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アクセシビリティコラム

第83回 言葉で表すということ 前編

私の目の前にある小さな箱(PC)は、インターネットに接続さえすれば、何でも満遍なく“ある程度”のことを教えてくれる。たとえば、次から次へと登場するお笑い芸人の名前やネタについていけなくても、何かキーワードを覚えておけば、次のいつになるかわからない登場を待たずにインターネットでその芸人について知ることができる。こんなふうに大方の情報はこちらの目的を果たす程度に“ある程度”知ることができ、また、ある道の専門家(私が求める事柄においてはオタクとも言う)というのは、それを知っていることにとどまらず、それを伝えることにこの上ない喜びを感じる人が多いようで、思いがけず深い内容を得ることができるときもあり大変便利に思っている。ところが、肝心なことがわからないときもある。

私は『ハンカチ王子』のハンカチたる由縁について“ある程度”は知っているが、その挙動についてものすごく知りたいのに未だ知ることができないでいる。そんなことは日常のコミュニケーションで補えよというつっこみはなしとして、“ある程度”知っている『ハンカチ王子』のハンカチたる由縁というのは、

「試合中にマウンド上で折り畳んだハンカチで汗を拭う仕草から、マスコミ各社が「ハンカチ王子」と呼ぶようになる。」「斎藤が試合中にマウンド上でポケットに入れた青いハンカチで“上品に”顔の汗を拭く姿が(後略)」(ウィキペディアより引用)

というものだ。
つまり、

  1. マウンド上で見せる仕草らしい
  2. そのハンカチは青いらしい
  3. そのハンカチは折りたたまれているらしい
  4. その仕草は上品らしい

ということはわかった。

私は

  1. その仕草は1試合中、または1イニング中何回くらい見られるのか
  2. 青いらしいがどういう青か
  3. 折りたたまれているとのことだが、折りたたんだままポケットからだし、汗をぬぐい、ポケットに戻すという仕草は片手で行うのか
  4. 片手で行う場合にしてもそうでないにしても、その仕草中左手はどのような感じか
    (グラブは一旦地面に置くのか、はめたまま脇にでもおさめるのか、白球はどこにあるのか)
  5. 折りたたまれたハンカチがくしゃくしゃになってしまったときは、たたみ直すなどという仕草も見せるのか
  6. そもそもマウンド上での上品な汗の拭き方とは

などなど、知りたいことがいっぱいなのだ。

前述したように、私の個人的な事情による個人的な疑問なのだから、誰か見える人に解説していただけばよいだけのことだが、近頃というのは、映像に頼る時代になってきていて、新聞や雑誌の記者やライターと呼ばれる人々の文筆力が下がっているというか、その専門性が軽視されつつあるのではないかと懸念する。映像ではなく、記述も合わせて記録として残す必要性があるのではないかと常日頃思っている。

このような考えの中で、言葉で表す場合のよい例、また、インターネット上でこんなことができたらなあという案があるので、次回のコラムで取り上げたいと思う。

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