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アクセシビリティコラム

第28回 アクセシビリティは儲からない

アクセシビリティは儲からないなと思う。

Web制作の際、「アクセシビリティに配慮すると少し高くなりますが、配慮しなくてよければ少しお安くできます。」というのもおかしな話なので、アクセシビリティそのものの対価は得にくい。だが、それでは我が社における私の商品価値がなくなってしまい困る。

では、どこで稼ごうかとなると、多分、既存サイトのアクセシビリティチェックとか、それをもとにした改善策の提案とか、そのようなところがお金になっているのだと思う。でも、ここにお金をかけようという感覚は世間にあまりないようだ。もちろん、いくらかはあるから、私は報酬というものを今のところいただけているわけだが。

以前、このコラムで『私の大失敗』 を記した。(視覚障害者用図書の検索サイトが使いにくいという話)その後、点字図書館関係者にお会いする機会があった。プライベートの場であり、ビジネスの話はよくないと思ったので、上記の件を、なるべくさらっと利用者として話してみた。でも、一応これこれこういう仕事をしている私の目(耳?)で見たところ云々と、私のプロ意識は強調してみたつもりだ。それなのに、

「そうなんですかあ、そういう仕事されているのですね。そういうことなら、ぜひ、事務局に指摘してやってください。言いにくいようでしたら私たちが間に入るのもかまいませんので、どうぞ遠慮なく。」

と言われてしまった。

だっかっらっ、それを指摘するのが私の仕事で、その指摘を聞くためにはお金が必要なんですが……とのど元まで出た。たくさんの視覚障害者とのふれあいがあって、さまざまな生き方(生計の立て方)を見てきているだろうに、私の奥にあるものをどうして思いやれないのだろうかと閉口した。でも、この世界はどうやらいつもこうらしい。視覚障害→福祉→ボランティア(無報酬)というしくみが、完全にでき上がっているのだ。「アクセシビリティ=障害・福祉」ではないので、別によいのだが。

Webに限らず、いろいろなものにおいて、消費者アンケートやお客様の声が求められていて、そうしたものに答えてもらうことが必ずしも有料ではな い。私は、消費者アンケートが結構好きで、時間さえ許せば、すぐに協力してしまう。おいしいものに出会ったときなど、頼まれてもいないのに、感激メッセー ジを送ってしまうこともよくある。

そんな調子なのでおわかりですね。お気に入りのサイトに不都合を感じると、ついつい、アクセシビリティチェックをして、発信者に「無料で」告げてしまうのだ。もう、ほとんど「ひとり企業メセナ」状態。でも、その意見が聞き入れられることがあるので、おもしろくてやめられない。もし、これを読んでく ださっている制作会社さんに、「視覚障害者からの問い合わせがあって……。」などと、お客様から問い合わせがありましたら、それは私かもしれませんので、 ユニバーサルワークス、アクセシビリティアナリスト清家やすよまでお問い合わせください。

お仕事待ってます。

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