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アクセシビリティコラム

第29回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2005を終えて(上)

いきなり本題に。
「上」と書きながら、気がおさまらないので「下」の話題からにさせていただく。

まず、「嘘はつくな!」から。
この調査は、確かにいち民間会社の勝手に行っている調査であり、自治体によっては、理不尽に感じていらっしゃるのかもしれないが、昨年に引き続き、「嘘は つくな!」と申し上げたい。

静岡県富士川町はひどい。
一昨年、昨年も同様のコメントを寄せ、昨年はこのコラムでさらし上げ状態(アクセシビリティコラム 第15回)であったの に、今年も変化がないとはどういうことだ。あなたのところは、インターネットの情報をそんなに軽く扱っているのか。そんなことだから、インターネットの情報が胡散臭くとらえられるのだ。インターネットの情報が、あらゆるメディアの何よりも利用しやすく、頼りにしている人だっているのだ。だからこその情報発信ではないのか。そろそろ町長に真相をうかがいたいものだ。

次は、「JIS(JIS X8341-3)病の発症」について。

こちらも、ありがちだし予想はしていたがひどい。JISの要件の中に、「5.3 操作及び入力 h) 共通に使われるナビゲーションなどのためのハイパリンク及びメニューは、読み飛ばせるようにすることが望ましい。」とある。これは、「本文の頭出しができ ると便利ですよ。」と言っているわけだ。私が自社サイトや自前サイトであれこれ試してみたところ、場合によっては便利だが、それほど使わないという結論を 導き出した。でも、これは好みの問題。だから、JISの要件の“意味をふまえた”配慮に関しては、「いいですね。」と言えた。

ところが、これの発展形というのが流行り出している。グローバルナビゲーションを飛ばして、本文の頭出しをしてくれさえすればよいのに、各種メ ニューが用意されて、1ページにいくつもの読み飛ばしリンクが付いていたり、何の意味があるのか知らないが、パンくずリストだけ(たった1行なんてこと も……)を仰々しく読み飛ばさせるしかけがあったりと、混乱の極みだ。

もうひとつ、特殊な発展形としては、上記の読み飛ばしリンクが透明gifであることに有頂天になった制作者が、この小手先のテクニックを駆使し て、トップページ全体に不可視のナビゲーションを付けまくるタイプがある。うっとうしさ満点。それやるなら、先に見出しの要素を付けとけよと言いたい。

音声での閲覧者が見出しを意識して閲覧するのは、まだまだ先のことかもしれないが、それを意識しやすいサイトの制作を先行させることが、自治体のような公的サイトの役割ではないかと思う。

ちなみに、鳥取県がこの併用型で公開している。
これは、きちんと意味を考えて付けていらっしゃるのだろうと思う。将来は、このサイトから不可視のナビゲーションを取っても、見出しを手がかりに、情報を 容易に得る力を音声での閲覧者が身につけることが望まれる。個人的には、鳥取県さんにしばらくこの形で公開願いたい。これを教材に、音声閲覧者よがんば れ!

最後に、「保守・運用の大切さ」について。
大幅なリニューアルをしていないのに、ポイントを落としてしまった自治体がある。Webサイトは生きものみたいなもので、動かしている以上、かわいがって やらないとすねちゃうということだ。ALT属性の付加を忘れたり、単語内のスペースをついつい入れてしまったり、そうした小さなミスの積み重ねが、残念な 結果になってしまった例も見受けられた。
「塵も積もれば・・・」だが、所詮塵なのだから、恐れずに立ち向かおう!

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