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調査概要

有限会社ユニバーサルワークスは、47都道府県・20政令指定都市の自治体公式サイトを対象に、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2021」を実施しました。今年で19回目となる今回のテーマは「『みんなの公共サイト運用ガイドライン』への対応」です。

2016年に、ウェブアクセシビリティに関する公的規格『JIS X 8341-3:2016』が改正・公示されました。それを受けて総務省は『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』を公開しています。『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』では、公的機関のウェブサイトに「ウェブアクセシビリティの確保」として、速やかにウェブアクセシビリティ方針を策定すること、2017年度末を目安にAAに準拠することを求めてきました。また、「取組内容の確認と公開」も求めています。

規格の公示、ガイドラインの公開から5年が経過し、自治体公式サイトにある情報と取り組みの実態の不一致や、総務省が目安としていた2017年度末を境とする取り組みの停滞が垣間見えます。

そのようなことから今回は、自治体公式サイトにおけるウェブアクセシビリティ方針の策定状況、試験の実施状況を調査することにしました。

この調査が、『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』で求められている、ウェブアクセシビリティへの更なる取り組みの推進に寄与できると幸いです。

調査方法

47都道府県・20政令指定都市の公式サイト内に設けられたウェブアクセシビリティに関連するコンテンツを評価者(視覚障害者および健常者)が閲覧し、調査内容・観点に基づき調査しました。

調査内容・観点は以下の文書に基づくものとします。

  • JIS X 8341-3:2016
  • みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)
  • ウェブアクセシビリティ基盤委員会等が示す関連文書

調査内容・観点

調査内容と観点を以下に記します。

ページタイトル

調査対象サイト内のウェブアクセシビリティに関するコンテンツの名称を記しています。

対象コンテンツが複数のページで構成されている場合は、ウェブアクセシビリティ方針を含むページや全体像が把握しやすいページを選択しています。

ウェブアクセシビリティ方針

方針の有無

「ウェブアクセシビリティ方針」の公開を「あり」「なし」で記しています。

『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』に則ったものであるかを確認しています。
ウェブアクセシビリティに関するコンテンツが存在する場合でも、目標とする適合レベルや取組範囲が記されていない場合は「なし」としています。

目標達成期限

「ウェブアクセシビリティ方針」に記されている目標達成期限を記しています。

本来は未来の日付が記されているはずですが、調査対象サイトに過去の日付が記されている場合はその期限をそのまま記しています。

目標とする適合レベルと対応度

「ウェブアクセシビリティ方針」に掲げている目標の適合レベルと対応度を記しています。

JIS X 8341-3:2016に定められる適合レベルA・AA・AAAのうちのいずれかに対して、ウェブアクセシビリティ基盤委員会が示す「ウェブコンテンツの JIS X 8341-3:2016 対応度表記ガイドライン」による対応度(準拠・一部準拠・配慮)を抜き出しています。

なお、旧規格(JIS X 8341-3:2010)に基づく「等級」または「達成等級」の表記を用いている場合や独自ガイドラインを基準としている場合には、それらの自治体の表現をそのまま引用しています。

JIS X 8341-3:2016に基づく試験

試験実施の有無

ウェブアクセシビリティに関する試験実施の有無を「あり」「なし」で記しています。

JIS X 8341-3:2016には試験方法に関する規定は存在しませんが、「附属書JB(参考)」に基づく試験結果や、各社が提供する評価サービス等の結果が確認できた場合に「あり」としています。

直近の試験実施期間

ウェブアクセシビリティに関する試験の実施期間を記しています。

複数の試験結果が掲載されている場合は、直近の試験実施時期を抽出しています。

達成した適合レベルと対応度

直近の試験結果に示されている適合レベルと対応度を記しています。

JIS X 8341-3:2016には対応度の規定がありませんので、試験結果に「AA」「A」と記されている場合は「AA準拠」「A準拠」と書き換えています。

調査対象サイトの試験結果にある表示と、今回の調査で達成基準チェックリストなどの付属資料から得られる結果に差が生じていると考えられる場合は、両者を以下のように併記します。
例:AA準拠(※A一部準拠)

また、調査対象サイトの試験結果に適合レベルと対応度が記されていないが、今回の調査で資料から結果が読み取れる場合は、以下のように記します。
例:(※A一部準拠)

取組内容の確認と公開

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」公開の有無

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」の公開を「あり」「なし」で記しています。『みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)』が求めている年1回の実施がなされているかを確認しています。

直近の確認・評価時期

「ウェブアクセシビリティ取組確認・評価表」の表明日を記しています。

評価コメント

評価者からのメッセージです。
規格文書等に対して誤った解釈となっている点、表現を改めるべき点、今後の取り組みを進める中で優先してほしいことなどを記しています。