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調査概要

有限会社ユニバーサルワークスは、47都道府県・20政令指定都市の自治体公式サイトを対象に、「自治体サイトWebアクセシビリティ調査 2024」を実施しました。今年で22回目となる今回のテーマは「JIS試験、正しく実施できていますか」です。

2016年に、ウェブアクセシビリティに関する公的規格「JIS X 8341-3:2016」が改正・公示されました。それを受けて総務省は「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2016年版)」を公開し、今年5月には、近い将来のJIS改正に向けた動向や求められる取組を記した「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」を新たに公開しました。

「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」では、JIS X 8341-3についてWCAG 2.2に基づいた改正が行われる可能性が言及され、公的機関に対して改正を見据えた対応を求めています。そして、

公的機関ホームページのJIS対応状況に関する調査の結果、JISの適合レベルA及びAAに多数の問題のあるホームページが「問題がない(「AA準拠」している)」と公表している事例があることを確認しています。
(みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版) P38 より)

と、実際のウェブアクセシビリティ品質と公開されている試験結果や準拠状況との間に差異があることが明らかにされています。

そのようなことから、今回は自治体公式サイトにおける試験の実施状況と試験結果に関する書式や記載内容を調査することにしました。

この調査が「みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)」で求められている、ウェブアクセシビリティへの更なる取り組みの推進に寄与できると幸いです。

調査方法

47都道府県・20政令指定都市の公式サイト内に設けられたウェブアクセシビリティに関連するコンテンツ、特にJIS試験結果を表明しているコンテンツを評価者(視覚障害者および健常者)が閲覧し、調査内容・観点に基づき調査しました。

調査内容・観点は以下の文書に基づくものとします。

  • JIS X 8341-3:2016(附属書の内容を含む)
  • みんなの公共サイト運用ガイドライン(2024年版)
  • ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)等が示す関連文書

調査内容・観点

調査内容と観点を以下に記します。

ページタイトル

調査対象サイト内の直近のJIS試験結果に関するコンテンツの名称を記しています。

JIS X 8341-3:2016に基づく試験

試験実施の有無

ウェブアクセシビリティに関する試験実施の有無を「あり」「確認できず」で記しています。
JIS X 8341-3:2016には試験方法に関する規定は存在しませんが、「附属書JB(参考)」に基づく試験結果や、各社が提供する評価サービス等の結果が確認できた場合に「あり」としています。

直近の試験実施期間

ウェブアクセシビリティに関する試験の実施期間を記しています。
複数の試験結果が掲載されている場合は、直近の試験実施時期を抽出しています。

試験対象ページ数

直近の試験における試験対象ページ数を記しています。
複数のページ選択方法を組み合わせている場合には、合計ページ数のみを記載しています。

達成した適合レベルと対応度

直近の試験結果に示されている適合レベルと対応度を記しています。
各社が提供する評価サービス等において、JISやウェブアクセシビリティ基盤委員会が規定する対応度表記以外の指標が用いられているケースについては、当社がその定義・基準等を承知していないため「不明」として扱っています。

評価コメント

評価者からのメッセージです。
規格や指針に即していない点、試験結果に関する疑義、表現を改めるべき点、今後の取り組みを進める中で優先してほしいことなどを記しています。