『ジャパンナレッジ』が「WCAG2.2の適合レベルAA準拠」を目指すらしい

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ジャパンナレッジリニューアルに関するご案内

ジャパンナレッジでは、今回のサイトリニューアルにあたって「WCAG 2.2(※) の適合レベル AA 準拠」を目標とし、障がいのある方や高齢者を含むさまざまな方にご利用いただけるよう、ウェブアクセシビリティの確保と向上に取り組んでまいります。

今回のコラムはこれを紹介して終わりにしてもいいくらいなのですが、そうもいかないので多少の解説を交えて続けます。

民間企業の「心意気」を歓迎する

まず、単純に一ユーザーとして非常に喜ばしい事態です。2026年2月末に会員宛てに届いたリニューアルのお知らせを読み、あまりの嬉しさに予定していたコラムのネタを急遽差し替えたほどです。

特筆すべきは、『ジャパンナレッジ』という一つの民間サービスが、最新版である「WCAG 2.2」の「適合レベルAおよびAAに準拠」することを目標に掲げた点です。

公的機関がこれを行わないとなれば、私は職務上「牙をむかなければならない」立場にあります。しかし、民間企業に対してどこまで対応を求めるかは、法律や規格を照らし合わせても判断が難しいのが実情です。だからこそ、サービス提供側の「心意気」に期待するほかなく、今回の宣言は真に喜ばしいと感じるのです。

公的機関・民間サービスを問わず、「心意気はあるが、実現方法がわからない」という方がいらっしゃれば、ぜひ当社にご相談ください。全力でサポートいたします。今回のジャパンナレッジによる案内文は、その「心意気の言語化」として非常に参考になる事例と言えるでしょう。

サービス提供者と利用者の理解の整理

さらに、この「ご案内」を読んで私が「なるほど」と感じたポイントを追記します。

このサービスは、数十もの辞書・事典がオンラインで検索できるもので、私はここ数年利用してきました。出典が明らかな情報の安心感と、特定の事典を読みたいという目的があったからです。

利用を続ける中で、「ここがこうだったらいいのに」「この事典はスクリーンリーダーでは読めないな」といった不便さには気づいていました。しかし、全盲の視覚障害者として長年ネットを利用していると、「多少の不便はあって当たり前」と、無意識に受け入れてしまう節があります。

ところが、このたびの「ご案内」を読むと、私が「仕方ない」と諦めていた不便さが、改善すべき課題として具体的に表明されていました。これは私のようなユーザーだけでなく、利用者全体にとっても有益な現状理解につながるものであり、高く評価しています。

現状の課題と今後への期待

最後に、リニューアル後の期待を込めて、私が注目している3つのポイントを挙げます。

「利用コンテンツの一覧」の追加

これまではコンテンツの一覧が見当たりませんでした。「見えないから使いこなせていないだけか」と追求を諦めていましたが、リニューアルで新たに追加されるとのこと。全ユーザーにとっての利便性向上が期待できます。

叢書、雑誌ビューアの改善

「ビューア」は、スクリーンリーダー利用者にとって最大の難所の一つです。案内には「リーダービュー機能を追加し、本文の読み上げを強化する」とありました。実際の挙動がどう変わるのか、非常に楽しみです。

「見出し」と文書構造の反映

現在はサイト全体の見出し構造が十分とは言えません。案内には「ショートカットキーでの移動をしやすくする」との記述があり、ここに適切なタグ付け(文書構造への意識)が含まれていることを切に願っています。

2026年8月のリニューアルが待ち遠しくてなりません。もちろん、結果が期待通りにいかない可能性もゼロではありませんが、まずはこの「心意気」を支持します。「ご案内」の文面から伝わってくる誠実さが形になることを、一ファンとして心から期待しています。