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アクセシビリティコラム

第36回 JISやさしい寸評(5) 入力フォーム

何かの登録や申し込み、買い物の際のデータ入力やアンケートなどに多いだろうか。このところ、やっと躊躇することなく利用できるようになってきた。 入力フォームがアクセシブルになってきたからではない。私が思い切れるようになってきたからだ。どう思い切るかというと、エラーを恐れない、それから、情報を出し切る、この二点である。

エラーはどのようなときに出るか。たとえば、「ふりがなはカタカナで記入してください。」や、「数字は半角で記入してください。」などだ。「だっ たらそう書いとけよ。」と悪態をつきながら、せっせと記入し直せばよいというだけのこと。私は何も注記がなければ、「ふりがなはひらがなで」、「郵便番号 と電話番号は半角で」、「住所内の数字は全角で」、「メールアドレスは(当然)半角で」入力することにしている。これで、おおむね成功する。

情報を出し切るとはどういうことか。これは、必須や任意にかかわらず、そこにあるフォームを埋め尽くすということだ。本当は任意でよい生年月日を 公開し、ついでについているアンケートのようなものにも快く答える。そうすれば、とりあえず登録や申し込みは完了するのだから。これだけ情報を出している のだから、誕生日プレゼントや景品をいただけないだろうかといつも思う。

さあ、私が悪態をついたり、プレゼントや景品を要求したりしなくて済むように、入力フォームのアクセシビリティについて考えよう。

入力フォームの例(「TOYOTA Mail Magazine ID」より)

必須と任意について

「ナントカ印は必須項目」とか、「赤字の項目は必須」とか書かれていることがよくあるが、音声ブラウザでは識別ができない。すべての項目が必須で ないのなら、それぞれの項目ごとに「必須」「任意」の注記がほしい。すべての項目が必須であるときも、入力フォーム群の前に、すべて必須である旨を伝えて いただけると親切だ。また、前半に必須項目をまとめ、後半に任意項目をまとめてその旨を説明することも手である。

注記や例示について

注記とは、「カタカナで」とか、「半角で」とか、「何文字以内で」とかいうもので、例示とは、記入例を記したものだ。記入に何らかの制限がある場 合は、明記しておく必要がある。このとき大切なのは、その位置である。通常は項目と注記、例示を確認してから記入するので、入力フォームの前にある方がよ いだろう。しかし、私の経験からすると、前でも後でも一定のルールで記しておいていただければそれほど不都合はない。たとえば、入力フォームの前に項目 を、項目の後に必須か任意かを言葉で明記し、注記を添え、入力フォームの後に例示を示すという形を項目が続く限り守ってもらえるとわかりやすい。つまり、 記入前に最低限知ってもらいたいことは何か、そして、補足的にあると親切なことは何かということを考えて情報を提供しておけばよいのではないだろうか。注 記や例示は、あったりなかったりするのが一番不安になる。

プルダウンやラジオボタンやチェックボックスについて

話題からそれるかもしれないが、入力フォームに付随するものとして、これらがあげられる。生年月日の記入の代わりに、プルダウンで選択させること は多いと思う。また、アンケートなどでラジオボタンやチェックボックスが使用されていることも多い。それぞれ適切な使い方があって、これらは製作者(設定 する側)が内容に応じて適切に使用すればよいのだが、音声ブラウザ利用者がその意味を理解できているかは疑問だ。私自身が理解するのに少し時間がかかった ので心配しているだけだが、不必要に混在させないようにした方が入力を促しやすいだろう。しかし、これらの違いを理解することで、入力フォームへの自信が つき、インターネットの双方向性にも耐え得るようにもなるので、音声ブラウザ利用者はぜひここを乗り越えていただきたい。

いつものことだが、それほど難しくはない。みんなで美しい入力フォームを心がけましょう。

5. 開発及び制作に関する個別要件
5.3 操作及び入力
b) 入力欄を使用するときは、何を入力すればよいかを理解しやすく示し、操作しやすいよう配慮しなければならない。

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