テキストに自家製略語を押し込むのはやめていただきたいと思います。同じページの中には、和林、和水、逆農、逆林、逆水もありますがいずれも初耳です。ちなみに「逆農」は「逆引き辞典 農業編」です。

奈良県

「ダメなALT」と考えられる画像

「7月9日に行われた奈良県いっせい地震行動訓練」が「平成30年 NaraShakeOut」と表現されています。画像とテキストの両方を得ることで「平成30年7月9日」であることがわかるなど、テキストと代替テキストの両方が少しずつ情報が不足しています。画像内に必要な情報を記す。それをもれなく代替テキストに反映する。基本はこの2つです。お互いを補完しあうことでようやく一つの情報になるといったことは避けられるべきです。

兵庫県

「ダメなALT」と考えられる画像

9月9日に、兵庫県立人と自然の博物館で行われるイベントタイトルのはずが「hansin」となってしまいました。画像内の情報はページ本文にほぼ記されていますので、取得できる情報量に差はないと思われがちですが、画像内の情報を認識できる場合に限って情報に差がないことがわかるのですから、代替テキストを記さなかったり、省略したりということは避けるべきと考えます。

大阪府

「ダメなALT」と考えられる画像

当該ページの事業は、大阪府が推進するSDGs(持続可能な開発目標)には17のゴールがあり、「10 人や国の不平等をなくそう」というゴール達成に寄与するのだそう。何も入っていないのならともかく、「hitoyakuninofubyoudouwonakusou」と、入力をしたということは、正しい代替テキストを付与する意識はあったと思うのですが、なぜこのようになってしまったのでしょう。

京都府

「ダメなALT」と考えられる画像

京都府のキャラクターまゆまろが「そのバイト大丈夫?」とブラックバイトへの注意を呼びかけています。指摘箇所では「ブラックバイト相談窓口」というテキストリンクとこの画像が同じa要素(リンク要素)に収められています。そのため、両者の表現内容が同じであれば、代替テキストを空にすべきとは思いますが、この場合は画像に記される情報も付加する方がバナーが設置されている意義・意図が明確になるのではないかと感じます。

滋賀県

「ダメなALT」と考えられる画像

文章が画像化されていることは少なくありません。このコンテンツも「滋賀を写真で面白く SHIGAPHOTOCLUB」というものですので、全体が画像で構成されるであろうことは想像に難くありません。ですが、ここに挙げた「text」だけでなく「title」「top」「rogo(原文ママ)」のように、代替テキストを「ここにこういう役割の画像が入ります」という目的で使用されているのを2018年の公的サイトで目の当たりにするとは思いませんでした。

三重県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像は犬の写真です。同じページ内にはこの写真のすぐ右にネコの写真もあります。そちらも同じく代替テキストは「左寄せパターン」になっています。犬の譲渡、猫の譲渡に関するコンテンツなので写真を置く意味はわかりますが、代替テキストにレイアウト情報(?)が入るというのは異質です。もし、三重県が導入しているCMSの仕様でこうなってしまっているのだとしたらすぐ改修してほしいです。

愛知県

「ダメなALT」と考えられる画像

女子中高生による理系大学・企業取材ツアーの紹介コンテンツ。5コース各20人の計100人が定員であることが画像からわかるのですが、それを集約した結果「バス100人」という日本語の助数詞の概念をも吹き飛ばした表現になってしまっています。

静岡県

「ダメなALT」と考えられる画像

代替テキストが「マイナンバー問合せ先」だけでは情報不足で、少なくとも「フリーダイヤル 0120-95-0178」は代替テキストとして表現すべきです。ですが、そもそも画像内の文字が小さく不鮮明なのでこの画像は使用されないことをおすすめします。大きな画像を改めて作成するぐらいなら、テキストで入力された方が、早くかつアクセシブルなので、ぜひテキストでの掲載をお願いします。

岐阜県

「ダメなALT」と考えられる画像

「ぎふの旅ガイド」が「岐阜の度ガイド」になっています。単なるケアレスミスと言いたいところですが「岐阜の旅ガイド」だったらいいかというとそうは思いません。「岐阜」は「ぎふ」にすべきではないかと思います。岐阜県の公式サイト自体の名称も「清流の国 ぎふ」となっていることもありますし、「岐阜」と「度」の両方を修正することをおすすめします。

