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アクセシビリティコラム

第112回 自治体サイトWebアクセシビリティ調査2013を終えて

このコラムがいつ誰にどのように読まれているかは不明で、大して読まれていないと推測しているのだが、自治体サイトWebアクセシビリティ調査の発表時くらいはいつもより少し読んでくださる方が増えて、その中に自治体の職員の方がいてくださるのではないかと期待して今回の総評である。

一度改めて聞いてみたかったのだが、自治体さんには隣の自治体へのライバル意識みたいなものはないのだろうか?この調査を始めたころはそうした声をよく聴いた記憶がある。「どうしてうちは○○県さんにまけているのでしょうか?」という問い合わせがあって、「勝ち負けの調査ではありませんので、自分のまちのサイトのアクセシビリティの傾向として参考にしてください。」と答えまくっていたのを思い出しているのだけれど。あのころの意地とかこだわりみたいなものは、今、なくなってしまったのだろうか?

はっきり言ってしまうと、このところの自治体サイトは『○○県のサイト』というよりは、『○○社製のサイト』と聞こえていますよというお話。「○○県と△△県と□□市は××社製でしょう。」「○○県と△△県は同じ人がつくっているな。」と、今年の正答率は結構高かった。デザインとかレイアウトとかのヒントなしにあてられたのがすごいのか、あるいはヒントがないからこそ惑わされずに当てることができたのか。いずれにしても、私の音声ブラウザでの閲覧環境で○○社製を当てられるというのは、一般的には“似てる”と言っていいと思う。この“似てる”というところが、自治体としては気になりはしないのかなあと、私は近年気になって仕方がないのだ。あんなに勝った負けたと気にしていた人たちが、“似てる”は受け入れられるのか。“似てる”は同点だからいいのかなあ、負けたわけじゃないからいいよみたいな感じかなあ。

“似てる”つながりでもう一つ。『○○県のサイト』というよりは、『○○県でなくてもよいサイト』と聞こえていますよというお話。

調査も淡々とやるしかなくてつまらないので、「○○県』の○○に全然違う県を脳内で入れて調査をするというのをやってみた。あら不思議、それはそれで通るんじゃないのとなってしまった。アクセシビリティが整いつつある今、コンテンツの独自性が大切になってきていると思う。

以前のような競争する気持ちはなくてもよいけれど、自分のまちへのこだわりは持った方がよいだろう。
“似てる”では済まなくて“同じ”なんてことにもなりかねないから。

今回の調査対象サイトではないが、自治体サイトに同じ文言のコンテンツを見つけたことがある。それは自分のつくったコンテンツだから気づいた。自治体に問い合わせると「制作会社のせいです。」と言い、制作会社に問い合わせると「お宅の真似なんかしていない。」と言い張る。これが一つだけではない、複数存在したから恐ろしい。真似云々はそんなはずはないだろうと思いつつもよいとして、「制作会社のせいです。」というだけで片付けてしまう自治体の誠意のなさにあきれてしまう。

自治体というのは納品されたサイトをそんなには見ていないのだと感じるできごとだった。都道府県や政令市はそんなことはないだろうと信じているが、自分のまちのサイトをこだわりの目で眺めてみませんかと提案したい11回目の夏でした。

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