第7回 交信〜すばらしきかな電子メール〜 (2004年1月5日掲載)

「うひゃあ、これをスラスラ読むなど神業だよ。」というのが、見えなくなった目なんかにさっさと見切りをつけて、点字学習をひと通り終えた私の感想である。

点字はよくできている、ルイ・ブライユさんはすばらしいとは思うが、学習を終えることと、身につくことは別問題で、中途失明者が点字を身につけるためには、相当な熟練が必要になると思われた。本が点訳されるまでのタイムラグ、交信手段としては範囲が限定されることを思うと、その熟練を重ねることは、せっかちな私にはためらわれた。

本は同じタイムラグでも音訳に頼ることにし、交信手段としては、それまでのとおり、墨字(点字に対して通常の文字をいう。)でがんばってみた。たとえば、手紙を想像していただきたい。目を閉じて書いた手紙は、大変読みにくいものとなっているはずである。間違えても書き直せないし、行が重なったときなど最悪である。それから、何と言っても返事を読むことができないのは残念だ。代読・代筆などのプライバシーが守られない方法は、私にはどうしてもなじまなかった。

これらの解決策が電子メールであった。
スクリーンリーダーという画面の文字を読み上げてくれるソフトと、それに適したメーラーを使用することで、多くの人との交信が容易になった。特記するならば、視覚障害者と聴覚障害者との交信は深まったのではないかと思う。

特記事項のような場合を除いて、電話でいいじゃん、電話で・・・と思われる方もいらっしゃると思うが、意外や意外、そうもいかないことがあるのである。胸の内というものを、言葉は言葉でも“おしゃべり”にするということはとても難しい。書くことはできてもしゃべることはできないということは多々あった。

だからと言って、誰かさん(社長とは言っていませんよ社長とは!)の悪口ばかりを書き綴る現状は、いかがなものかとは思うが・・・