有限会社ユニバーサルワークスは、47都道府県・20政令指定都市の自治体公式サイトを対象に、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2025」を実施しました。今年で23回目となる今回のテーマは「防災・災害情報とアクセシビリティ」です。
災害時の情報発信においては、いかなる利用者も必要な情報に確実にアクセスできることが求められます。公式サイト上に点在する防災・災害情報の探しやすさ、そこから導かれる防災コンテンツの位置づけと導線、さらに防災コンテンツ内でのアクセシビリティ上の配慮が、住民の安心と安全に直結します。
本調査では、各自治体の公式サイトにおける防災・災害情報の導線や構成、防災コンテンツのアクセシビリティ実装を点検し、実際に利用者が遭遇する課題を抽出しました。特に「見つけやすさ」「操作しやすさ」「読みやすさ」の観点から、防災・災害情報のアクセシビリティを整理しています。
この調査が、災害時に誰一人取り残さない情報提供体制の構築に寄与することを願います。
調査方法
47都道府県・20政令指定都市の公式サイトおよび防災コンテンツ(防災・災害情報を集約するカテゴリや特設サイト等)を調査対象としました。評価者(視覚障害者および健常者)が閲覧し、調査観点に基づき確認を行いました。
特に以下の点を重点的に確認しました。
- 公式サイトから防災コンテンツへの導線
- 防災コンテンツのリンクラベルの表現の適切さ
- 防災コンテンツのアクセシビリティ課題
調査対象の特定
以下の基準に基づき調査対象とする防災コンテンツを特定しました。
- 公式サイト内で防災・災害情報を集約するカテゴリページや特設サイトを対象としました。
- 複数の防災コンテンツが存在する場合は、公式サイトから主要導線で案内されているものを優先して対象としました。
- 「○○災害ポータルサイト」「○○防災ポータル」など、名称に「ポータル」を冠したコンテンツが存在する場合は、それを調査対象としました。
- ハザードマップや気象情報専用コンテンツなどは対象外とし、災害・防災に関するコンテンツを広く取り扱っているものを対象としました。
- 特定の災害に対応する目的で一時的に開設された特設サイトは対象外としました。
- 以上の基準に基づき特定した防災コンテンツが、各自治体ドメイン名配下ではない場合においても除外しません。
調査内容・観点
調査内容と観点を以下に記します。
対象とした防災コンテンツのタイトル
調査対象コンテンツとみなした防災コンテンツの名称を記しています。併せて調査時点のスクリーンショットを掲載しています。
ラベルと遷移先の一致
トップページのリンクラベル
自治体公式サイトトップページにおいて、防災・災害情報への導線となるリンクラベルを記しています。リンクラベルと遷移先ページの対応関係も評価対象としました。トップページにおける防災・災害情報へのリンクを対象としており、防災コンテンツへの直接のリンクに限定しません。
遷移先ページのタイトル
前述のリンクラベルとの整合性を確認するため、同リンクから遷移した先のページタイトルを記しています。
対象とした防災コンテンツのタイトル
トップページのリンクラベルや遷移先ページのタイトルとの対応関係を確認するため、対象とした防災コンテンツのタイトルを改めて記しています。
なお、これらは三者の比較を容易にするための提示であり、三者の一致を求めるものではありません。不一致であっても、利用者にとってよりわかりやすい表現(たとえば、名称が個性的な場合に「防災情報」と簡潔に示すなど)であれば望ましい場合もあります。そのため「適」「否」といった評価は行っていません。
非干渉に該当する適合基準に対する適否
JIS X 8341-3:2016 には「非干渉」と呼ばれる考え方があり、これは特定の技術や機能を使ってもページ全体の利用が妨げられないことを意味します。
本調査では、この「非干渉」に含まれる以下4つの達成基準について適否を確認しました。結果は「適」または「否」とし、不適切な状態が見られた場合には問題箇所を示しています。
- 1.4.2 音声の制御
- 2.1.2 キーボードトラップなし
- 2.2.2 一時停止・停止・非表示
- 2.3.1 3回の閃光、又は閾値以下
コメント
評価者からのメッセージです。
公式サイトから防災コンテンツまでの導線、防災コンテンツ内で確認されたアクセシビリティ上の課題、それが利用者に与える影響について、観察内容をまとめています。