第120回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2015を終えて

本年も自治体サイトWebアクセシビリティ調査を発表した。例年通りここに私からの総評を記す。

全体の印象としては、ここのところそればっかりというネタではあるけれど、まあいくつかの業者さんのCMSの陣取り合戦を今年も聞かせていただきましたというところか。同じようなサイトをいくつも聞いているという感じだ。「それはそれでいいんじゃないの。」という意見はあって、私も何らかのCMSを導入せざるを得ないであろうから、これはこれで仕方ないのかなあと思っている。であるならば、いっそ、自治体サイトを一つにしてしまってはどうかとありえない提案をしてみようか。

CMSのせいで同じように聞こえると言うけれどそれだけということではないはずで、つまり、掲載されている内容もほとんどいっしょと言ってよいだろう。誤解を恐れずに言えば、“くまもん”がいるか、それいがいのゆるキャラさんがいるかという違いくらいのものだ。だから、いっそ自治体サイトは一つにしてしまってはどうか。すると、発信側としてはそうはいかないと言うのだろう。「アンタ知らないかもしれないけれど、今は都道府県ごとの裁量枠がたくさんあるのよ。」と。ふむ、少しは知ってます。いろいろ違うのでしょう。でも、Webサイトならば、そのへんはクリック1つで示せるわけだ。

このたびの調査で今っぽいキーワードというと、『ゆるキャラグランプリ』と『プレミアム商品券』あたりがあったので、これらのコンテンツを例に表現してみよう。統一サイト(いっそ一つにしたサイト)に『ゆるキャラ』というコンテンツを作っておいて、そこをポチッとするとゆるキャラとはみたいなページが出てきて、「地域によってさまざまです」などと書いてあって、『ゆるキャラ47都道府県一覧』というリンクボタンをポチッとすると、北海道から沖縄まで公式キャラがずらっと並ぶという感じ。プレミアム商品券も同じように表現すると、消費者の側から見ると、どこがお得かがよくわかるというわけ。みなさん好きでしょう。比較サイト。都道府県ごと違うんですというコンテンツはみんな比較ページにしてみたらよい。

するとどうなるか。サイト閲覧者は行政への関心が増すだろうし、情報の発信側はサービスに磨きがかかるというわけだ。みなさん好きでしょう。うちはこうでお隣はどうだとか、お隣はこうなのにうちはどうしてこうなのよ!みたいなこと。

観光資源も『お国自慢』のコンテンツに統一。タイトル20文字・写真1枚などと同じ条件でとりあえず47都道府県一覧を作る。Webサイトの特性上そのさきは当然広がっていくだろうけれど、その入り口はとりあえず一覧にしておいて比較できるようにしておく。桜の季節はなんちゃら公園を出して、紅葉の季節にはなんちゃら山を出して、夏は海水浴場、冬はカニがうまいなどと入れ替え自由。そうしたら、私は旅先を『お国自慢』から選びますので、都道府県はふるって自慢してほしい。

調査に託けて勝手なことを書いたが、トップページとその次のページあたりがカチッと決まると後が楽だろうと思う。後が楽だから楽をすればよいのではなくて、本来この楽なところに力を注ぐべきなのだ。本領発揮の前で苦労されているような気がしてならない。だから、へんてこな提案をしてしまった。ホームページをリニューアルしようとか、そろそろSNSを導入してどんどん発信していかなければとかお考えだろうけれど、それらの先にある情報の方が断然大切なのでそこのところをお願いしたい。私の来年の調査のおもしろみを増やしてほしい。