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アクセシビリティコラム

第68回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2008を終えて 下

※「自治体サイトWebアクセシビリティ調 査2008を終えて 上」を先にお読みいただくことをおすすめします。

文書の構造化と関連するであろうことに、例の読み飛ばしのためのリンク(スキップボタン)の設置がある。これについても私個人の調査メモから簡単な統計をとることができたので紹介したい。

調査対象ページにおける読み飛ばし機能設置の有無調査対象サイト全体(n=87)で、「ある」71%、「ない」29% となっている。

これはトップページにかかわらず、調査対象ページ内に読み飛ばしのためのリンクが存在した場合に「ある」、見当たらなければ「なし」とした。正しく設置されているかどうかではなく、単純にこうした機能を採用しているか否かの統計である。

私はこのコラムの中で

などで、読み飛ばし機能の設置については事あるごとに触れてきた。

そうした私の考えと調査している自治体サイトの現状をかんがみると、やはり読み飛ばしの機能の設置は、できるだけしない方向に進むのが健全ではないかという結論に至る。

何を正しいとするかが難しいのと、そもそも正しさなどに考えを及ぼすことなく平気で設置するケースがあるとなれば、提供された側の音声ブラウザ利 用者の混乱は計り知れないからだ。さらに、いくらかの経験(あくまでも一般利用者としての)を積んだ今ならば、なくてもよい根拠も強調できる。その根拠が文書の構造化である。そこのところがきちんとしていれば、何も読み飛ばさせる必要はないのだ。

「ない」に数えられた自治体サイトの中には、サイト自体がどうしようもなくて、設置しようにもできないというサイトと設置することなどこれっぽっ ちも考えていないサイトがほとんどだが、中には、設置することを切り捨てた自治体もあると感じた。JISに「読み飛ばせるようにすることが望ましい。」と あっても、あえて切り捨てるという決断をしたであろうということ。そうした自治体のサイトは、JISの「文書の構造を規定しなければならない。」を当然 守っている。これぞ正しい姿なのではないだろうか。

「文書の構造を規定しなければならない。」と言われて正しく規定しているサイトが55%、「読み飛ばせるようにすることが望ましい。」と言われて 何やらそのようにしてみたサイトが71%。55%を100%にするのと、71%を0%にするのとではどちらが大変だろうと考えて途方に暮れる2008年の夏である。

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