高知県

Lighthouseで満点、axe DevToolsで問題検出数ゼロ、miCheckerでは知覚可能が96である以外すべてで満点と、調査対象の中で最良とも言える結果を得た。一方、「高知県ウェブアクセシビリティ方針」には、目標を達成する期限として2015年3月31日までと記されたままになっているなど、平成25年以降改めた形跡がないことは残念である。

鳥取県

各ツールのスコアからも、毎年のようにJIS試験を実施し結果を公開していることからも、ウェブアクセシビリティに真摯に取り組んでいることが垣間見える。ただ、不揃いな要素配置、不均等な余白、一貫性のない配色など、視覚的な均整が損なわれていることで見つけにくさや読みにくさにつながる点があることを指摘しておきたい。

島根県

axe DevToolsで問題が検出されなかったのは、都道府県では島根県と高知県だけである。ただ、ツールで検出できない部分には問題があるようだ。画像の代替テキストには、画像に含まれるキャッチフレーズの省略や、画像に記されること以外の文言を代替テキストに付与するなど、代替テキストの過不足が確認された。

岡山県

公開されている試験結果を確認すると、適合レベルAの達成基準を満たしていないが、適合レベルAAに一部準拠が表明されている。達成基準1.1.1や1.3.2(ともに適合レベルA)について具体的な問題点を挙げていることから、適合レベルAを満足していないことを自認していると思われるので、記載は正しい内容に改めるべきである。

広島県

miChcekerの「知覚可能」のスコアが、福井県に次ぐワースト2の81であった。また、axe DevTools ではWAI-ARIAに関する問題が多種検出されている。本来用いる必要のない記述をしていないかを確認すべきだ。アクセシビリティを確保するのにWAI-ARIAが必須なのではなく、必要な場合にのみ用いるのだとの認識を持ちたい。

山口県

トップページの「知事室」「県の広報」等の領域は写真を背景に置き、前景にドロップシャドウを施したテキストが置かれている。通常時は辛うじてコントラストを確保しているように思えるが、サイトに備わる配色変更機能を用いると文字が読みづらい状態になってしまう。せっかくの機能がパフォーマンスに終わらないよう期待したい。

徳島県

2022年度のJIS試験においては、検査機関の検定試験に合格した登録検査員が試験を実施した旨が記されている。適合レベルAA準拠の結果を得たようであるが、試験対象の各ページには各種SNSにシェアするボタン等が設置されており、フォーカスインジケータが視認できないものが含まれている。この点をどう判定したのかが気になった。

香川県

Lighthouseのスコアが47都道府県中最下位の72に留まった。トップページにはX(旧Twitter)のタイムラインを埋め込んでいるが、香川県はTwitterをアクセシビリティ確保の対象から外す方針を示している。ページの一部分を除外する場合は部分適合となり、香川県が目標とする「準拠」の結果を得ることは不可能である。

愛媛県

miChcekerの4観点でひとつも100点を獲得することができなかったのは福井県とこの愛媛県のみであった。2017年に定められたウェブアクセシビリティ方針には「サイト全体のうち、以下については現時点で対象外とし、2018年度以降の対応」とあるが、2023年8月現在、対応が進んだ旨の表明はない。取り組みが停滞している印象は否めない。

高知県

フッタに「アクセシビリティポリシー」と「アクセシビリティ方針」の2つの類似したリンクがあります。
前者はアクセシビリティに対する高知県としての根本的な考え方、後者はJIS X 8341-3などの規定に沿った記載という違いがあるようです。
ですが、どちらの記述もJIS X 8341-3:2010を前提とした内容が記されていますので、県の方針として不適切であることを自覚しましょう。

愛媛県

試験は2013年と2017年に実施され、結果の記載がありますが、それ以降は行われていないようです。
この2回はいずれもウェブサイトのリニューアル直後の試験と見られます。
ウェブコンテンツのつくりが大きく変わったタイミングで試験を行うことは有効と感じますが、日々、新たなコンテンツの作成・更新があることを考慮した見直しも必要でしょう。

香川県

試験結果表示に「ウェブページ一式単位」を記載していることから、附属書JBやウェブアクセシビリティ基盤委員会が公開するガイドラインに則った忠実な記載であると感じます。
JIS X 8341-3:2016の試験方法は附属書JBに限定されるものではありませんが、勝手な解釈や基準に対する過不足がないように記載できるところが利点です。
そのような記載がされていることを評価します。

徳島県

方針や試験結果の表示が簡潔かつ明瞭です。
加えて、多くの団体が掲載している「達成基準チェックリスト」だけでなく、各達成基準を達成するのにどのような技術や手法を用いたかという「達成方法チェックリスト」も掲載しています。
どうせ公開するのです。
運用する側の方針というだけでなく、公開することにより誠実さを表明したり、利用者の利便やフィードバックを得たりなど、これからも一石を二鳥にも三鳥にもしてホームページを育てていってください。

