「みんな」が使えるWebサイトへ

アクセシビリティコラム

第96回 読書環境その4 ~著作権法第37条第3項~

オーディオブックが電子書籍の可能性を開く!美少女が名作を読んでくれる「朗読少女」のブレイクぶり

一般書籍と同等の価格で現代文学に触れることができるのは、目が不自由な人にとっても朗報といえる。ボランティアで朗読をして無料配布するにしても、著作権の関係上仕方なく古典文学がその大半を占めてしまうのが、現実ではないだろうか。

現代文学に触れたいと願う視覚障害者の方々のためにも、今回紹介したオーディオブックの認知度が広がり、普及してくれることを願って止まない。

(木村明夫)

ここのところ、ずっと大好きな読書について述べてきた。

視覚障害者の読書環境が非常に充実してきたことを紹介してきたわけだが、今日のような充実をみるには、多くの視覚障害者とそれを取り巻く人々の努力や知恵や時間を要してきた。音訳図書のことを中心に話してきたので、そのことについて言えば、音訳者の育成、音訳物の管理、音訳図書の再生機やアプリケーションソフトの開発など容易なことではない。

それより何より、私たち視覚障害者の元に書籍がっやって来てくれるよりどころは法律なのだ。音訳図書で言えば、著作権法の第37条第3項というのがそれである。これら法律の制定や改正についての尽力も大変なものだ。この法律のおかげで、私たち視覚障害者は現在のような読書環境の充実をみている。どんなふうに充実しているかというのがこれまでのコラムだ。

「ボランティアで朗読をして無料配布するにしても、著作権の関係上仕方なく古典文学がその大半を占めてしまうのが、現実ではないだろうか。」ということはない。「配布」をどのようにとらえるかにより話が変わるところではあるが、これを書いた記者の理解はおそらく間違っている。視覚障害者の読書環境を思いやってくれるのはありがたいが、間違った解釈が多くの人の目に留まるような形で公開されるのは困る。(私はヤフートピックスに載っているのを聞いた)

オーディオブックの普及を私も望んでいる。それこそ本当の公平とか平等とかいうところであると思う。私は勉強不足でiPadやiPhoneのVoiceOverの使い勝手を知らないのだが、このように「朗報」と言うからには、この記者は目隠しでもして、『乙葉しおり』さんの朗読を聞くことができたであろうから、私もいよいよiPad購入のときが来たのかもしれない。いろいろ調べたところ、この『朗読少女』なるものは、初のVoiceOver対応アプリとのこと。だから、上記のような適当な思い込みが記事中に挿入されてしまったというのはわからなくもないが、やはり間違ったことは言わないでほしい。

著作権法は私たち視覚障害者にもちゃんと平等に存在していて、みなさんとほぼ同等の情報を得ることができているのだから。

関連するコラムを探す

タグ: , ,