「みんな」が使えるWebサイトへ

アクセシビリティコラム

第80回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2009を終えて

来る夏も来る夏も引きこもり状態で調査し続けるのが恒例というか、ライフワークになりつつある自治体サイトWebアクセシビリティ調査が今年もやってきた。

今年は、調査期間中に、弊社代表が地方自治体のお招きに預かり、どうしても閉鎖的になってしまう8月に爽やかな風が舞い込んだことは幸いだった。根気(別名は力技)さえあれば、ここから一歩も動かずにできてしまう調査ではあるが、調査の対象サイトというのは、職員のみなさん、あるいは選ばれた業者のみなさんが、手足を動かして製作されたものであり、また、その土地の状況、風習など、そのまちを知らなければ合点がいかないところも多数あるのだということをしみじみと実感する機会になった。私としては、この見えないというフットワークの悪さを逆手にこうした商売をしてはいるが、こうしてものを言うからには、その土地の、特に地方の風は肌で感じるべきではないかと思っている。

調査を終えて、本題のアクセシビリティに関しての変化は、年々大きかったりわずかであったりさまざまなのだが、初回の調査年と比べると、サイト構築にCMSは不可欠なのだろうという様相になっている。CMSを導入し、ある程度の縛りを設ければ、サイト全体の体裁は整うし、末端での情報入力も容易であり、訪問者、発信者ともにメリットがあることは確かだろう。

自治体としては、我が町の情報発信に適したCMSを選択し、いくらかの費用を投じてのサイト構築に、大きな期待やら何かを成し遂げた感やらを抱くのだろうと思う。我が町のサイト構築に夢中になり、CMSという夢ツールに浸っているときはわからないかもしれないが、目が覚めたらちょっと隣町を覗いてみてほしい。我が町に我が町らしさは表現されているだろうか。あれ?違うのは問合せ先と所在地くらいじゃないかという、それもアリかもしれないけれど、 ちょっと悲しい状況になっていないだろうか。

私自身も経験済みで、一般のみなさんにもわかりやすい例として、ブログツールというのがある。何だか懐かしさすら感じるライブドアを始め、 ExciteだのAmebaだのFC2だのYahooでも楽天でも何でもよいのだが、タイトルと本文を記入するだけで私の日記がWeb上に記されていく様は何とも美しく便利であった。この何とも美しく便利であるのが、自治体のサイト構築におけるCMSなのだろうと思う。もう一度ブログツールに話を戻すと、 美しく便利ではあるけれど、私のライブドアと隣のライブドア、私のFC2と隣のFC2は同じなのよね。今日行ったところと食べたものが違うだけで同じなの よね。私とお隣さんの個人ブログなんぞ同じでもちょっとしたWeb汚し程度で済むけれど、自治体サイトがそうなってしまった場合、よろしいですか?ということ。

その町らしさというのもいろいろだが、コンテンツそのものだけではなく、おそらく万人向けにできているであろうCMSをいかにアクセシブルにカスタマイズするかというところを熟考するとよいと思う。詳しくはわからないが多分いろいろなことができるはずだ。熟考により、我が町も隣町も同じようだということはなく、我が町の特徴のようなものが見えてくるのではないか。かといって、違いがよいとか、いっしょではいけないとかいうことでもない。自治体は行政の単位として大切なので例にはないが、隣町といっしょにWebサイトでの情報発信をしてみるというのもおもしろいかもしれない。

いささか突飛な話になってしまったが、美しくて便利なCMSも使いようですよということ。我が町らしさに威厳を持った縛りと運用で、よりよい自治体サイトとなることを調査員として祈る。

関連するコラムを探す

タグ: ,