山口県

title要素やパンくずリスト上は「山口県公式ウェブサイト ウェブアクセシビリティ方針・対応目標|山口県」ですが、h1要素は「山口県公式ウェブサイト ウェブアクセシビリティ方針について」です。
一致した表現にしましょう。
細かいところですが、その細かいところが整うことでコンテンツの信頼度を高める効果も少なからずあります。

広島県

都道府県で唯一「AAA一部準拠」を公開しており、「1.4.8 視覚的提示の達成基準(AAA)」を達成したとしています。
たとえば、この達成基準を満たすためには、1行が(全角の場合)40文字以内である必要があります。
現在は多くのページで1行40文字を超える本文レイアウトになっているのですが、2019年2月の試験実施時点ではこの達成基準を満たしていたということでしょうか。
高いレベルの準拠を表明するときほど結果や運用に正確を期さなければ、そうでないとき、またはそうでなくなったときの信頼が傷つきやすいので気をつけましょう。

岡山県

令和2年9月の試験では、達成状況「適合レベルAAに一部準拠」が示されています。
民間の試験機関が掲載している検査証明書の内容を読み取ると、Aの達成基準で達成度が100%になっている項目はないことから、「A一部準拠」相当と解釈すべきと考えます。
検査証明書の内容と県ウェブサイトの記載内容が異なっているのはなぜでしょうか。

島根県

トップページから第3階層目までと、それ以外のコンテンツで異なる方針・異なる試験を実施しているところが特徴的です。
第3階層目まではメニューページが多く、コンテンツ内に表記や表現上の問題が現れにくいことが想像できます。
問題箇所がテンプレートとコンテンツのどちらに出現するのかを見極める意味では有効な評価手法と言えるのではないでしょうか。

鳥取県

試験は2017、2018、2020の各年度に実施しているものの、方針は平成28(2016)年度の改定を最後に更新が滞っています。
この方針に記される目標を達成する期限や適合レベルが「みんなの公共サイト運用ガイドライン」に記される目安とまったく同じであることから、当時、総務省のガイドラインにならって策定したままであろうと想像します。
せっかく試験を実施しているのですから、試験結果やウェブサイトの実情に合わせたものに方針を改めることをおすすめします。

高知県

「他県の方々へ」とされる情報が「発 熱 な ど 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス が 疑 わ れ る 症 状 が あ る 場 合 、 来 県 はお控えくださいますようお願いします。 他県の皆様へのお願い 高知県」と記されたPDFファイルが1つのみ。単独のリンクボタンを設けるような内容ではないし、まして、PDFで提供すべき理由は皆無と言っていい。

愛媛県

ページ内リンクの掲載順と、実際のコンテンツの配置が揃っていないため、閲覧済みかそうでないのかがわからなくなってしまう。そのリンクテキストとリンク先の見出しの表現が異なっているため、正しくリンク先にジャンプしたのかも信じることができない。

香川県

下線のあるリンクテキストが通常のテキストと同色のため、テキストに強調のための下線があると、両者が全く同じ見た目になってしまい、区別がつかない。リンクテキストの設定方法にも違和感を覚える。「こちら」だけをリンクとする箇所もあれば、同じページにある別のリンクは100文字を超える文全体にリンクを設定していて、一貫性が感じられない。

徳島県

各陽性者に関する詳細情報を得る際のページの作りが不親切。表中で詳細情報が掲載されている資料名(資料1-1、資料3-2 など)を覚え、表の下にあるたくさんのPDFから資料名だけをたよりにリンクを特定する必要がある。表中の資料名にリンクを設定すれば、解決すると思うのだが、なぜこうなっているのだろうか。

山口県

画像で提供される情報に対する代替テキストの不足が否めない。一方「視覚に障害のある方の相談窓口について」として、テキスト情報はツイッター公式アカウントで随時発信しているとのアナウンスもある。現状、両者には情報の詳細度に違いがみられるため、部分的な代替にすぎない状況ではあるが、注目したい取り組みの一つと言える。

広島県

累計感染者数、前日比、(県独自の)感染状況レベルなどが、視覚表現を伴ったテキストでわかりやすく示されている。配慮のされていない文字画像やグラフを多く見てきたこともありたいへん好感を持った。分類の数・粒度、掲載順にも意図が感じられ、情報を整理して発信しようという姿勢が見える。

岡山県

都道府県で唯一、独自ドメインによる特設サイトを開設している。情報の見せ方や色彩がキャンペーンサイトのようで違和感を覚えるが、必要な情報をわかりやすく伝えるための方策と理解すべきか。実際には、ほとんどの個別記事は県の公式サイト内に存在しており、特設サイトは入口や分類としてしか機能していない。

島根県

ページタイトルに、注記やすべての階層の名称を含んでいるため、70文字を超える長いタイトルとなっている。「ポータルサイト」を謳っているものの、いつ、どの情報が更新されたのかを列記していないため、全体の状況を俯瞰するのには向いていないように感じられる。記者会見動画ページから、各動画ではなく「しまねっこCH」(動画チャンネル)にリンクしているため使い勝手が悪い。

