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アクセシビリティコラム

第6回 情報収集 ~はじまりは2ちゃんねる~

失明後、インターネットを触り始めて、YahooだのGoogleだのという検索エンジンが使えるようになったころ、あるキーワードの検索結果に 『2ちゃんねる』というものが出てきた。
インターネット初心者の私は、フレームの操作につまづいたものの、そこをクリアすれば、何の問題もなく閲覧が可能であった。
なぜならば、『2ちゃんねる』は掲示板の集合体であり、文字だらけで構成されている。フレーム操作と日付表記のわかりにくさを除けば、音声で十分な情報収集が可能である。

当時の私は25歳。
お肌は曲がり角にきていた。それまで愛用していた若い子向けの化粧水なんかでは、どうにも潤わなくなってしまった。
だからといって、年相応の基礎化粧品に関する知識など、失明前に、化粧になど興味や関心のなかった私が持っているはずはない。
さらに、現在見えない私が、ドラッグストアに出向いても、デパートの化粧品売り場をうろついても、視覚的に得られるはずの評判や売れ線情報は得られないのである。

そこで、『2ちゃんねる』の登場である。
数あるカテゴリ(板)と膨大なスレッドではあるが、失明によって得た暇な時間と常時接続のおかげで、私は化粧板の住人となることができた。
化粧版を訪れると、人気のあるブランドは単独でスレッドが立っているし、「乾燥肌」だの「敏感肌」だの「おとなのにきび」だのと、肌の質によるスレッド や、「化粧水」だけではなく、「乳液」だの「美容液」だの「リップクリーム」だのと、基礎化粧品のそれぞれの情報を得るためのスレッドなどもある。

これはいい!と私は思った。
化粧品売り場で、すぐ脇に陳列してある高性能な新商品を目にすることができないがために、売れ残りの低品質商品を売りつけられる危険性はなくなるし、化粧品ブースをふらふらして、誘い文句に惑わされることなく、自分の肌と経済状況に合った商品を確実に手に入れることができるのである。

『2ちゃんねる』のおかげで、自分に合った基礎化粧品には出会えたような気がしている。そして、失明後の職業人としての再デビューに当たり、基礎だけではなく、色もの(本当に化ける方)の情報収集にも余念がない。こうして欲張ったために、化粧品のオンラインショッピングというものを見つけてしまっ た。
ほほぅ、購入してみるかという気持ちになって、購入サイトを訪れたものの、アクセシビリティ(ユーザビリティかな?)の悪さのために、(FLASH使用のためにサイト自体に入ることができない。商品がわかりにくい。実際に「買う」という行動に踏み切れない、または、できない。) 私には購入不可能というサイトが多々あった。

このようなサイトの存在と、そうは言っても美しくなれない私は問題であるが、私の「美しさ」の追求のための情報源はインターネットにあり、何よりも 強調したいことは、このように情報収集を楽しんでいる視覚障害者がここにいるということである。

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