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アクセシビリティコラム

第48回 何だかわからないけどできちゃうこと

我が社のアクセシビリティアナリストとして、とびっきりのテスターでいるためには、ユーザの域を出ないこと、スキルを一定に保つことが必須条件だ。 多少努力したところで、クリエイター的な能力を身につけることは不可能なので心配はないが、これだけインターネットに親しんでいると、経験により困難を乗 り越えてしまうことがある。原因のわかる困難については仕事に活かしてきたし、こうしたコラムにも表明してきた。

しかし、原因のわからない困難については自分勝手に克服しているだけで、実は何だかよくわかっていない。本来ならば、Webサイトをアクセシブル ニすると同時に、私と同じ立場にある人のスキル向上(PC操作支援など)に努めていく必要があると思う。そうした依頼もなくはないのだが、現在のところ見 合わせている。なぜなら、私がよくわかっていないからである。

たとえば、Webサイト閲覧中にエラーが出ることがある。「スクリプトエラー」とか、「オフィスワトソン」とか言っているような気がする。初めて 出会ったときにはほとんどパニック状態で困ったのだが、近ごろは「スクリプトエラー」のときには、Enterキーを何度か押せば目的のページが表示される ことがわかった。「オフィスワトソン」のときは、いくつかの選択肢の中から「送信しない」を選んでEnterキーを押すと、ブラウザは落ちてしまうようだ がPC自体は正常にもどるらしいことがわかった。ほかにも、新しいウインドウが開くときに、そのまま読上げてくれるときと、一度更新しないと読上げてくれ ないときがある。そのようなときも臨機応変に操作している。

これらは今ぱっと思い出せる例で、日常的にはあまり気にすることなく操作し、情報を得ることができてしまっている。しかし、それが正しい操作かど うか、そもそも原因は何なのかは理解できていない。

そこで、今回のコラムのオチをどうつけようかと迷っている。「原因がわかる人は教えてください!」としようか、「そういうわけで、音声ブラウザ利 用者で見えないからといって何も解決の糸口が見い出せないということではありませんよ。」としようか、いろいろ迷っているけれど、「ブラウザがタコってこ ともあるんじゃないの?」という仮説に基づいて締めることにしよう。

「タコ!」などと言いながらも、その恩恵を思いっきり受けてはいる。私たちはいくつかある音声化ソフト(スクリーンリーダーとか音声ブラウザと か)を、何らかの理由でひとつ、または複数選択し、有料で手に入れている。だが、ここまででも相当なエネルギーが必要だ。選択した音声化ソフトは使用して みなければ使い勝手がわからないものだから、場合によってはいくらか不満も出てくるだろう。不満といっても、特別難しいことを要求しているわけではない。 上記のようなトラブルをなくして、画面情報を正確に読上げ、見えるみなさんの多くが利用しているであろうIEあたりを純正のキー操作で利用できればいいの だ。意外とない。トラブルはさておき、わざわざ情報を読み換えたり、特殊なキー操作を用意したりしているような気がする。

非常にシンプルなものでよいので、自前でつくれたらなあと毎晩思う。自分ではつくれないので、せいぜいブラウザ預金止まりなのだが、もしそのよう なものがつくれたら無料でじゃんじゃん公開しちゃうぞ。できたらみんな使ってね。っつーか、私のブラウザ預金程度で、私の見えない目に適うブラウザの開発 をしてくれる方などいるのだろうか。それは、夢のまた夢でよいとして、「Webサイトがアクセシブルになりました!」「音声ブラウザの利用を支援しま す!」だけでは解決できない問題が、実はあるのではないかと感じる。「何だかわからないけどできちゃいました!」という域に達するまでには、大変な意欲が 必要なのではないか。そこを、ブラウザの精度に助けてもらえはしないだろうかという期待をこめてオチとしよう。

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