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アクセシビリティコラム

第45回 勝手にサイト診断6 ~イー・トレード証券~

そこまで自腹を切る必要があるだろうかと悩んだが、尽きない興味を満たすためには立ち向かわねばならぬ。このたびおじゃましたのは『オンライントレード イー・トレード証券』。

「ライブドアショック」とか、「ミクシィ上場」とか、一応IT業界に身を置く人間としてはちょっと気になる。私の実家の目の前は某証券会社があっ て、ロマンスグレーのオジサマ方が通ってくるのを、見えていたころはよく目にしたが、今はロマンスグレー層だけの世界ではないらしい。デイトレードで3億 円などという若者も登場した。となると、ナニナニ?デイトレードってナニ?となってしまうではないか。「見えないから無理だよ。」などと言われると、ム カッとするではないか。だから、挑戦してみました、自腹を切って。

登録と口座への入金は、信用できる者の手で行ってもらった。あとは、「ユーザーネーム」と「パスワード」と「取引パスワード」の3つを記憶してお こう。いざ、購入となっても、その銘柄のその株価は高いのか安いのかがさっぱりわからない。せいぜい、「前日終値」と「年初来高値」と「年初来安値」から 推測するしかない。そんな適当な情報のみで私が有価証券購入に至るはずはなく、かなりローテクではあったが、気になる銘柄の終値を10日ほどメモして、こ こ数日の底値を自分なりに判断して購入した。つまり、チャートというものが視覚的に得られないところが、音声ブラウザ利用者のつらいところということ だ。(後に、ヤフーファイナンスのチャートの時系列というところを見ると、私の求めている情報がまとめてあることがわかった。)

「購入した」とひと言で言ったが、ひどく緊張した。いつかのジェイコムの誤注文報道が頭をよぎる。注文フォームを確かめたところ、音声ブラウザでも何とか できそうな感触は得ていたので、株数(もちろん最低単元株数)と指値を間違えずに記入することに集中した。だが、見つけておいたはずの指値の記入フォーム が見つからない。あれ~?おかしいなあ・・・などとやっているうちに、株価は分速というか秒速で推移してしまう。あれよあれよという間に10円くらい上 がってしまい、「10円で100株だから1,000円じゃ~ん!」と涙目になりながら格闘。

それでも、何とか約定。抜け目ない私は、約定通知をケータイメールでいただくように設定しておいたので、「ピロロピロロ、ピロロピロロ」と鳴り響 くケータイを握り締めて、勤務中にもかかわらず少し興奮した。社長の冷たい視線を感じなかったわけではないが、「コラムのネタです。」と言っておいた。

そうそう、現在値で指していても買えないことがある。そのあたりを理解するのに「気配」は助けになると思うが、これを音声ブラウザで理解するのは 少し難しい。だからといって、ほかに適当な表現方法も思いつかない。株独特の用語の理解とともに、サイトの側ではなく、音声ブラウザ利用者の側が知識を深 める必要がある部分だと感じた。

このような調子で売り買いを1週間かけて3往復(3銘柄)してみた。幸い、どれもマイナスにはならなくて、14,325円増えていた。しかし、 30年間生きてきた中で、宝くじすら買ったことのない私にとっては、精神的疲弊は甚だしい。見えなくても、音声ブラウザでもオンライントレードは可能でし たという報告をもって手仕舞いとしたい。

別件だが、このコラムはよく読むけれど「清家やすよ」実物に会ったことがないという方がちらほらいらして、「本当に実在するのか?」と怪しまれて いるとのことなので、いつかどこかでお会いすることがあって、「やすよさん、『アクセシビリティコラム』読んでます。」と言ってくださった方には、 14,325円がなくなるまで、もれなくドトールコーヒーをおごってあげます。

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