第34回 JISやさしい寸評(3) フレーム (2006年1月4日掲載)
フレームに関しては、視覚障害者によって多様なとらえ方をしていると思う。私の場合、見えていたときにちょっぴり見かけたWebページを思い浮かべたところで、フレームの概念はなかった。むしろ、音声ブラウザ(ホームページリーダー)を利用するようになって、ページの冒頭で「フレーム2の1」だの「フレーム3の2」だのと伝えられることによって、フレームの概念を持てたのだと思う。ちなみに、私のフレーム使用ページのとらえ方はものすごい。中途失明ゆえか、何でも画像でイメージする癖があるのだが、フレーム2つで構成されているページは縦に二分割されている。(左側が右側より幾分幅が狭いのがミソ。)3つで構成されているページは、同じく三分割だが等分だ。9つになると、縦横それぞれに三分割されていて、なぜか10以上になると縦に等分されるので、ひとつのフレームが細〜くなっている。デザイナーが聞いたら嘆き悲しむだろうデザインやレイアウトでページが脳内に記憶されているというわけだ。
どんなにナンセンスなデザインで記憶していようが、そんなことは実はどうでもよいわけで、要は必要な情報が複数のフレームの中から探し出せるだろうかということが問題だ。スクリーンリーダー(PC-Talker)を利用していたときは、フレームの1→2→3・・・と、順番にひたすら読み上げてくれて、膨大な時間がかかるがとりあえず読めた。音声ブラウザを利用し始めてからは、フレームの切り替えの操作を知り大変楽になったことを覚えている。しかし、これには、フレームの概念を持つこととフレームの切り替えの操作を覚えることが不可欠だ。たとえば、私が視覚障害者にWebサイトの閲覧のしかたを教えなければならなくなったら、「リンクをたどってenterキーを押す」というような初歩的な操作と並列に、「フレームの切り替え」という操作を教えると思う。World Wide Webの現状からすると、フレームを操れないことは致命的な状況に思える。
そのようなわけで、現在は、音声ブラウザ利用者がもしかすると省けるかもしれないスキルを持たなければならないということになる。(個人的にはそれくらいの知的好奇心は持っていてほしいと思っているが。)そして、それが、「不必要なフレームは外しましょう。」という流れにつながっているかもしれない。しかし、そればかりではないという例も挙げておこうと思う。たとえば、さっさと新しい情報に触れたいときや、さっさとログインフォームに向かいたいときなど、つまり、グローバルナビゲーションなど共通のメニューを読み飛ばしたいとき。その部分がフレームのひとつ目に集約されていれば、ブラウザにもよるが操作が楽で、実際使い勝手がよいと感じてしまっている。それから、広告バナーなどが後のフレームに集約されていると、広告の意味がないのでいけないだろうがちょっとうれしい。
そうはいっても、フレームが5つを超えるとぴりぴりしてくることは教えておこう。そのような場合、そうすることに必然性がないと思うのでやめていただきたい。そして、必然性がないものだから適切なタイトルは付けられず、アクセシビリティの観点では滑稽なサイトへの第一歩になるかもしれない。
5. 開発及び制作に関する個別要件
5.2 構造及び表示スタイル
f) フレームは,必要以上に用いないことが望ましい。使用するときは,各フレームの役割が明確になるように配慮しなければならない。