ユニバーサルワークスの成り立ち

2018年8月にユニバーサルワークスは創立15周年を迎えました。スマホ利用の増大を鑑み会社サイトを全面リニューアルしたことに関連して、このコラムも新しくしました。今回は、過去のコラムにあった内容で、会社の情報として必要なことを書き下ろしてみます。

急に見えなくなって

みなさんは急に失明したらどうしますか。私は23歳で突然失明しましたので、それまでに盲教育を受けていませんでした。日常生活は自己流で創意工夫を重ね、わりと速やかに整った記憶があります。それでも、基本は大切だろうと私も周囲の人間も考え、「教育相談」という形で白杖歩行と点字を最寄の盲学校で学びました。そこで、さまざまな盲人グッズに出会うことになります。コンピュータにかかわるものにはスクリーンリーダーがありました。2000年のことです。

高知システム開発さんが設立30周年

昨年、高知システム開発さんが設立30周年を迎えられ、『高知システム開発設立30年のあゆみ』という記念誌を発行されました。私はそれを拝読し、私が失明する前から「視覚障害者用ワープロ」の開発に、人々が必要性と情熱を持って携わってきた歩みを詳しく知ることができました。この尊さが見える人には伝わりにくいかもしれませんが、それまでは視覚障害者が「墨字を書く」ということはできなかったのです。

強烈な情報発信欲

失明してもっと困ることはほかにいくらでもあると思いますが、意外にも私がつらく感じたのは文字が書けない、文章が書けないということでした。筆記具やノートへの執着は大変なもので、それまでの暮らしや職業がいかなるものであったかを思い知らされました。

当時、失明の2年くらい前(98年くらい)から、私はプライベートでホームページを運営していました。ブログやミクシィのまだないころですから、一般では比較的早くインターネットでの情報発信というものを体験していたのかもしれません。ここに日記を入力したいのですができないわけです。最初は見えないけれどノートに墨字で文を書いて、見える人にコンピュータでの入力を代行してもらっていました。そのときのノートの字はさぞかし読みにくかったことでしょう。

スクリーンリーダーを導入して

そんなことをしているときに、例のスクリーンリーダーに出会ったのです。早速、私はそのスクリーンリーダーなるものをを持っていたパソコンにインストールしてみました。タッチタイピングができれば、音声を頼りに文字が入力できるらしい、ホームページも閲覧できるよとも言われていました。それはそうだったのです。ところがどうしたことでしょう。なじみのホームページの内容が音声で理解できないのです。

原因はスクリーンリーダーではなくホームページの方にありました。そのホームページの制作者が当社の代表だったというわけです。プロのWeb制作者として、彼は反省を強いられました。そして今日のユニバーサルワークスがあるということです。