長野県

「ダメなALT」と考えられる画像

長野県が文教大学と学生UIターン就職促進に関する協定を締結した際の様子を収めた写真です。ですが、そのことはテキストで記されていますので、どのような場面か、誰が何をしているところかなどを代替テキストで表現することがより望ましいです。いいaltの方も同じ「ほっとフォト信州」に収められた画像ですが、こちらのように場面が明確に示せるといいですね。

山梨県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像の上の文字を「あぶない」と読むか「ぶいあな」と読むかはさておき、ブロック塀の点検に関するページへのリンクボタンとして用意されたものです。代替テキストは「注意喚起画像」。注意を喚起する目的の画像であることは確かですが、なぜ代替テキストになると急に役割を説明しだすのでしょうか。(「あぶない」が適切かは微妙ですが)画像に書かれたものと同じ文字を表現すればいいのではないかと感じます。

福井県

「ダメなALT」と考えられる画像

新着情報一覧のタイトルのすぐ横に、その記事のカテゴリを表す画像が付与されています。画像上には「医療・福祉」と書いてあるのですが代替テキストは「感染症・保健衛生」となっています。CMSから記事が登録されたカテゴリを自動で出力していると思われますが、画像の方が一つ上の階層を表示しているようです。「観光・文化」なのに「福井ブランド」、「県政情報」なのに「暮らし・経済」と混乱しています。

石川県

「ダメなALT」と考えられる画像

Instagramのテキストがそのまますべて(br要素も)代替テキストに収まっています。わりと衝撃的。

富山県

「ダメなALT」と考えられる画像

富山Uターンガイドという本体とは別デザインのサイトです。きれいにできているのですが、まさかの「検索」実行ボタンの代替テキストが空です。求職者向けと、企業担当者向けの2つの検索フォームが並んでいるのですがどちらの検索実行ボタンも同じようになっています。alt属性自体を付け忘れてしまったのではなく、属性値が空なのですが、何らかの意図があって行っているのでしょうか。

新潟県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像上ではトップページを見た時点で緊急情報があることが判明しますが、代替テキストは「防災情報へリンク」と記されているため緊急情報の有無が判別できません。このことは本調査で長年指摘しているのですがいまだに解決されていない様子。ただし、以前は緊急情報があってもなくても「状態表示画像」という代替テキストでしたので、状況は改まりつつあるのかもしれません。

神奈川県

「ダメなALT」と考えられる画像

ともに生きる社会かながわ推進「週間」ページにいくための「ボタン」ということのようです。周辺に同じ形式のリンクボタンがいくつかあり、同様に代替テキストをつけるならば「普及啓発ボタン」「取組ボタン」「あつまれボタン」などと表現されると思いますが、そうなってはいません。なぜここだけこのように特殊な代替テキストになったのかが不思議です。

東京都

「ダメなALT」と考えられる画像

いわゆるPDCAサイクルの模式図を、上下左右に4分割したために、おかしなことが起きています。左下から時計回りに、1.PLAN、2.DO、3.CHECK、4.ACTIONと回るため、音声読み上げでは、2→3→4→1の順に読み上げられます。さらに、「2.DO」などは代替テキストに反映されていないため、「取組状況」「実施状況レビュー」「冊子・計画内容」「政策の強化」しか把握できません。各詳細が伝わればよく、PDCAサイクルであることや順序は情報として不要ということかもしれませんが、であれば、なぜ、そう表現したのでしょう?という話にもなり、変な感じがします。

千葉県

「ダメなALT」と考えられる画像

文字画像に対する代替テキストは、記されている文字をすべて反映させることが原則だろうと思います。ですので「都市ボランティア」だけではなく、「9/12~応募受付!」も反映させるべきでしょう。さらに「9月12日から応募受付!」などに表現を改めることで、より意味を取得しやすくなる方が増えるかもしれません。

埼玉県

「ダメなALT」と考えられる画像

グラフに対して、代替テキストでどこまで表現すべきかは、掲載者の意図、グラフの情報量、受け手の好みによって異なる考えがあると思います。それでも「zu-jyusyubetsu」が適切と言えるケースは皆無なのではないでしょうか。私ならば、「樹種別森林面積の円グラフ:多い順に、広葉樹43%、スギ33%、ヒノキ17%、マツ類、竹林・その他と続きます。」とでもするでしょうか。

