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アクセシビリティコラム

第106回 不都合のかたまり

私の調子が悪いのか、PCの調子が悪いのか、特に原因を究明せずにいたが、無縁であった肩こり、眼精疲労に悩まされ始めたので原因を探ることにした。WindowsXPとPCトーカーとNet Readerで調子よくやっているつもりでいたが、私のPCは非常に動きが遅くなっていたらしい。PC操作に限らないが、見えない日々というのは不都合のかたまりみたいなものなので、おそらく徐々に悪くなったであろうPCの動きなんぞ特段気にせずにいた。なんとなく肩から上がだるい日が続き、そう言えばPCの電源をすぐに切りたくなる(つまり、仕事をサボりたくなる)ことが多いこのごろであった。私はまた見えなくなったあの日のように大病に侵されているに違いないと思ったけれど、調子が悪いのはPCを前にしたときだけではないかというパートナーの冷ややかな分析をもとに原因を探ったところ、何かよくわからないけれどPCの動きが悪いよねということであった。

別にマシンはこわれちゃいないが、愛用のPCはもう6年以上も働いていてくれて、そろそろ引退だろうということになった。唯一の商売道具であるのだから、もう少し早く買い替えていかないといけなかったとは思う。でも、同じ環境でいて体調が崩れるほど動きが悪くなるということには納得がいかず、次はどれを買って何を入れればいいんだろうと思い、いろいろ調べたり問い合わせたりしたけれど適切な情報は得られなかった。あれこれやっているうちに時間ばかりが過ぎ、このたびやっとのことでコラムの再開となった。つまり、ここまではコラムをさぼったいい訳である。

最善の環境かどうかはわからないが、以前よりずっとよい調子で新たなマシンは動いている。そうした中で、待ちに待ったドコモの新商品の発表があった。らくらくホンもPC同様6年も同じものを使い続けているので、そろそろ買い替えるつもりでいた。これまでも、受信メールのカーソル読みをするようになればいつでも買い替える用意はあったのだが、要望が商品に活かされることなく今日に至っている。昨年は新色が加わるだけだったので、今年は何らかの新しいものが発売されるだろうと期待していたところ悲しい結果となった。危惧していた通り、近年のスマホブームに迎合し、らくらくスマホなるものが発売されるらしい。これは私たち視覚障害者には使えない。主に、高齢者などのスマホ初心者をターゲットにした商品と思われる。このような展開は想像できていたけれどやっぱり悲しい。現行のらくらくホンをなくさないことで私たちを守っているということかもしれないが、私の立場からするともう少し成熟したらくらくスマホの発売をもって、リーディングカンパニー的な表明をしていただきたかったなあと思う。

PCの動きの悪さにしろ、視覚障害者にとって未成熟ならくらくスマホの発売にしろ、無意識な意地の悪さを感じずにおれない。日々不都合のかたまりなのだから、そうした情勢に耐える精神構造を持ち合わせているつもりだが、あまりの変化の早さをどうやり過ごそうかと苦心している。

とりあえず、今使用中のらくらくホンが壊れませんように。だって、今壊れたら2年前に発売されたらくらくホンが最新版なわけでしょ。同世代の人々は「もうスマホにしないとさすがに恥ずかしいよね。」「ドコモは全部スマホになるらしいよ。じじばばケータイ以外は。(笑)」などと言っていた。じじばばケータイとはらくらくホンのことなんじゃないかと思う。人前でかばんからケータイを出すのさえ躊躇しなければならないということか?

商品の開発に期待するよりも、心を強くする方をがんばらないといけない時代である。

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