鳥取県

鳥取県のウェブサイトがつながりにくくなった場合に備えて、Yahoo!JAPANと岡山県、それぞれとの協定に基づいた代替サイトが開設されている。どんな時でも情報提供を継続させる取り組みの一つとして評価できる。凝縮されたリンクテキスト、不意に現れるリンクによって開閉するエリア、意図のわからない余白など、整理整頓すべき箇所が散見される。

高知県

(注1)がドメイン名の変更、(注2)が組織の変更であるのに対して、(注3)はサイト内検索を用いることを推奨していて、「注」の用法に一貫性がない。

愛媛県

記載内容は千葉県・鹿児島県と同一で、唯一の行動提案が「ブラウザで再読み込みを行ってください。」となっていて、共通するナビゲーションやサイト内検索の利用は促されていない。

香川県

「画面右上の検索ボックス」という位置に依存した表現が好ましくない。また実際には「検索ボックス」という名称は用いられていないので、当該要素を見つけにくい状況にある。

徳島県

ページ内の画像に代替テキストが設定されておらず情報が取得できない。

山口県

赤い太字で示される「ご指定のページは見つかりませんでした」が、一瞬、重大な警告のように感じてしまう。また、この文字列はh2要素ではなく、h1要素を用いるべきと感じる。

広島県

共通して設けられているナビゲーションではなく、トップページからの探し直しを促している。リニューアルによってアドレスが変わったことを前提としているのには違和感を覚える。

岡山県

このページが表示された理由を示していない。前のページに戻るか、トップページに進む行動しか促しておらず不親切な印象を持った。

島根県

本体サイトだけでなく「リメンバーしまね」「しまねUIターン総合サイトくらしまねっと」など別ドメインのサイトでも404ページが作成されていない。意図的なものだろうか。

鳥取県

ロゴやナビゲーションなど通常ページとの共通する部分がなく、エラーメッセージも一般閲覧者にとってはわかりづらいものとなっている。

高知県

「ダメなALT」と考えられる画像

こうちけんには色々なこうちけのページがあり、こうちけとこうちけんとが(特に音声ブラウザでは)区別しづらいかもしれません。「高知家は、いろんな家族で大家族」という画像に「高知家バナー」としかしていないこと、「高知家バナー」と「高知家で暮らす。バナー」が近い位置にあることなどを考慮すると、もうすこし丁寧に代替テキストの設定や表示順なども考えられるといいように思います。

愛媛県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像内の文章がすべて代替テキストに反映されず途中で切れています。長い文章をalt属性値とすべきではないということはありますが、文章の切れ目すら無視して64文字で切るというのは正しい処理とは思えません。ただ、修正するのであれば、この場合、すべてを代替テキストに反映するというよりは、画像をやめてテキストにすることが望ましいと感じます。

香川県

「ダメなALT」と考えられる画像

「香川県住宅耐震ポータルサイト」のサイトロゴです。このサイトのトップページには、「香川県住宅耐震ポータルサイト」と正しい代替テキストが入っているのですが、別のページに行くと「空」になってしまいます。このサイト内の画像を見てみると、代替テキストをつけるべきところ、空にして問題ないところが意識されているように思うのですが、このロゴの扱いについては疑問です。

徳島県

「ダメなALT」と考えられる画像

こういう大事なキャンペーンの代替テキストを空にしているようでは、東京と戦えませんよ。

山口県

「ダメなALT」と考えられる画像

画像は山口県のキャラクター「ちょるる」が頭を下げています。普通のコンテンツの中ではなく、404エラーページに登場する貴重なちょるるなのですが、代替テキストにも「ちょるる」とだけ記してあります。キャラクター名を代替テキストに入れることは間違っていませんが、エラーが生じた状況で折角頭を下げているのですから「ごめんなさいをするちょるる」という代替テキストにするのがおすすめです。「謝罪するちょるる」ではちょっと重いので。

広島県

「ダメなALT」と考えられる画像

この画像の直前には「3つの視点」という見出し(テキスト)があります。3つの視点がテキストで記されたうえで、この代替テキストであれば意味は伝わるのかもしれませんが、当該ページでは、画像の後「こうした取組により様々な成果や変化が現れています。」と記されます。画像の中身を説明していないにも関わらず、説明したことになっているというのは好ましくありません。

岡山県

「ダメなALT」と考えられる画像

観光課ページの関連リンクとして、様々な言語で作成されたバナーが並んでいます。画像上はいろんな言語なのですが、どの言語の画像も代替テキストは日本語で「岡山県多言語観光サイト」としっかり書かれています。

島根県

「ダメなALT」と考えられる画像

「タイトル」ではなく、どんなタイトルなのかを代替テキストとして示してください。「しまねの原子力行政 原子力安全対策課」これを画像の代替テキストの欄にコピー&ペーストしてください。

鳥取県

「ダメなALT」と考えられる画像

鳥取県のキャラクタートリピーが生誕20周年を記念した座談会をしています。トリピーやおまつりトリピー、花トリピーなどが話をしているのですが、なぜかトリピーのアイコンだけ代替テキストがないので、誰が何を話しているのかよくわからなくなっています。