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アクセシビリティコラム

第73回 あきらめとこだわりと

先日、某自治体のサイト診断をさせていただいた。

タスクに答える形で診断を行う中で、ある指定された日に図書館は開館しているかどうかというものがあった。そして、私の答えは外れた。

大体、公立図書館というのは月曜日、月曜日が祝日の場合はその翌日が休館日だ。診断サイトも月曜が休館の旨はテキストで併記してあった。だから、 月曜日でなければおおむね開館しているだろうと思われる。

ただし、図書整理日というのが曲者だ。図書整理日なるものの存在もテキストで併記してあったものの、それがいつか(たとえば第○何曜日など)まで はテキストになかった。指定された日が図書整理日であるかもしれないという一抹の不安はあったが、図書整理日というのは月の最終週にあるもの(指定された 日は最終週ではなかった)という固定観念と、これ以上の情報収集は望めないことから、「私だったら開館を信じて出かけるであろう。

また、確かなことがどうしても知りたければ電話をするしかないね。」という最終診断に至った。電話などいちいちするはずがない私は、反応しない図書館の自動ドアの前で暫し呆然としたことだろう。

サイトの図書館カレンダーにはきちんと「休館日マーク」なるものが付いているらしい。そう、例のカレンダー形式での情報提供のページのようだ。JISやさしい寸評(9)カレンダーで記した とおり、このような場合は適切なテキスト併記が望ましい。しかし、そこまで必要だろうかとこのところ思う。そりゃ、併記してくれれば自動ドアの前で立ち尽くすことはないかもしれない。JIS(JIS X8341-3 2004)の項目をすべてクリアするのだという意味もなく強い信念があるのであればそうすればよい。

でも、普通に見える人がWebページにカレンダーを置く場合、テキスト併記をしなければなどと思いつくだろうか。微妙なラインであるような気はするが、カレンダーはカレンダーで、見える人にとってはわかりやすい表記なのだから、盲人生活が10年目に突入した寛容さで、「そこのところはまあいいんじゃない。」と言ってあげたい。

「まあいい」というのは、そのページからの情報収集をあきらめるということ。このような表記の場合は、見えない私には適切な情報取得が難しいと判断すること。ならば、その難しい部分は電話をしよう。私たちの税金のおかげで仕事をさせてもらえている職員が、必要な情報を親切に教えてくれることであろ う。

一方、私たちの税金のおかげでも何でもなく、ボランティアという立場で毎号広報紙を朗読してくださっている方もいる。

多くの自治体が広報紙をPDFでは公開するものの、なかなかHTMLで公開してくれないことを不思議に思う。音訳ボランティアのみなさんの活動を奪うということではないが、その労力は膨大であり、録音技術や方法によっては、情報取得がスムースでない場合もある。

その点、HTMLの形式であれば、広報紙をめくる感覚で中身を覗くことができるような気がする。広報紙の制作過程に明るくないが、データは既にあると思われるので、速やかに公開願う。そのあたりはこだわってみたい。

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