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アクセシビリティコラム

第71回 ネットリーダーはおしゃべりか無口か

人間であれば、おしゃべりな人にはユーモアがあるかもしれないし、無口な人にはしとやかさがあるかもしれないしと、個性とか性格とかいう点で魅力になるが、音声ブラウザにおいてはどちらも困りものである。前々回、メインの音声ブラウザをホームページリーダーからネットリーダーに変更した旨お知らせした。今回はネットリーダーの個性をテーマに綴りたい。

わりとスムースに変更できたのだが、若干の違和感はあった。「ヘンなことをしゃべるな。」というのがその感想である。私は常々申しあげているが、 HTMLソースというものが読めないので、音声ブラウザがWebページの記述のどの部分をどのように読む仕掛けになっているのかを検証することはできな い。しかし、明らかに読まなくてよいと思われるところをおしゃべりしている様子だ。私が音声ブラウザの設定をいろいろに変えて、できる限りの検証をしたところ、それは多分気にしなくてよい画像を気にしている結果であるように思えた。相当な憶測ではあるが、リンクの設定されていない画像に空白のalt属性が付いていない場合に、ヘンなおしゃべりをしてしまっているのではないかと思う。ページが悪いか読上げが悪いかというと微妙なところではあるが、ホームページリーダーは無視してくれていたところなので、私にとっては若干の違和感となった。

一方、無口になってくれたところもある。ホームページリーダー(3.02の場合)では延々読み上げていたプルダウンの中身は、ネットリーダーの場合「読んで。」と言わない限り黙ってくれる。この無口に関してはよいと思う。見えるみなさんが目とマウスで操作するような感覚で、見えない私たちも耳とキーボードで操作する感じなので、実にユニバーサルである。

さてさて、無口とは違うかもしれないが、『ユニクロオンラインストア』で困っていることがある。寒くなってきたので何でもよいからあたたかフリースを手に入れたいところだ。何でもよいと言いながらやっぱり色くらい選びたいと思っている私。だけど、選べない。色を選んでも選んでも何もしゃべってくれない。これはホームページリーダーでも同じ様子だったと思う。こうなると、私には犯人が誰かがよくわからない。Webサイトの作りが悪いのか、音声ブラウザが悪いのか……。ネットリーダーはおしゃべりしてくれるべきなのか、黙るべきなのか……。

というわけで、ネットリーダーを絶賛する段にはなっていないのだが、私がホームページリーダーに戻らずにネットリーダーを使い続けているのは、何らかの改良がされていくであろうと思えることが一番。そのためにも、上記のような困り事は犯人をはっきりさせておきたいところ。あとは、ネットリーダーに私に便利だったり好みだったりする機能があること。たとえば、見出しやフォームの識別音が耳に優しくてすきだったり、ページマークというのが思いのほか実用的であったりということがある。ページマークというのは、「ページ内の任意の位置にマークを付けます。付けたマークには、カーソルがどの位置にあっても、瞬時に移動が可能です。」というもので、基本的にはWebサイトをきちんと作るべきであり、音声ブラウザは成熟するべきであるという頑固な信念を持つ私にも、個人ユーザとして許してあげられるカスタマイズなのである。許せる基準は不明なのだけれど、これくらいはいいだろう、これってすごく便利だわと思える機能なのだ。

ネットリーダーがおしゃべりを慎み、無口にもならず、ページマークのようなキラッと光る魅力をたたえて成熟することを祈っている。

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