第24回 勝手にサイト診断4〜アサヒ・コム〜(2005年4月1日掲載)
インターネットが視覚障害者の情報収集に有効であると言いながらも、ニュースサイトはつらいなというのが、私の経験による正直な感想である。しかし、あの膨大な情報を視覚に頼らずに音声で理解できるだろうかと、予想しただけでも難しいニュースサイトに、真っ先に出かけていってしまう音声ブラウザ初心者がいる。無理もない、わかる気がする。見えていたころ親しんでいた新聞を手始めにと考えることは、何もおかしくない。
盲人仲間の会話で、「○○さ〜ん、『天声人語』読めるようになった〜?」というのを聞いたことがある。
みんなはそういうところを教材にしているのかあと思って、『天声人語』か、アサヒ・コムだなと、私も出かけてみた。だが、やけに長いトップページを聞かされて、目的の『天声人語』は有料コンテンツらしいという私なりの怪しい答えを出して、へとへとになって帰ってきたと記憶している。
このたび、アサヒ・コムがリニューアルされたと聞いた。そう聞いてもなかなか腰を上げる気にはなれなかった。そのくらい、ニュースサイトは難しいという先入観を捨てることは困難なのである。それでも、職業病を発症させて出かけてみた。いらいらせずに『天声人語』にたどり着けたら、有料コンテンツの会員になってやろうじゃないか!全国紙一紙も読めないでどうする!?と、まるでゲームのように出かけてみた。すると、読めたのである。その日の『天声人語』が耳に流れてきた。おまけに、一週間分はページに残っているようだ。昨日の日付をクリックすると、チャリチャリ〜ンとPCからお金が落ちてしまうなんてことはないよねと思いながらむさぼり読んだ。
「祝・『天声人語』拝読」が今回の報告であるが、それだけでは喜ばしくなかろうということで、『天声人語』のページを教材にあれこれ考えてみることにする。私は、トップページから素直に『天声人語』にたどり着けただけで大満足なのであるが、このサイトの制作者は、
- メニューの読み飛ばしの機能をつけましたよ
- ブロック(エリア)を示す言葉を入れましたよ
ということに、ぜひ気づいていただきたいと思っているのではないだろうか。確かに、情報収集の手がかりにはなっている。しかし、残念なのである。
1.読み飛ばしの飛ばし先が一部間違っている

これは、ただ間違っちゃっただけで、言えばすぐに直していただけると思う。でも、一度不便な経験をすると、次に使ってみる勇気を出すのにはそれなりのエネルギーが要るということを伝えておきたい。
2.「本文エリア」と称されるエリアに「広告」が入り込んでいる

きちんと広告であることの始まりと終わりを告げてくれても、「本文エリア」に入ってさあ読もうという意識になっているところに存在してしまうと、内容の把握に支障をきたす。「あれっ、(憧れの)『天声人語』はどこに行ってしまったの〜」と考えていると、広告の終わりが告げられて、何もなかったように本来の本文が流れ出す。
私のように、一週間分読むことができれば十分と喜んで帰っていってしまう人がいるから、広告は、やはり本文より先に存在していないといけないだろうか。耳に留まる感じはとても強いのだが、アクセシビリティの観点からはどうかしらと思って……。