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アクセシビリティコラム

第38回 JISやさしい寸評(7) ナビゲーションとスキップ

「共通に使われるナビゲーションは読み飛ばせるようにしよう。」という条項については、このコラムでいくつか取り上げてきたので、以下に紹介する。 これらのコラムを執筆した当時とは、私のスキルや細かい部分における考え方に若干の変化はあるが、事例については参考に値すると思うので、時間のあるとき に再読いただきたい。

サイトに共通に使われるナビゲーションを置くことについては、音声ブラウザ利用者はWebページの概念を持つことと若干の慣れを強いられるかもし れないが、異議なしということでよいだろうか。共通のナビゲーションの存在が、障壁とならないような情報設計がされているとうれしい。

読み飛ばさせるか、読み飛ばさせないかについては、いくらも議論の余地があると思う。読み飛ばさせたいのであれば、それなりの情報設計が必要で、 それなりの情報設計ができていれば、よほどボリュームのあるサイトでない限り、読み飛ばさせる必要がないのではないかと私は感じる。それくらい、読み飛ば させる配慮は優先度が低いと考えてよいと思う。

それでも、このサイトは共通に使われるナビゲーションを読み飛ばせるようにしようとなったのであれば、一定のルールに基づいて制作する必要があ る。「共通に使われるナビゲーション」を読み飛ばさせるための工夫なのだから、そのサイトの「共通に使われるナビゲーション」を読み飛ばせるようにしても らえればそれだけでよい。「共通に使われるナビゲーション」が各ページの冒頭にあることが多く、いつまでたってもそのページの本文が現れないとか、本文の 始まりの予測がつきにくいとかいう理由からこの条項が設けられたのだと思う。つまり、本文の頭出しをさせたいということだろうから、そのことを意識してス キップの機能を設定してほしい。

ここで、許されない過ちは、読み飛ばし先の設定を忘れることだ。音声ブラウザ利用者は、一度使ってみて読み飛ばせないと、二度と使わない傾向にあ る。何度も利用するのは、このミスにいつ気づくかなあと毎日楽しむ私くらいだ。

あとは、そのことを示す文言はどうするか。以前は「本文へジャンプ」くらいだったけれど、このところは多種多様。

毎日社説とコラムを読ませていただいている新聞社3社が、たまたまスキップの機能を採用していたので例としてあげてみると、

  • 「検索とメインメニューとばして、このページの本文エリアへ」(朝日新聞)
  • 「本文へジャンプ」(毎日新聞)
  • 「メニューをとばして、このページの見出し・本文へ移動します」(読売新聞)

となっていた。どれがいいとか悪いとか、答えなどないので明言は避けるが、上記の一定のルールが周知されれば、適当な文言が定着してくると思う。

そして、誠に個人的なことで恐縮ではあるが、私がこの機能を利用しているかどうかというと、設定してあっても利用していない。ブラウザの関係であ まりページを重ねたくないということと、進んだページ数とともに、そのページの何行目あたりにいるかということまで把握したい思いから、どんなにナビゲー ションが多かろうが順序よく(10行飛ばしくらいはするが)行を追って閲覧している。多少ゆっくりではあるけれど、自分の居場所を見失うことなくいいもの ですよ。

5. 開発及び制作に関する個別要件

5.3 操作及び入力

f) ウェブサイト内においては、位置、表示スタイル及び表記に一貫性のある基本操作部分を提供することが望ましい。

h) 共通に使われるナビゲーションなどのためのハイパリンク及びメニューは、読み飛ばせるようにすることが望ましい。

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