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アクセシビリティコラム

第44回 JISやさしい寸評(番外編) 項目削除希望

しつこいようだが、『JISやさしい寸評』はまだ続く。というのは、Webアクセシビリティに携わって丸3年の私、こんなにすばらしいひらめきは初 めてではなかろうか。ぜひ、みなさんにお伝えしたい。

この、何というか、毎日インターネットに接続するたびに感じるストレス。特に、我がユニバーサルワークスが毎年行っている『自治体サイトWebア クセシビリティ調査』を終えると、抑えようのない怒りをどうすることもできずにいる。拳を突き上げてみたり、空を蹴ってみたりするのはいつものことだが、 どうにも解せない現象がひとつある。その点について、このたび解決をみそうなのだ。

都道府県、政令市のレベルではさすがにないが、静岡県内の市町のサイトにおいては、他のまちのサイトのソースをコピーしたか、または、同じ制作者 (業者)が手がけたかのどちらかとしか思えないサイトというのがある。そんなことはよくあることかもしれないが、私が解せないのは、そのサイトがJISの ある項目を誤って解釈し実装してしまっていることが明らかだからだ。昨年の調査時に、誤っていることをその自治体にコメントで寄せたし、このコラムでも紹 介してさしあげたのにもかかわらず、同タイプのサイトが今年も増えていた。誤った解釈の実装が伝播している。JIS病の感染である。弊社のちっぽけな調査 や私のちっぽけなコラムでは、感染を止めることはできないようだ。

そこでである。いっそのこと、諸悪の根源である例の項目を、JISから削除してしまってはどうかと思うのだ。見直しとか、改定とかを、何年後かに していこうということになっているらしいと噂に聞いたのだが、それが本当であれば、

5. 開発及び制作に関する個別要件

5.3 操作及び入力

h) 共通に使われるナビゲーションなどのためのハイパリンク及びメニューは、読み飛ばせるようにすることが望ましい。

を削除願いたい。JISに明記されていても、不必要な事項は淘汰されていくことはよくわかっているし、実際、その時を待とうと思っていたのだが、 私のいらいらの限界を超えてしまった。上記のように、誤った解釈の実装がまかり通っていることを知りながら淘汰を待つなど、私にはできない。音声でわかろ うと努力をしている利用者にとって、どれだけ迷惑なことだろう。正しい解釈の実装であればそれにこしたことはない。だが、それができないのであれば、読み 飛ばしのしかけなど施さなくてよい。文書構造を意識し、きちんと情報設計されていれば、音声ブラウザ利用者は利用者側の操作で補える部分だと思う。

「都道府県、政令市のレベルではさすがにない」と記したが、感染がみられないだけで、単発では疑問を抱かざるを得ない実装がいくつかはある。私は 制作畑の人間でないので、詳しくはわからないが、この項目については、どんなに言葉を尽くしても、わからない人にはわからないままだ。Web制作は、ルー ルを知っていても知らなくてもできてしまう。なぜなら、それなりに見えてしまうから。でも、Webサイトにおいては、百見は一聞にしかずで、その人の制作 力というものが、この私などにもよくわかる。もっと恐ろしいのは、その人のパーソナリティやセンスのようなものまで伝わってきてしまうことだ。

もう、ナンセンスなサイトに出会いたくない。

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