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アクセシビリティコラム

第65回 Web制作者の分類

私事だが、先日、年忌(法要)に参列した。このような場ではお坊さんがお経を唱えてくださるだけでなく、何やらありがたいお話を聞かせていただける ものらしい。そのありがたいお話の中に興味をひくものがあった。

「みなさんの爪は伸びますか?」もちろんである。「自分の爪が伸びるのを自分の力で止めることはできますか?」そんなこと無理である。「では、伸 びた爪はどうしますか?」そりゃ、切りますよ。「そうですね、整えますよね。」というもの。この例え話からお坊さんが言いたいことは、「己のことすら思いのままにならないのだから、隣にいる人、親や子や配偶者や友人・知人など、こちらが思うように存在してなどくれるはずはない。それにより、悲しみとかいらつきとか怒りとかさまざまな感情がわくわけだけれども、それら感情を整えて生きましょう。」ということらしい。

ふむ、納得なのである。私はこの小さな場所でアクセシビリティを語り始めて早5年。まずはWebサイトそのものをアクセシブルにと思い、製作者のみなさんに一歩先行くことをお願いしてきた。結果、そう結果を述べるのに5年という歳月はなんとなく適当に感じるので述べてみると、製作者は以下の3つに 分類できそうだ。

  1. アクセシビリティに配慮した制作ができる人。
  2. アクセシビリティに配慮したいが自信がないのでその部分だけは外注して制作する人。
  3. アクセシビリティを知らない人。

1に分類される人、この方々は何の問題もない。もはや、このコラムなど読んではいないだろう。ちなみに、このコラムを読んでいて1を目指す人に対 してアドバイスするなれば、1になるためにはセンスが必要であると述べておこう。さて、2に分類される人、ここに分類される方々の底上げというか教育じみ たことに私は力を注いできた。しかし、上記のとおり、アクセシビリティに配慮できるのはセンスの問題なので、私は若干の業務変更をする予定である。でも、 「アクセシビリティに配慮したい。しかし、自信がない。」という正直さはさておき、ここに分類される方々の制作力に比してWebサイトの出来栄えに害がな いことは喜ばしいことだ。さてさて、3に分類される人、ここに5年という歳月が影響してくる。Web制作に携わりながら「アクセシビリティ」という言葉に触れる機会に恵まれなかったかわいそうな方々。こんなちっぽけな私ですら5年間語り続けられたことに触れる機会がなかったなどもぐりである。

ほとんど格言であるが、『アクセシビリティはセンスである!』。私はこれまで、2に分類される方々を1にさせるべく努力してきた。しかし、センス なのである。私などが努力せずとも1になれる人は1なのだし、残念だが2の人は2のままなのである。お坊さんのおっしゃる通り、相手を自分の思うようにすることなど無理なのだ。ではどうするか、整えるまでだ。2に分類される方々のよいところは、自分が100点満点でないことを知っていること。それならば、 私が不足分を補いましょう。そうすれば、私も悲しんだりいらついたり怒ったりすることはないし、私の役割や価値もはっきりとしてくる。

実は、本当に困ってしまうのは1.2もどきの方々。自分は100点満点でないのに100点満点なのだと言い張る制作者。確実にいるのだが、割合がわからなくて怖い。ここも笑顔で補い整えられるかが私の正念場。それができるころにはあちらの世界なのではと思う今日このごろなのである。

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