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アクセシビリティコラム

第46回 らくらくホンのらくらく具合

『みんなが使えるWebサイト』を考える上では、携帯サイトも欠かせなくなってきている。私の環境では、携帯電話で快適なサイト閲覧とはいかない が、今年、携帯電話に関しては革命的なことが起きたので紹介したい。見えるみなさんの環境と比べると過渡期ではあるが、私としては満を持しての執筆であ る。

写真:左から、らくらくホン2、FOMA らくらくホン2、FOMA らくらくホン3

NTT DoCoMoから『らくらくホン』という、高齢者・障害者を対象にした携帯電話のシリーズが発売されている。これまでに、movaが3機種、FOMAが3機種発売されていると思う。私のらくらくホン歴は、movaの2(らくらくホン2S F671iS)を型落ちで入手、その後、昨年の夏に発売のFOMAの2(FOMAらくらくホン2 F881iES)と今年の夏に発売のFOMAの3(FOMAらくらくホン3 F882iES)を発売と同時に購入している。

携帯電話の機能というのは、通話、メール、サイト閲覧、カメラ、お財布(電子マネー)、テレビなど膨らむ一方で、私の日常からかけ離れている。も ちろん、使い勝手がよければ、私もそのかけ離れた分野に手を染めないわけではないけれど、まずは、携帯電話の基本的な機能に満足したい。

私の考える携帯電話の基本的な機能というのは、通話とメールができることだ。通話は、開始、ダイヤル(番号)、終了、それぞれのボタンを知ることで利用可能になる。しかし、私の周囲の人々を見ると、携帯電話がひとり1台の時世なので、親しい人の電話番号を記憶することは大変な苦労だ。できれば、電 話帳が操れるとうれしい。それから、メールの送受信について。こちらは、受信メールを読上げてくれないと話にならない。送信については、宛先、題名、本文が間違いなく記入できたことを確認したい。ここがポイントなので、もう少し詳しく述べると、入力しながら読上げてくれて、カーソルがどこにあるかがわかって、漢字変換やら英字の大文字小文字の区別やらができることが求められる。

さあ、そこでらくらくホンはどうなのよということになるが、DoCoMoさん(富士通さんか?)の販売戦略というか、研究成果というかは、実に段階的というか、小出しというか、つまりじれったかったわけである。先にも述べたが、まずは基本的な機能に満足したいのだから、通話とメール機能がサクサク操れないといけないのに、「カメラが付いたんですよ。」などと視覚障害者に向かってにっこりされても困るのだ。私たち視覚障害者が求めていたことはただひとつ、「メールの入力を読上げて~。」ということだけ。昨年夏のFOMAの2でやっとカナ入力の読上げが可能になり、今年夏のFOMAの3で念願の「漢字変換」ができるようになった。大変喜ばしい。

しかしながら、みなさんへの報告が師走になってしまったのにはわけがある。私は、もともと携帯電話が得意でない人間だ。携帯電話は所持している が、かけたいときに使うだけで、電話がかかってきても身近に携帯していないのでまず出ない。そこに加え、上記のような小出しの機能アップとくるので、モチベーションが続かなかった。ただ、今回は電話帳の内容をコピーせず、自分で入力をしてみることにしたので、次第に不便が生じ、やむを得ず使用するに至っ た。(それまでに3か月もかかったという寂しい人間関係である。)使い出したらこちらのもので、「何だよ、やればできるじゃないか富士通。」と憎まれ口のひとつもたたきたくなった。「カーソルの位置がわかること」、「漢字変換ができること」は、私の携帯電話携帯率を100%近くにまで上げたのである。ま だ、細かな問題点は散見されるが、見えない私から見えないあなたへ、自信を持っておすすめできる機種になったと思う。

これから、見えない私たちも、PCと同じように、携帯電話でピコピコサイト閲覧をすることが一般的になれば、私の商売も広がるんだがなあと遠い目をしてみる。いや、近い目になってきたかも。ともあれ、こんなにストラップ選びが楽しい日が来るとはなあ。

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