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アクセシビリティコラム

第39回 JISやさしい寸評(8) リンクラベルとリンク設定範囲

JISの条項を追うと、このあたりでALT属性の話が出てくるところではあるが、このコラムでは散々取り上げているので、お暇なときに再読いただく にとどめたい。以下は該当コラム。

簡単にまとめると、「画像にはALT属性をつけましょう」、「だけど、言葉を入れるか空にする(alt=””)は一考ください」、「そして、つけるとなったら適切にお願いします」ということだ。

今回のコラムでは、ALT属性のことではなく、適切なリンクラベルとリンク設定範囲について述べたい。読み上げられるテキストにリンクが設定して あると、私の利用している音声ブラウザの環境では、女性の声で読み上げられる。そうでないところは男性の声で読み上げられる。これは、そのページの内容を 把握する貴重な手がかりになっている。そのリンクラベルがどう表現されているかも、サイトの閲覧を進めるにあたり重要になるのは言うまでもない。

まず、適切なリンクラベルについて。リンクラベルがその先のページの内容を適切に表していなければならないということは当然のことで、【第32回:JISやさしい寸評(2) ページのタイトル】 あたりを参考に、リンクラベルのあり方を考えていただけると幸い。

ここでは、「詳細」とか、「こちら」とか、「ここをクリック」というリンクラベルについて言及したいと思う。はっきり言って、迷惑この上ない。見 えないリアルの世界でも、「『あっち』『こっち』『そっち』」、「どっち?」ということはよくあるエピソードで、Webサイトを閲覧していても、「こち ら」と言われると「どちら?」と聞きたくなる。いや、必ず突っ込むようにしている。ほとんど意地である。

経済産業省トップページの一部:「詳細」というリンクが多数存在する。

このような場でさらし上げたくはないが、経済産業省のトップページを閲覧するたびに悲しくなる。この「詳細」のオンパレードはどうしたことだ。お 宅らがjisを制定したのではないの。そのあなた方がよろしくない例を公に披露してどうするのよ。何の詳細かわかるようにしましょう。そもそも、「詳細」 などと言わなくても、そのものがリンクラベルになっていれば、閲覧者はみんな「詳細なんだな」と理解できると思う。そこはWebの基本的なルールでしょ う。頼みますよ、本当に。

というわけで、文意に依存した表現そのものだけにリンクを設定するのはやめましょう。音声ブラウザで操作するときは、矢印キーでわかりにくいリン クラベルの前後を行ったり来たりして確認しつつ、Tabキーでリンクラベルを拾ってEnterキーで決定し読み進めている。操作自体に必要以上の手間がか かる上、確信できずに決定しなければならないことも多
く大変つらい。

次は、リンク設定範囲について。言葉で表現するのは非常に難しいのだが、音声でWebサイトを閲覧するときに、リズムを手がかりにすることがあ る。何となく、このサイトはリズムがよくないなと思うとき、そのサイトのリンク設定範囲がおかしいことが多い。文章中の単語にことごとくリンクを設定して みたり、お役所関連に多いが「ナントカ及びナントカのナントカに関するナントカの報告について」とやたらと長かったりする。後者は仕方がないとしても、そ の先に示されるページは何なのか、それは今示さなければならない内容なのかを熟考してリンクを設定してほしい。

それから、理解しがたいセンスのサイトに出会うこともある。たとえば、新着情報や更新情報などの欄で、「(a)2006年6月1日(b)アクセシ ビリティコラム39『リンクラベルとリンク設定範囲』(c)を掲載しました」とあったとすると、(b)にリンクを設定しておけばいいなと思うのだが、同じ 新着情報欄の中で、(a)(b)に設定してある場合もあれば、(b)(c)に設定してある場合もありというように、一定のルールでリンク設定がされていな いということがある。一体、どういうセンスの持ち主が制作しているのだろうと考えてしまうが、サイトの更新に複数の人がかかわっている場合などはありうる 話だと合点がいった。細かいことだが、このあたりまで気を遣えると好感度大である。ちなみに、ページのほとんどのテキストにリンク設定がされているという ページもあるが、私の環境ではリンク設定範囲は女性の声なので、かなりかしましい状況になる。私の耳もいたわってもらえるとうれしいな。

5. 開発及び制作に関する個別要件

5.4 非テキスト情報
a) 画像には、利用者が画像の内容を的確に理解できるようにテキストなどの代替情報を提供しなければならない。

b) ハイパリンク画像には、ハイパリンク先の内容が予測できるテキストなどの代替情報を提供しなければならない。

5.9 言語
b) 日本語のページでは、想定する利用者にとって理解しづらいと考えられる外国語は、多用しないことが望ましい。使用するときは、初めて記載する時に解説しな ければならない。

c) 省略語、専門用語,流行語、俗語などの想定する利用者にとって理解しにくいと考えられる用語は、多用しないことが望ましい。使用するときは、初めて記載さ れるときに定義しなければならない。

d) 想定する利用者にとって、読みの難しいと考えられる言葉(固有名詞など)は、多用しないことが望ましい。使用するときは、初めて記載されるときに読みを明 示しなければならない。

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