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アクセシビリティコラム

第67回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2008を終えて 上

2008年の自治体サイトWebアクセシビリティ調査を終えて、個々のサイトはささやかな成長をしていたり、完全に保守・運用に失敗していたり、リ ニュリニュサギとか、ガイドラインでっかちとかさまざまなのだが、全体的には昨年度調査時とほとんど変わらない感想を抱いた。

「もう一度言いましょうか。」というノリで毒を吐くことはできるが、昨年度はある自治体のレーダーチャートの大きさとコメントが一人歩きしてしま い、当該自治体やアクセシビリティの業界のみなさんにいくらかのご迷惑をかけてしまったかもしれないという自覚があるので、今年の毒は抑え気味にしておこうと思う。

昨年度同時期のコラムにて、「各自治体ともalt属性を正しく付けることができるようになってきたよ。次のステップとして文書構造を意識してはどうですか。」ということを述べた。実際の文書の構造化の状況について、今年度の私個人の調査メモからちょっとした統計をとることができたので紹介する。

トップページにおける見出し要素の有無調査対象サイト全体(n=87)で、「ある」55%、「あるがおかしい」25%、「ない」20% となっている。

これはトップページのみを調査対象としている。「ある」というのは見出しの要素が文書構造を意識して正しく付けられている自治体の数と割合であ り、「なし」は見出しの要素がまったく見られない自治体の数と割合である。「あるがおかしい」というのは、一応見出しの要素は付いているが文書構造を正しく表現できていない自治体の数と割合である。ここには、文書構造は悪くなさそうだがh1要素がないというような自治体サイトも含めた。

この結果をどうとらえればよいかはわからない。「ある」が100%になればよいことはわかるが、そこまでの成果を今回の調査時点で求めてい たとすれば高望みだ。かといって、半数以上は正しく付いているようだからいいのではとも言えない。「あれだけ言っているのにまだ半数ですか。」という気持 ちがなくはない。

でも、本当はそんなことを言いたいのではない。
付けていただけると大変にありがたいのです。」ということが言いたい。

見出しが正しく付いているということは、私たち音声ブラウザ利用者にとって情報取得の手がかりが一つ増えたということになる。閲覧者が見えてくれさえすれば、情報取得の手がかりをWebページに落とし込む手法はいくつもある。しかし、私たち見えない音声ブラウザ利用者には、情報取得の手がかりとなる手法自体が少ないのだ。

文書の構造化を心がけ見出しの要素を付けてもらえることは、その数少ない情報取得の重要な手がかりを得たということになる。その重要さはどれくらいかというと、見えない人がちょっと見えたような気分になるくらいだ。ちなみにどのような読上げになるのかというと、見出しの要素が付いている部分だけを拾い読みすることができる。見出しのレベル(h1~h6)の違いもブラウザの側で伝えてくれることが多い。一般に使われている音声ブラウザには、特別に便利な機能というのではなく(ブラウザ屋さんは「便利な機能でしょ。」と言うと思うが)、基本の機能として備わっている。

見出しの要素を付けることは、発信者にとっても特別に難しいことではなくて、守って当たり前のルールでもあるのだからやってみていただけま せんかというお願いをしているところなのだ。

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