「みんな」が使えるWebサイトへ

アクセシビリティコラム

第5回 とびっきりのテスター

私は、ユニバーサルワークスに唯一常勤するテスターである。
「アクセシビリティアナリスト」という格好のよい肩書きで、とびっきりのテスターであると無理矢理自負している。今回は、そのとびっきりぶりを紹介してみ ようと思う。

とびっきりのテスターへの道はそれほど長くはなかったし、難しくもなかった。
つまりは、「偶然の産物」であったわけだが、これは、つくろうと思ってつくれるものではないようだ。

アクセシビリティアナリストの仕事は、簡単に言うと、「webサイトの間違い探し」である。その間違いが間違いであると断言するためには、間違いと 感じることが、私のスキル不足によるものでないこと、それから、音声化ソフトの限界によるものでもないことを、見極めなければならない。私にその能力が備 わったのは、失明後の生活の中に、インターネットが自然に存在したからだと思う。とにかく、失明後の私はインターネットに触れるたびに腹を立てていた。 「ここが読めない、あそこがわからない・・・。」と、毎日いらいらした。

そこに、パートナーの登場である。原因を究明する作業が始まる。
「あなたの操作が悪い。」とか、「ソフトの設定を変えることで対応できる。」とか続けるうちに、私はwebサイトの間違い探しが上手になってしまったので ある。

ところが、恐ろしいことは、パートナーが、この「偶然の産物」を商品に商売を始めてしまったことである。ひらめきや偶然が大商品に発展したという話 は聞かないわけではないが、非常に稀なことである。であるから、私が「偶然の産物」であるならば、この商売の成功は難しい。しかしながら、いくらか成功し てくれないと食っていくことができない。というわけで、私は「偶然の産物」ではないということにした。ということは、私はパートナーによって、巧妙に操作 されているというわけである。

私のスキルが不足していることが判明すれば、あるレベルまでグーッとスキルアップを強いられる。反対に、あれこれ興味や関心を抱くと、場合によって はインターネットを取り上げられ、または、「そんなことは知らなくてよい!」と恫喝される。ある程度のスキルは保ちたいが、あまりに高いスキルを持つこと で、不便を乗り越えられるようになってもいけない。この微妙な位置を保つことは結構難しい。

会社設立時に、私が「偶然備わっていた」と感じた能力は、実は、パートナーによって、意図的につくられていたわけである。つくろうと思ってつくるこ とができる環境にあり、私はアクセシビリティアナリストである前から、「アクセシビリティアナリスト」になるべく、労働していたわけである。ナヌッ?と私 は思う。今後の報酬に期待したい。

頼むよ、社長!

関連するコラムを探す

タグ: