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アクセシビリティコラム

第116回 スマホが「できる」とは

視覚障害者用の情報誌のようなものがあって、具体的に言うと、日本点字図書館というところが月一で発行している「にってんデイジーマガジン」というのを毎月ざっと聴いているのだが、今年の3月号に私の心をゆらゆらっとさせる対談があった。それは、iPhoneユーザーがこんなふうにiPhoneを使っていますというもの。そのユーザーさんというのは視覚障害者で、確かにおもしろそうだったり便利そうだったりということをやっていた。ふむ、私もiPod touchをそれなりに使わないとなとは思ったのだが、心がゆらゆらっと揺れたのはそこではない。そのユーザーさんのiPhone歴だ。

彼は、2013年の1月ころ、まずiPod touchに触れる機会があり、その利用体験からこれならiPhoneもいけそうだと感じてその年の4月からiPhoneユーザーになったというのだ。え~、iPod touchデビューは私と同じじゃん!それなのに、3か月後にiPhone利用に至った彼と、1年後もiPod touchすら使いこなせていない私と……。この違いは何なんだと愕然とした。

一般のみなさんのスマホ利用率を統計で見てみたところ、スマホとガラケーで半々くらいで私が想像していたよりはスマホ率は低かったのだが、視覚障害者のスマホ利用率は統計からも、また上記のように利用者の声などからも、私の想像をはるかに超えて高い。

2014年3月末の端末契約数に占めるフィーチャーフォン契約数比率は53.0%(前年度より9.7ポイント減)、スマートフォン契約数比率は47.0%(同9.7ポイント増)となった。

携帯電話契約数のグラフ:スマートフォン契約数は、昨年度末から1,376万件増加。契約端末数に占める割合は47.0%(昨年比9.7ポイント増)に達している。

株式会社MM総研「スマートフォン市場規模の推移・予測(2014年4月)」 より

私のiPod touch体験からは、見えない人がどうしてこれを使えるのかがわからん!

iPhoneではなくて、iPod touchとして使うだけでもストレスだというのに、これをメインの通信手段にできるなんて私はちょっと理解に苦しむ。そこで、私なりにいろいろ考えたり、社内でディスカッションしたり、周辺の人々の意見を聞いたりした結果、まあはっきりとした理由とまではいかないけれど、ユーザーの「性格」のようなものの違いではないかという結論に達した。

私も2013年の初頭にこのコラムで3回ほどiPod touchの利用体験を記したが、その後、残念ながらiPod touchへの興味が薄れているというのが実情だ。「30分経ったら教えて。」とか「明日○○時に起こして。」とか、タイマーやイレギュラーな目覚ましとしてしか使っていない。どうしてか?多分だけど、入力がうまくいかないからだと思う。

そこで、上記の彼がどのように入力作業をしているかを気にして聴いていると、メールのやりとりのシーンが出てきて、声で入力していた。そうだよねえ、それしかないよねえと思って、ああここだ、ここのところが私は嫌なのだと気づいた。確かに声でメッセージを入力することはできているようなのだ。音というか、カナ?としてはそこに入力されているのだと思う。でも、正確な表記がされているかどうかを知る術がない。ここのところがどうにも気にくわない。私だけがわかればよいスケジュールすら、正しい表記でないとすっきりと落ち着かない私が、相手に送るメールの文面をいい加減なままというのはどうにも我慢ならないことだ。

伝わればいいではないかという単純明快な最優先事項を思って割り切ることがどうしてもできない。音楽とかデータ管理もきちんとしたタイトルできちんとしたカテゴリで整理しておきたい気持ちが強くてそうしたことがままならない感じもいただけない。つまり、性格の違いだと思うのだ。突き進んでいける人ととどまってしまう人と。でも、できると言えるのだろうか?できなくはないだろうけれどできるとは言い切れないよなとやっぱり私は思う。

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