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アクセシビリティコラム

第99回 読み上げスピード

見えなくなって10年を超えて、点字の読み書きはまったく上達しないけれど、何が上達したかって言うと速読だ。速読というのが正しいかはわからないが、朗読にしても合成音声にしても、かなりの速さで読み上げられたものを理解することができるようになった。周囲の者に、「何言っているかわかるの?」と聞かれるので、そこそこの特殊能力だと思っている。

最近は、テレビ番組をあれもこれも録画して、必要なところだけ視聴するのが一つの方法になっているようだ。早送りをしながらなんとなく内容を追うというようなことを家人がやっているので、最近の見える人も速読が得意になっているかもしれないが。

さて、そのようなわけで、今回は読み上げスピードをテーマにする。私はスクリーンリーダーをPC-Talker、音声ブラウザをNetReaderという環境で利用している。

NetReaderは最高の速度で読み上げさせているが、もっと速く読んでくれないものかとストレスを感じている。以前利用していたホームページ・リーダーは満足しない人はいないだろうというくらい速く読み上げさせることができるのですごいと思う。ある日、スクリーンリーダーの方の読み上げ速度設定が最高でなかったことがわかり、「何だ、何だ、もっと速く読めるのかお前さん。」などと言いながら設定を変えてみたところ、速読が得意なはずの私でもまったく理解ができなかった。慣れの問題かしらとも思いしばらくチャレンジしてみたけれど、仕事にならないほどいらいらしたので元に戻した。ふむ、NetReaderの方は相当速くしたいところなのにどうしたことだろうと考えてみた。そこで出た一つの結論はと言うと、用途の問題ではないかと思う。

スクリーンリーダーであるPC-Talkerは、PCの起動時からPCの操作のすべての案内をしてくれている。また、テキストを打つとき、つまり今現在の原稿などもPC-Talkerの読み上げを利用してつくっている。わりときちんとやりたい系のことに使用している。一方、音声ブラウザであるNetReaderは、Webの閲覧すべてに利用している。ニュースを読んだり、各種の情報収集をしたり、買い物をしたりしている。さーっとよんで終わりという感じのこと、どちらかというとどうでもいい系のことに使用している。買い物がどうでもいい系のことというのはちょっと困ったことだが。

もっと考え込んでみると、読書なども結構おもしろい読み方をしていることに気づいた。たとえば、小説は、最初ゆっくりのスピードで読み始め、だんだん速度を上げていくといいうことをしている。つかみというか導入部は、私の場合、内容把握に大切らしい。序盤を除き残りは最高速度で読んでいる。だが、実用書というのかな、新書のようなものになると全体的に若干速度をゆるめて読んでいる。流して読むという感じにはなっていない。

利用者によって使い方はさまざまだと思うが、自分でもあまり気にせず速度設定や変更をしていたので、自分の覚書きついでに紹介してみた。スクリーンリーダーも音声ブラウザも読書再生機も、あらゆる速度に設定できるよう機能を備えておいてもらえると便利だ。利用者の方も、いろいろと意識して利用すると効率よく情報を得ることができるかもしれない。

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