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アクセシビリティコラム

第16回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2004を終えて(2)

昨年に引き続き、2回目の横並び調査である。当然、サイトをリニューアルした自治体があった。(ごく一部を除いて)リニューアル後の方が前よりも改 善されていた。

「おおっ、前と違うな。うんうん、いいんじゃあないの。」
などとつぶやきながら聞いているのだが、トップページを最後まで聞き終えると、
「えっ、ここで終わり?」とか、「あれっ、何の話だったかしら?」とか、
結局、全容把握ができないサイトにいくつか出会った。

このようなことはあってほしくないのでよいのだが、不思議なことに、都道府県や政令市のサイトにはこのような現象は見受けられなかった。都 道府県や政令市と同時に調査を行った静岡県内の市町村のサイトに頻発するのである。これが昨年よりも多い。つまり、リニューアルしてさらに?となってし まっているわけである。

音声ブラウザの利用による経験上、表(table要素)で表現されている内容が、制作者の意図しない順番に読み上げられてしまうことがある ことはわかっていたので、そのような現象が起きているのではないかと想像してみたり、読み上げられる内容を、私の頭の中のスクリーンにいろいろ並べ替えて みたりするのだが、どう考えても、制作者の意図するように読み上げられているとは思えない。

いったい何が起こっているのだろう?

これが、意図する順番で読み上げられているとしたら、制作者のおつむはかなり弱いだろうというところまできて、ギブアップである。

どうやら、これはホームページビルダー(IBM)の仕業らしい。ホームページビルダーの「どこでも配置モード」なるものを使用したサイト を、ホームページリーダー(IBM)で読み上げると、“あちこち読み上げモード”になってしまうようなのである。もちろん、ホームページビルダーのユー ザーズガイドの注意事項には、

どこでも配置モードの場合、読み上げられる順序はWebブラウザの表示とは無関係です。(ホームページビルダー Version.8 ユーザーズガイド302ページ「付録B 誰もが利用しやすいホームページを作る工夫」 )

とあるけれど、「どこでも配置モード」は基本機能のひとつにあげられていて、ユーザーズガイドの小さな注意事項よりも、ホームページビル ダーを使って制作する人の目に入りやすいことは明らかである。ホームページリーダー愛用者なので大変言いにくいのだが、(愛用者だからこそ言うべきかもし れないが)IBMさんには自社商品のマインドの統一を願うところである。

原因がわかって、私の脳裏には、ちまちまと自治体サイトを制作している市町村の担当者の姿がちらついて離れなくなってしまった。
「予算もない、スキルもない、だけどがんばっている“ほ?むぺ?じ”担当者の私です?。」
と、そのサイトが担当者に化けて語りかけてくるようである。
「その予算を取るのが仕事でしょう、予算が取れないならスキルを磨くのが仕事でしょう、格安業者に仕事を任せたのはあなたでしょう?。」と、必死な思いで 呪いを振り払い、「文句を言うのが私の仕事です!ごめんなさい!!」と、強気なコメントを書き続けた。

何とかならないものだろうか。サイトを利用する人のユニバーサルデザインのために、サイトを制作する人がバリアだらけというのはよろしくな い。このままの状態が続けば、ユニバーサルワークスの調査そのものがバリアになってしまう危険性だってあるわけだ。

「普通につくれば、みんなが使える。」
そんな日はまだ遠いのかなあ。

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