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アクセシビリティコラム

第55回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2007を終えて

ほとんど力技で毎年公開している『自治体サイト Webアクセシビリティ調査』。力技もモチベーションが続かなければ発揮できないわけで、私は勝手な思い込みを元にこの調査を続けている。

たとえば、自治体サイト(都道府県・政令市レベル)のトップページにalt属性を付けることの徹底、不要なフレームの排除などをさせたのはこの私 だ?!というように・・・。まあ、それはさておき、今回の調査ですごいなと感じたのは、トップページにイメージマップを使用したい場合があり、そうしたときにわりとalt属性を付け忘れることが多いのだが、どの自治体もきちんと付けられていたということ。当たり前だし、簡単なことだけれど、これが徹底されたのはひとつレベルアップではないかと感じる。

そのようなわけで、自治体サイトたちは次のステップへ挑戦する段になったと思う。私としては、文書構造の意識と、文脈に依存したリンク設定の排除あたりがいいのではないかと思う。

文書構造については言わずと知れた基本中の基本であるわけだが、自治体のWebサイト担当者たちは「文書構造って何?」というレベルの方もいるらしい。それくらい勉強して担当者になれと言いたいが、勉強してもわからないこともあるらしいので、簡単に説明しておく。原稿を書くときに大見出しの 『「1」』とか『「2」』とか『「3」』とか書きますよね。その大見出しの中に、さらに『「(1)」』とか『「(2)」』とか『「(3)」』とかいう中見出しがあって、そのなかがさらに『「い」』とか『「ろ」』とか『「は」』とかの小見出しで表現されていることがありますよね。その大見出し、中見出し、小見出しを、Webコンテンツを作るときのルールできちんと記述しなければならないというもの。つまり、見出しの大きさや並列感をきちんと表現しましょうということ。見出しの要素のレベルは、考え方がいろいろあるが、私どもは、原則として、そのページの最優先事項をレベルの1(h1要素)とし、以下見出しの 大きさと並列感により順次レベル2(h2要素)、レベル3(h3要素)としている。

次に、文脈に依存したリンク設定の排除については、『詳細』とか『こちら』とか『一覧を見る』とかだけにリンクを設定するのはやめましょうというもの。その先の内容がわかるように適切なリンクラベルを付けてみよう。来年の調査時(あるのかな?)に、これらがすべて直っているとうれしい。直せるように、該当の自治体にはできるだけ調査コメントに載せておいた。

思い込みと力技で楽しく行っている調査だが、今年初めて特別区(東京23区)を調査自治体に加えてみて、「つまらんな。」と思ったこともある。どの自治体も同じような感じに聞こえてくるのだ。「見た感じ」はどうかわからないけれど、「聴いた感じ」がすごく似ていることがある。読み飛ばしのための不可視のリンクボタンの文言など、偶然とは思えないようなものがあっちの自治体でもこっちの自治体でも聞こえてくると、正直なところ興ざめだ。

もうひとつ、今回の調査自治体のレベルだと、自治体の自前サイトというのはまずありえないだろうと思う。どこかの業者が契約の上制作することが多いだろう。弊社もいくつかの自治体のWebサイト制作に関する仕様を見てきたが、どうにでも解釈できるものが多い。手を入れようが手を抜こうが、どんな納品も可能に思える。ここで力を発揮せねばならないのは自治体のWeb担当者だ。どんどん業者にダメ出しをしなさい。最後までしぶとくダメ出しができるWeb担当者のいる自治体サイトが成功するのではないかしら。

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