群馬県

「ダメなALT」と考えられる画像

女性の顔2つが並んだイラストに対して代替テキストが「女子の画像」。もちろん間違ってはいませんが「女子の画像」ってことを伝えたいのでしょうか。画像下部には「アサーション・トレーニング」とあり、それはコミュニケーションスキルの一つとのことですから、複数の人が描かれているのは理解できます。でも、だからって「女子の画像」って。

栃木県

「ダメなALT」と考えられる画像

ダメなalt、いいalt、ともに「明るい選挙啓発ポスターコンクール」から見つけてきました。ダメなaltは平成27年度、いいaltは平成26年度です。正直言うと、いい方もそれほどいいものではないのですが、せめて昨年度同じようにしてもらえれば、ダメではなかったのにということで対比掲載しています。同じコンクールの情報なのに毎年表現形式が異なっています。県としてどのようなルールになっているのかわかりませんが、文書構造・書式だけでなく、代替テキストについてもいい状態を続けましょう。

茨城県

「ダメなALT」と考えられる画像

茨城県出身のお笑いコンビ「カミナリ」の写真なので「カミナリ写真」です。まぁ、そうですね。間違ってはいません。カミナリが「いばらき大使」であることが周知されていて、誰もがこの2人を想像できるというのであれば話は別かもしれませんが、「急にカミナリって言われても、なんのことだかわがんねーな!」とツッコミたくもなります。

福島県

「ダメなALT」と考えられる画像

福島県農林水産物の魅力発信サイト「ふくしまプライド。」、そのバナーの代替テキストが「ふくしま新発売。」になっています。福島県トップページの右カラムには常にたくさんのバナーが並んでおり、定期的にそのラインナップが変わっていますが、両者が入れ替わる際、画像とリンク先は変えたものの、代替テキストが残ったのではないかと思います。画像が表示されている状態では、代替テキストは見えませんので注意が必要ですね。

山形県

「ダメなALT」と考えられる画像

この画像、title属性は「出羽三山シンフォニーのリンク」ですが、代替テキストは空です。仮にtitle属性値と同じ文言が代替テキストだった場合でも、コンサートの案内であることが案内されていませんし、コンサートの日程、会場、入場料など画像上に示されている情報を補うことができません。今示されている情報からでは、「出羽三山シンフォニー」というオーケストラのウェブサイトへの誘導としか読み取れない状況に留まっています。

秋田県

「ダメなALT」と考えられる画像

秋田県就活情報サイトの画像リンクに設定された「こっちゃけ」。これは秋田の方言で「こっちに来て」という意味だそうですが、それだけ言われても何のことかさっぱりわかりません。ロゴをよく見ると「こっちゃ、け!」になっていますし、なんのこっちゃけという感じがします。

宮城県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像上には「おいしい塩ecoレシピ 病院編」と記載。代替テキストはかなり省略されて「塩エコ病院」になっています。このページによると、塩を節約することを塩ecoと呼び、高血圧を防ぐそうですが、勝手な文字エコされるとむしろ高血圧になってしまいそうです。「病院編」以外にも「保育所編」「社食・学食編」とありますが、それぞれ文字エコされていますので「塩エコ保育所」「塩エコ社食」に変わっています。認知度の低い(と思われる)言葉をさらに省略してわかりにくくするというのは正しい行為とは思えないのですが。

岩手県

「ダメなALT」と考えられる画像

工業用水道キッズページの一つです。「みずりん」と「みどりん」が会話をしながら工業用水道について紹介してくれるようなのですが、「はじめまして」と言ったきり話が前に進みません。ほかのページに進むことはできるので進んでみると「工業用水ってなに?」「工業用水はどうやって作っているの?」「みずはどこからやってくるの?」といった質問ばかりが続き、まったく内容に踏み込んでくれないまま「おわり」と告げられます。このまま水に流せばいいのでしょうか。

青森県

「ダメなALT」と考えられる画像

「よくわかる青森県」という毎年度刊行されるガイドブックがあり、その「平成27年度版」が代替テキストでは「平成26年度版」になっています。間違いといってしまえばそれまでですが、yokuwakaru25、平成26年度版、平成26年度版、平成28年度版、平成28年度版と、数年来ずっと不安定なのが気になります。

北海道

「ダメなALT」と考えられる画像

画像は、青空とひまわりの前でニッコリ微笑む高橋知事のイラストですが、代替テキストによると季節は冬とのこと。北海道の冬は厳しいと思っていましたので、高橋知事が薄着なのも心配になります。季節ごとに画像を変更するのであれば、代替テキストの更新もお忘れなく。