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アクセシビリティコラム

第12回 ページ内リンクで迷子

みなさんは気づかれないかもしれない。むしろ、便利だと感じていらっしゃるのではないだろうか。しかし、音声ブラウザを利用する私にとっては、わか りやすいようなわかりにくいような、便利でありながら便利でないような、そのような存在の“ページ内リンク”なのである。

私がWebサイトを閲覧するときは、常に、現在のサイト内の位置というものを意識している。トップページから○○というリンクボタンを選ん で、その中の△△というリンクボタンを選んだので、この情報に達している。であるから、先ほど△△というリンクボタンを選んだページに戻って、そのページ のほかの項目を閲覧しようとか、もう1ページ戻って、トップページから項目を選びなおそうとか、つまり、現在、トップページから、何ページ進んでいるの か、何ページ戻ればどのページに戻ることができるのかを意識しているというわけだ。いつも、サイト内での迷子を防ぎたいと思っている。

ところがである。
この“ページ内リンク”に、どれだけその意識を妨げられたことだろう。
“ページ内リンク”は、確かに私にとっても便利である。
Aというページの○○というリンクボタンを選べば、その内容にダイレクトに到達することができて、1ページ戻れば、先ほどの選択肢の並んでいる部分に戻る ことができるわけだから。しかし、その○○という自分の求めていた情報を読んでいると、ページ内リンクであるから、自分の求めていない情報までご丁寧に読 み続けてくださる。そして、ページ内リンクが設定されているページの多くは、その情報と情報の間に、「このページのトップへ」というボタンが存在する。こ こで、私はページ内リンクであることに気づく。気づくだけなら何の問題も生じないのだが、気づいたとたんに、「AというページからA’に来た。」という、 つまり、1ページ進んでいるという意識が消えてしまうのだ。

「A’はAである。」という意識に変わり、A’にいるにもかかわらず、Aに戻らなければもとには戻らないという意識がなくなってしまうので ある。
ここで誤算が生じる。
進んだページ数が勝手に消去されているので、戻っても予定しているページが出てこない。しかも、戻る前と同じページが出てくるわけだから混乱する。「あ れっ、あれっ?」と思っているうちに迷子である。

では、どうすれば・・・?
となるわけだが、残念ながら、アクセシビリティの配慮には答えがない。好みでよしとするしかないように思う。私が制作するならば、ページ内リンクを設定し なければならないほどのボリュームを1ページに求めないように努力をするような気がする。どうしても設定が望まれる場合には、ページ内リンクであるリンク ボタンが読み上げられる前に、「以下の項目(メニュー)は“ページ内リンク”です。」というようなコメントを埋め込んでおくかしら・・・。

なかなか難しい。「でも、私、実際こんなことで迷子になっているのです。」

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