無印良品のポリプロピレン製品が好きです
私が最初に出会った無印良品のポリプロピレン製品はこちらです。
メイクボックスの用途で売られています。この大きさを基準に、長編を半分にした大きさ(無印的には「ハーフ」という)や、高さを半分や4分の1にした大きさのもの、蓋などもあります。それぞれ積み重ねられるところが便利で、当初は裁縫箱にしたくて買いました。
メイクボックスを裁縫箱にしてもいいんだからどこでも使えるというわけで、他にも買い足そうと思って店舗を訪れるといつもいつも戸惑うのです。私も同行者も無印良品に不慣れなのか見つからない。根気よく探して見つかり始めると今度はいろいろ見つかりすぎちゃうという謎の事態に遭遇します。
無印良品の店舗で起こる謎の事態とは?
私としては、今、裁縫箱として使っているアレを他のところでも使いたいので、その積み重なるシリーズのやつにどんな大きさがあるのか、そしてその中から「他のところ」にいい具合の大きさのものを数点お買い上げしたいよというだけのことなのです。なのに、店舗にはこんな大きさのやつもあんな大きさのやつも出てきて、いっぱいあるんだけどそれぞれは何等かのシリーズに属しているらしくて、すべてが互いに重なるということではなさそうでした。
ならばそのなんとなく用途別に陳列されているまま、確実に重なるシリーズから数点お買い上げすればいいだけのことなのですが、20年以上もこの仕事(アクセシビリティアナリスト)をやっているとすっかり“カテゴライズお化け”でして、他のシリーズを含めたポリプロピレン製品のすべてを把握したいという衝動に駆られてしまうのです。
ネットストアでポリプロピレン製品の全容把握を試みる
購入をあきらめて、帰宅後に無印良品のネットストアでポリプロピレン製品の全容把握を試みました。小さいものは絆創膏がぴったり入るくらいのものから、衣装ケースや収納ボックスといった巨大なものまで、それはそれはたくさんあって驚きました。
これらが用途別に分類されているようでした。たとえば、ポリプロピレンコスメボックスは「コスメ・ケア用品」に、ポリプロピレン整理ボックスは「キッチン用品」に、ポリプロピレンデスク内整理トレーは「文房具」に分類されていました。
用途しばりで探していたわけではない私にとっては少し探しにくい分類です。これらの小箱が「素材」か「大きさ」で分類されているとわかりやすいなと思って探索してみると「収納用品・収納ケース」にそれらしきページが見つかりました。
なにをどのようにくくるか、永遠の課題だ!
情報分類においても、何をどのようにくくるかは難しい課題です。自治体サイトでいうと「組織」でくくるか「目的」でくくるか、あるいは両方を採用しようなどという議論は長らく繰り返し続いています。
住民の視点でくくりましょうね、道筋はできるだけ少なくしましょうねと言い続けてはいますが、住民の視点が一つとは限らないし、運用する側のルールが徹底されないこともあってパンくずグズグズ状態になることも多数であります。
サブカテゴリのラベリングが気に入らない……かな?
さて、無印良品のポリプロピレン製品なのですが、“カテゴライズお化け”になれるくらいウェブサイト閲覧がプロ級の私でも全容把握に2~3日もかかりました。理由は二つ。一つはサブカテゴリのダイアログが音声で見つけにくかったから。もう一つはそのサブカテゴリが示す商品が想像しにくかったからです。
一つ目はいいんです。よくないけれどカテゴライズとは別の問題なので今回はよしとします。問題は二つ目です。
お暇な方は、先ほど例に出しましたポリプロピレンコスメボックスとポリプロピレン整理ボックスとポリプロピレンデスク内整理トレーを無印良品のネットストアからカテゴリをたどって探してみてください。ポリプロピレンコスメボックスは「コスメ・ケア用品」に、ポリプロピレン整理ボックスは「キッチン用品」に、ポリプロピレンデスク内整理トレーは「文房具」に分類されていますのでがんばって。
みんなはすんなり進んでいけるのかなあ。私はサブカテゴリのラベリングがしっくりしなくてなかなかたどり着けませんでした。
関心はアクセシビリティを超える
全容把握に戸惑った無印良品のポリプロピレン製品ですが、コスメボックスは無印良品の各種スキンケア用品入れに、整理ボックスはカトラリーに、デスク内整理トレーは事務机の引き出しに最適に設計されています。1センチ、2センチの高さの違いに意味がある!だからネットストアのあそこに分類されていていいし、店舗のあそこに陳列されていて正解なのです。
けれど私のような人がいるので、次の無印良品週間には「ポリプロピレンコーナー」とか「小箱だらけコーナー」ができるかもしれません。
ああでもないこうでもないとやるうちに、無印良品に不慣れな私もすっかり“ポリプロピレンお化け”です。関心ってすごいよね。関心はアクセシビリティやユーザビリティを越えられるということをお伝えして新年のコラムを終えたいと思います。あれ?こんな風に越えちゃっていいんだっけ?